eぶらあぼ 2022.7月号
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10/2(日)15:00 文京シビックホール(小)問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/56文京シビックホールリニューアル × 前橋汀子演奏活動60周年前橋汀子 ヴァイオリンリサイタルベテランの至芸がホールの再開に華やぎを添える 文京シビックホールは現在改修工事を行っているが、この秋、まず小ホールから公演が再開されることとなった。そのリニューアルを記念して、2022年に演奏活動60周年を迎えた日本を代表するヴァイオリニスト、前橋汀子が登場する。 一口に「演奏活動60周年」と言っても、前橋の活動は第二次大戦後の混乱期にスタートし、若くして旧ソ連時代のロシアへ留学。さらにはアメリカでも研鑽を積み、より奥深い音楽を求めてスイスに暮らす巨匠シゲティのもとでも学んだ。海外旅行さえ自由にできない時代に、世界をにらみ大きなスケールで始まった前橋の演奏活動は、質量ともに日本の“レジェンド”と言える。 その貴重な体験を活かした演奏は、機会があれば逃さずに聴いておきたいもの。今回は松本和将をピアノに迎え、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「スプリング」、前橋がライフワークときつつある旬の若手たち。また日本人キャストは、芸術監督プロデュースオペラには初登場となる砂川涼子のミミ、藤原歌劇団のトップ・テノール笛田博昭のロドルフォをはじめ、ヨーロッパの歌劇場で活躍する髙田智宏、平野和7/15(金)、7/16(土)、7/17(日)、7/18(月・祝)、7/20(水)、7/21(木)、7/23(土)、7/24(日)各日14:00 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール問 芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255 http://gcenter-hyogo.jp/boheme/して今でも積極的に取り上げているJ.S.バッハ「シャコンヌ」を中心に、クライスラーの編曲したドヴォルザーク「わが母の教え給いし歌」「スラヴ舞曲 op.72-2」、さらにはサン゠サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」などのロマン派の個性溢れる作品を集めた珠玉のプログラムだ。 ヴァイオリンの名曲のなかに、前橋が薫陶を受けたシゲティ、ミルシテインなどの歴史的巨匠の面影を感じつつ、今なお前進を続ける前橋自身の意欲的な音楽の世界を感じることができるはず。リニューアル・オープン公演にふさわしいリサイタルとなるだろう。佐渡 裕砂川涼子 ©FUKUYA Yoshinobuダンテ・フェレッティフランチェスカ・マンツォリッカルド・デッラ・シュッカ文:片桐卓也©篠山紀信笛田博昭など、人気・実力を兼ね備えた歌手たちが顔を揃えた。 若さと情熱溢れるソリストに加え、100名を超える合唱団などこれ以上ない布陣で臨む《ラ・ボエーム》。日本各地からオペラ・ファンが集まること必至だ。佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2022 歌劇《ラ・ボエーム》アカデミー賞受賞デザイナーそしてイタリア&日本のキャスト達が再び!文:室田尚子 兵庫県立芸術文化センターの佐渡裕芸術監督プロデュースオペラは、2020年に予定されながらコロナ禍のために中止になったプッチーニ《ラ・ボエーム》が満を持して登場する。演出は、ゼフィレッリやフェリーニの元でキャリアを積み、ハリウッドでマーティン・スコセッシやティム・バートン監督作品の美術を手がけアカデミー賞受賞の経歴もあるダンテ・フェレッティ。オペラ・ファンには1992年に初演されたミラノ・スカラ座の《椿姫》の美術といえばわかりやすいかもしれない。今回の《ラ・ボエーム》もロマンティックで洗練された装置や衣裳も楽しめそうだ。 キャストは、2020年に予定されていたメンバーが奇跡的に再集結した。日本デビューとなるフランチェスカ・マンツォのミミ、フィレンツェ五月音楽祭やパルマのヴェルディ・フェスティバルなどに出演したリッカルド・デッラ・シュッカのロドルフォなど、ミラノ・スカラ座アカデミー出身で今まさに世界に羽ばた

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