eぶらあぼ 2022.7月号
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6464 横浜みなとみらいホールが10月にリニューアルオープン。豪華ラインナップの記念事業が1ヵ月にわたって開催される。 幕開けは「沼尻竜典指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団」(10/29)。地元の顔たる楽団が新音楽監督とともに再開館を祝う。注目は「アルプス交響曲」。夜明けに始まる壮大な音楽は祝祭感満点だし、オルガンを含む超巨大編成の同曲はホールの新たな響きを体感するにも最適だ。 続いて沼尻&神奈川フィルが「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ」の名で多彩な音楽を届ける(10/30)。アメリカものは愉しく、次代のジャズ界を担う挾間美帆への委嘱作「ベイ・プロムナード」の世界初演も見逃せない。 小ホールでは「ミュージック・イン・ザ・ダーク®」が開催される(11/1)。視覚に障がいのある奏者を含むオーケストラが(一部暗闇の中)暗譜で演奏し、和波孝ら4名の著名ヴァイオリニストも出演して「四季」等を披露。皆で音楽と障がいについて考える意義深い企画だ。 代わっては「井上道義指揮 NHK交響楽団 藤木大地(カウンターテナー)」(11/3)。日本を代表する楽団が4年ぶりに出演し、相性抜群の井上のもとで生気漲る音楽を聴かせる。ホールのプロデューサー(2021-2023)の藤木が歌うマーラーの歌曲や、「オルガン付き」交響曲など、プログラムも魅力十分だ。 さらには「反田恭平&Japan National Orchestra」(11/6)。2021年ショパン・コンクール2位の人気ピアニスト反田と、彼が指揮・プロデュースする若手精鋭音楽家による同コンサートは、いま話題沸騰中。この機会にぜひフレッシュな音楽を体験したい。 世界トップ級のサウンドも堪能できる。「アンドリス・ネルソンス指揮 ボストン交響楽団」だ(11/9)。アメリカ・ビッグ5の名門が同ホールに初登場。絶好調コンビによるハイクラスの演奏は必聴というほかない。 長い伝統を誇る「横浜市招待国際ピアノ演奏会」(11/19)も開かれる。今回も著名コンクール入賞の精鋭が勢揃い。フランスのレミ・ジュニエ(エリザベート2位)のラヴェルやテオ・フシュヌレ(ジュネーヴ1位)のバルトーク、小林愛実(ショパン4位)のショパンや石井楓子(ブラームス3位)のブラームス等を、小ホールで味わえるのが嬉しい。 そして「近藤岳 オルガン・リサイタ沼尻竜典指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 10/29(土)15:00ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2022 10/30(日)17:00ミュージック・イン・ザ・ダーク® 11/1(火)15:00井上道義指揮 NHK交響楽団 藤木大地(カウンターテナー) 11/3(木・祝)17:00横浜音祭り2022 クロージングコンサート反田恭平&Japan National Orchestra 11/6(日)15:00アンドリス・ネルソンス指揮 ボストン交響楽団 11/9(水)19:00第40回 横浜市招待国際ピアノ演奏会 11/19(土)15:00オルガン・リサイタル・シリーズ46 近藤 岳 オルガン・リサイタル 11/25(金)19:00横浜みなとみらいホール横浜みなとみらいホール(小)(11/1,11/19のみ)問 横浜みなとみらいホール仮事務所チケットセンター045-682-2000https://yokohama-minatomiraihall.jp※上記以外の記念公演を含む各公演、発売日の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。横浜みなとみらいホールのパイプオルガン「ルーシー」 ©平舘 平ル」(11/25)。第2代ホールオルガニストに就任した名手が、フランク等の王道フランス・プロで魅了する。ここは、ホール自慢のオルガン「ルーシー」の響きに浸りつつ、新時代の幕開けを祝したい。 「ときめく音楽を、海の見えるホールから」が新たなコンセプト。まさしく“ときめき”に充ちた各公演は、足を運びたいものばかりだ。文:柴田克彦横浜みなとみらいホール リニューアル記念事業ラインナップの聴きどころ待望の再オープンを彩る、垂涎のラインナップ

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