eぶらあぼ 2022.6月号
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第111回 定期演奏会6/25(土)14:00 静岡市清水文化会館マリナート6/26(日)14:00 アクトシティ浜松(中)問 富士山静岡交響楽団054-203-6578 https://www.shizukyo.or.jp7/31(日)15:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京混声合唱団03-3200-9755 https://toukon1956.comザード」という名曲が並ぶ。ガジェヴはショパン・コンクール直前のリサイタルを聴いたが、従来のスタイルにとらわれない新鮮な解釈と美しい音色、ダイナミックでスケールの大きな演奏に圧倒された。壮大かつ抒情性に富むチャイコフスキーの協奏曲でもガジェヴの特面の合唱曲、そして信長貴富、池辺晋一郎、三善晃の作品を歌う。うち1~2曲ずつの単独演奏曲や二重合唱の作品もあるので、それぞれの個性の違いも際立つだろう。指揮は、外国曲が新国合唱団の首席指揮者・三澤洋史、邦人作品が東混常任指揮者キハラ良尚。ピアノに鈴木慎崇と津田裕也と、ソロ東京混声合唱団 ©️中村紋子広上淳一アレクサンダー・ガジェヴ ©️Andrej Grilc新国立劇場合唱団 ©️寺司正彦質が発揮されるだろう。京都市交響楽団を日本のトップ・オーケストラに導いた広上の手腕と人間的な魅力は誰もが知るところ。静響の聴衆にとっても待望の登場となる。指揮者とオーケストラの力量が問われる「シェヘラザード」への期待は大きい。や器楽アンサンブルのフィールドで活躍する巧者2人の起用も妙手。 「クラシック」と「合唱」の垣根を取り払い、プロもアマチュアも器楽ファンも声楽ファンも、音楽界全体を巻き込んで、日本の合唱の最前線の水準を鮮やかに示すコンサートになるはず。本物の合唱にとことん酔いしれたい。文:長谷川京介文:宮本 明48広上淳一(指揮) 富士山静岡交響楽団旬の人気ピアニストが凱旋! 壮大に描く名作2篇  富士山静岡交響楽団(静響)は静岡交響楽団と浜松フィルハーモニー管弦楽団が合体して2021年4月に発足、県内唯一の常設プロオーケストラとして大小合わせ年間150回にのぼる演奏会を行っている。高関健は2018年からミュージック・アドヴァイザーとして旧静響の飛躍的な成長に貢献、合体を機に首席指揮者に就任した。静響は今年4月公益財団法人の認可を受け、財政基盤の強化と更なる演奏力の向上に向けて大きく前進を続けている。 2022-23シーズンも実力ある指揮者やソリスト、魅力的なプログラムが発表されているが、6月の定期演奏会は一段と豪華。ピアノは、2015年浜松国際ピアノコンクール優勝&聴衆賞、21年ショパン国際ピアノコンクール第2位&ソナタ最優秀演奏賞を受賞したアレクサンダー・ガジェヴ。指揮は静響と初共演となる広上淳一。曲目もチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とリムスキー゠コルサコフの交響組曲「シェヘラ東京混声合唱団 × 新国立劇場合唱団 dream Concert日本を代表する合唱団の“夢の共演”が実現 日本最高峰の2つのプロ合唱団がジョイントする歴史的コンサート。普段あまり合唱を聴かないという人にもぜひ聴いてほしい。 新国立劇場合唱団が、いわゆる合唱曲ばかりを、それも邦人作品を含むプログラムを歌うのはかなり珍しい。そして1956年創設の東京混声合唱団は、200曲を超える委嘱作品を生むなど、日本の合唱音楽の領域を孤軍奮闘で開拓しつづけてきた老舗だ。 持ち味は自ずと異なる。たとえば、オペラを主戦場とする新国合唱団の圧巻の劇的表現力。純正律も駆使してア・カペラの精緻なハーモニーを作り上げる東混。互いに触発されて新たな化学反応も生まれるのではないか。 各25人ずつ50人の合同合唱団がバッハ、モーツァルト、ブラームスと《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の3場

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