eぶらあぼ 2022.7月号
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第955回 定期演奏会Cシリーズ 7/24(日)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール第956回 定期演奏会Bシリーズ 7/25(月)19:00 サントリーホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp7/20(水)15:00 吉野町市民プラザ7/21(木)15:00 藤原洋記念ホール(慶應義塾日吉キャンパス協生館)(完売)問 横浜みなとみらいホール仮事務所チケットセンター045-682-2000https://yokohama-minatomiraihall.jp72横浜みなとみらいホール出張公演 横浜18区コンサート 第Ⅱ期 大江 馨(ヴァイオリン) × 東京フィルハーモニー交響楽団メンバー(弦楽五重奏)室内楽版で際立つ名作コンチェルトの魅力 現在休館中の横浜みなとみらいホールの主催で、横浜市内各所の文化施設でコンサートが開催されている。内容もユニークで、メイン演目は協奏曲の名曲だが、演奏者はソリスト+弦楽五重奏だけという珍しいもの。室内楽編成であれば小中規模施設でも演奏可能で、多くの市民にその楽しさを味わってもらえる。さらに、ソリストは横浜にゆかりがある実力派奏者ばかりで、地元との結びつきも大切にする。 第Ⅱ期は18区中8区の8施設に訪れることになっていて、平日15時開演、7月には南区の「吉野町市民プラザ」と港北区の「藤原洋記念ホール(慶應義塾日吉キャンパス協生館)」が舞台となる。ソリストはヴァイオリンの大江馨。桐朋学園大学と慶應義塾大学で学び、「平成26年度 横浜文化賞文化・芸術奨励賞」を受賞。瑞々しい音色と知的な感性をもった演奏で人気の俊英だ。オーケストラ役の弦楽五重奏団も贅沢いが、スタイルはあくまで表面的なことであって、本質は音楽のストーリーを語ることだと話していた。 すでに都響とは2019年7月にモーツァルトの交響曲第38番「プラハ」を指揮しているほか、ハイドンやベートーヴェンもとりあげており、古典派作品に関してオーケストラとの相互理解を十分に深めたうえで、満を持して「三大交響曲」に取り組む感がある。都響の磨き上げな布陣で、東京フィルハーモニー交響楽団のメンバー、それもコンサートマスター近藤薫やヴィオラ首席の須田祥子ら、楽団の顔ともいえる首席奏者・フォアシュピーラーの5人が出演する。演目はドヴォルザークほかの五重奏曲に続き、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンと弦楽五重奏版)。あらゆる協奏曲の中でもトップクラスの人気作だが、この編成であれば普段は気づかないようなフレーズやハーモニーが浮き彫りになり、近い距離感でその魅力に浸れるはず。大江と東京フィル・メンバーによる親密なステージで大作を楽しみたい。アラン・ギルバート ©Rikimaru Hottaられたアンサンブルから、どんなモーツァルトが引き出されるのか、期待が膨らむ。大江 馨 ©Shigeto Imura文:飯尾洋一文:林 昌英アラン・ギルバート(指揮) 東京都交響楽団満を持して挑むモーツァルト後期三大交響曲 この7月、東京都交響楽団の指揮台に首席客演指揮者のアラン・ギルバートが帰ってくる。今回のプログラムはモーツァルトの三大交響曲。コロナ禍のため中止になった2020年7月のプログラムが改めて開催されることになった。 交響曲第39番、第40番、第41番「ジュピター」の3曲は、古典派交響曲の金字塔であると同時に、現代のオーケストラにとって試金石となるような究極のレパートリーとも言えるだろう。多くの音楽家たちが、モーツァルトの見かけ上のシンプルさに反して、その表現が難しいことを指摘するが、ギルバートも例外ではない。かつてニューヨーク・フィル音楽監督時代にこれら三大交響曲を指揮した際、ギルバートはインタビューに答えて、楽譜上の情報量は少ないがモーツァルトの演奏は大きなチャレンジであること、そしてオーケストラとともにモーツァルトにふさわしいスタイルを実現しなければならな

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