eぶらあぼ 2022.7月号
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7/8(金)14:00 18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227 https://stage.exhn.jp第524回日経ミューズサロン小林 桂(ジャズ・ヴォーカル) ザ・ベスト・オブ・ジャズ・スタンダード円熟の歌声で味わう〈サマータイム〉 もはや真夏の風物詩…今年も小林桂による魅惑のステージが7月の日経ホールに登場。1999年にアルバム『ソー・ナイス』でメジャー・デビューを果たし「日本が誇る20歳の天才ヴォーカリスト」と賞賛を集めて今や円熟の40代真っ盛り。新人時代から“スタンダード・ナンバーの伝道師”の名をほしいままにしてきた彼が、田窪寛之(ピアノ)、池尻洋史(ベース)、則武諒(ドラムス)、吉本章紘(サックス)ら同世代の凄腕ミュージシャンたちとの親密なクインテットで、ジャズやボサ・ノヴァの名曲59Interview板倉康明(東京シンフォニエッタ音楽監督)ヴィオラを軸にした現代のパースペクティブ 東京シンフォニエッタをご存じだろうか。結成28年目、現代音楽ファンにはおなじみの存在だが、ぶらあぼ記事には初登場という。「第二次世界大戦後(1945年以降)の音楽の優れた演奏と、現在活動中の作曲家達の創作と直接関わることを目的として1994年に設立」(楽団HPより)の室内オーケストラ。たしかにコアな活動ではあるが、孤高ではない。むしろその逆で、音楽監督の板倉康明の話を聴けば、古典(クラシック)を尊重し、他者との関わりを大切にしていることがわかる。 「演奏家の使命とは、先代からいただいたものを受け継ぎ、次に繋いでいくことです。現在の東京の演奏家が、西洋古典音楽を演奏するとき、どれだけ作曲家の当時の思想や哲学を理解できるか。現代の作曲家との交流を通すことによって過去に遡及していけるのではという発想です」 7月の定期演奏会は「ソリストシリーズ」と銘打ち、ヴィオラの百武由紀にフィーチャーして、ヴィオラにまつわる楽曲を並べた。 「経験豊富なプレイヤーの知見を共有できる場でもあります。百武さんは本物のヴィオラの音を奏でられるすばらしいプレイヤーで、フレキシビリティが非常に高い。なにより本当に音楽が好きですよね」たちを華麗に披露する。 プログラムはこの季節の定番ともいえる、ガーシュウィン〈サマータイム〉(歌劇《ポーギーとベス》より)に始まり、〈ウェイヴ〉〈コルコヴァード〉〈ジンジ〉〈ソ・ダンソ・サンバ〉など、巨匠アントニオ・カルロス・ジョビンのナンバーが目白押し。原曲の美しさを活かす解釈と絶品スキャットで繰り広げるインプロヴィゼーションはクラシックのファンも必聴! プログラムは6曲、シュルホフ、ノックス、ヒンデミット、ベンジャミン、ブリテン、西岡龍彦(新作)。各曲の詳述はできないが、ヴィオラを中心とするユニークなアンサンブル作品が並び、楽器の魅力が多角的に明らかになる演目だ。板倉が指揮するのはブリテン「ラクリメ」と西岡の新作。 「西岡龍彦さんは百武さんの同級生だそうです。以前百武さんがアコーディオンの名手、大田智美さんと共演して意気投合していたことから、今回はヴィオラとアコーディオンのダブルコンチェルトの依頼になりました」 多数の新作を初演してきた板倉にそのポイントを聞くと、重要な視点が浮かび上がる。 「知らない町に初めて行った時のような感覚かもしれません。新作初演で一番大事なのは、価値判断を絶対にしないこと。ニュートラルに楽譜と自分たちが対話して作って、次につなげることです」 現代音楽を主戦場とする板倉も「音楽も社会と密接な関係があり、現代社会のストレスが強く反映した作品は大きな負荷がかかる」そうで、「ショ東京シンフォニエッタ 第51回定期演奏会 ソリストシリーズ・ヴィオラ7/8(金)19:00 東京文化会館(小)問 AMATI 03-3560-3010 https://www.amati-tokyo.comパンを弾いてストレス解消することも(笑)」あるという。「モーツァルトもベートーヴェンも大好き」という板倉と東京シンフォニエッタだからこそ、時代性を帯びた作品の真価を伝えられる。7月定期は彼らの演奏の魅力、ヴィオラの可能性の広がりなど、多様な視点から意義深い時間になる。文:東端哲也取材・文:林 昌英

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