eぶらあぼ 2022.7月号
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8/1(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 サンライズプロモーション東京0570-00-3337他公演8/2(火) 武蔵野市民文化会館(MCSヤング・アーティスツ03-3473-2880)8/6(土) 広島文化学園HBGホール(サンライズプロモーション東京0570-00-3337)8/7(日) ロームシアター京都 メインホール(キョードーインフォメーション0570-200-888)8/13(土) ふくしん夢の音楽堂(福島市音楽堂)(福島民報社事業局024-531-4171) 他 ※ツアーの詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 https://mcsya.org8/11(木・祝)17:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com63 日本とウクライナは、オペラ史でも繋がっている。1904年にプッチーニの《蝶々夫人》現行版がブレーシャで大成功した時、主演はウクライナのソプラノ、ソロミヤ・クルシェルニツカであった。蝶々さんの人物像は、この名花が再創造したのである。 そして、今年8月、ウクライナの5大歌劇場のスター歌手が訪日し、全国8ヵ所でツアーを行うことに。ゼレンスキー大統領の意向で、男性歌手は兵役免除で来日するという。 出演は、冴えた響きで声の技をアピールするソプラノ、スザンナ・チャホヤン(キーウ)、《魔笛》の夜の女王で鋭い超高音を放つエレナ・アルブゾバ(キーウ国立オペレッタ劇場)、明るく左より:スザンナ・チャホヤン/エレナ・アルブゾバ/タチヤナ・バフノブスカ/オレグ・ズラコマン/セルヒー・ザムビツキー/ミコラ・ジャジューララ。日本のオーケストラや合唱団も参加して、名作オペラのアリアからミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』(ウクライナが舞台)の名場面、そして同国ゆかりの歌が披露されるそう。厳しい状況下でも未来を見据え、希望の象徴としてやってくる名歌手たち。文字通り、命を懸けて歌う彼ら彼女らのとびきりの熱唱を、生のステージで味わってみよう。も強靭な響きで男装役からカルメンまで手掛けるメゾソプラノ、タチヤナ・バフノブスカ(リヴィウ)と女性が3名。男性陣は、《トゥーランドット》のカラフで名高いテノール、オレグ・ズラコマン(オデーサ)、ひときわ深い声質で上品に歌うバス、セルヒー・ザムビツキー(ハルキウ)の2名である。 指揮は、来日も多いミコラ・ジャジューニ長調、ペンデレツキの弦楽三重奏曲、フランセの弦楽三重奏曲、ドホナーニの弦楽三重奏曲ハ長調「セレナード」という多彩なプログラムが組まれた。古典派時代のオーソドックスなスタイルのセレナードであるベートーヴェン、緊迫感あふれるペンデレツキ、軽やかで洒脱なフランセ、古典派セレナードへのオマージュとも言うべきドホナーニと、すべて異なるスタイルで書かれた4曲が並ぶ。2021年6月公演より 左から:毛利文香、田原綾子、笹沼 樹 ©大窪道治選曲の妙、プログラムの新鮮さも魅力。名手ぞろいのTrio Rizzleが、弦楽三重奏の世界の豊かさと奥深さを伝えてくれることだろう。文:岸 純信(オペラ研究家)文:飯尾洋一ウクライナ支援チャリティ・コンサート ウクライナ5大歌劇場 《ガラ・コンサート》キーウ、リヴィウ他からオペラ歌手たちがこの夏に来日!Trio Rizzle VOL.2トッパンホールから誕生した精鋭トリオが描き出す弦楽の奥深さ すぐれた若手奏者たちの活躍で、いま日本の室内楽シーンは活況を呈している。注目株のひとつがTrio Rizzle(トリオ・リズル)。毛利文香(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、笹沼樹(チェロ)の気鋭の若手3人が組んだ弦楽三重奏だ。8月11日、トッパンホールで第2回の公演を開く。 「ん、Rizzleってなんだっけ?」と思わず辞書を引きたくなってしまうが、トリオ・リズルとは「トリオ」と「オリヅル」を合体させた名称。なんの変哲もない正方形の紙が、創意を凝らした折り方によって鶴のようにもなる。そんな意味合いが込められているのだろう。昨年6月の第1回公演では、弦楽三重奏という簡潔な編成から有機的で立体的な音楽が生まれる様子に、まさしく折り紙的なおもしろさを感じることができた。 今回の第2回公演では、ベートーヴェンの弦楽三重奏のためのセレナード

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