eぶらあぼ 2022.6月号
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7/7(木)19:00 サントリーホール問 コンサートイマジン03-3235-3777http://www.concert.co.jp第18回 イマジン七夕コンサート歌と管の名手たちが活躍する夏の夜のコンサート 今年で18回目を数える、コンサートイマジン主催の恒例公演。今回は例年設けていたテーマ性とはひと味違って、管楽器奏者と歌手の“協演”による色とりどりのお祭りのようなプログラム。前半の目玉はベルリン在住の名手・渡辺克也のオーボエをフィーチャーしてお届けする、J.シュトラウスⅡのオペレッタ《こうもり》からの2曲とR.シュトラウス協奏曲の華麗なるセット。注目の若手マエストロ・松元宏康の指揮による東京交響楽団の演奏も楽しみにしたい。 後半はがらりと雰囲気を変え、サクソSaturday Classics Mariko Senju 千住真理子 珠玉のコンチェルト節目の年に万感の想いを込めて 日本を代表するヴァイオリニストの一人として活躍を続ける千住真理子が、還暦を迎えた。「信じられない。そんなに生きただろうか?」と当人ですら述べるほどだから、「12歳で衝撃のデビューを果たした、あの天才少女が?」と感慨を抱くファンも多かろう。そんな節目の年に奏でる「珠玉のコンチェルト」。作曲家の兄・千住明が妹のためにしたためた佳品から、古典の傑作まで、円熟の音色で聴く者を魅了する。 「2歳3ヵ月でヴァイオリンを手に取り、それからはひたすら走り続けてきたヴァイオリン人生。山も谷も越えて泥だらけになり、時に遭難して苦しみに泣き、時折喜びに笑う一筋の細道…」と千住。2002年にストラディヴァリウス〈デュランティ〉と運命的な出逢いを果たし、「苦しんでよかった。悩んでよかった。この音を出すために、必要な経験だった」と回想している。 今回のステージは、岩村力指揮の東左より:松元宏康/渡辺克也 ©️Kiyoshi Kamatani/住谷美帆/佐藤采香 ©️Ayane Shindo/ルベン・シメオ/伊藤 晴/山形由美 ©️TakuyaOkamoto京フィルハーモニー交響楽団が共演。兄・明の手になる、「ヴァイオリンとストリングオーケストラの為の『四季』」から〈春〉〈夏〉、同じく「ララバイ」、「ヴァイオリン協奏曲」。そして、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」、ヴィヴァルディ「四季」から〈春〉〈夏〉、加えてショーソン「詩曲」と、千住が大切に弾いてきた作品を、パートナーの〈デュランティ〉と共に、心を込めて紡ぐ。 今回のステージに寄せて、「一期一会の音を聴いてくださる方のため、私6/11(土)14:00 Bunkamura オーチャードホール問 NHKプロモーション03-3466-7891 https://www.nhk-p.co.jpフォンの住谷美帆とユーフォニアムの佐藤采香(あやか)という、ブラス・シーンのみならず多方面から熱い視線を注がれる女性プレイヤーを筆頭に、トランペットの巨匠モーリス・アンドレの数少ない弟子として知られるルベン・シメオが登場。そこにパリやミラノで研鑽を積んだ藤原歌劇団・期待のソプラノ伊藤晴も加わる。眺めているだけでワクワクするラインナップは、ワーグナー《ワルキューレ》からの名シーンやアニメ『響け! ユーフォニアム』劇中音楽、映画『STAND BY ME ドラえもん』での生命の花を咲かせたい」と綴る千住。開演30分前からのプレトークでは、熱い思いの込もった言葉を直接聴衆へ届ける。の秦基博による主題歌、フェリーニの名作映画『道』のためにニーノ・ロータが書いた名旋律、そしてアーバン「ヴェニスの謝肉祭による変奏曲」など盛りだくさん(誰が何を演奏するか予想できるがサプライズもあるかも?)。司会を担当するのは日本が誇るフルート奏者の山形由美。綺羅星をステージに集めたようなコンサートになるはず! ©️Kiyotaka Saito(SCOPE)文:笹田和人文:東端哲也50

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