eぶらあぼ 2022.6月号
120/133

渡辺健二(ピアノ) オーケストラ・アンサンブル金沢小松定期公演「春」117「リストとバルトークのスペシャリスト」として知られる、ピアノの渡辺健二。東京藝大からリスト音楽院に学び、数々の登竜門で実績を重ねた。今回は、前半でバルトーク「ハンガリー民謡による即興曲」に、「巡礼の年第2年イタリア」から〈婚礼〉、「バラード第2番」とリストを。後半は、ベートーヴェン最後のピアノ・ソナタである「第32番」をメインに、題名とは裏腹の悲しみを湛えたモーツァルト「ロンド イ短調」を弾く。埼玉会館ランチタイム・コンサート 第53回 NHK交響楽団メンバーによるヴィオラ十重奏ヴィオラ“だけ”で紡がれる、豊潤で温かな響きの虜となるかも。平日のお昼、気軽に一流の演奏に触れられる人気シリーズ。今回はNHK交響楽団のサウンド創りに大きく貢献する村上淳一郎中音域の楽器が主役に。10人の名手が登場し、時に楽器の魅力についてのトークを交えつつ、バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」やロッシーニ《セビリアの理髪師》序曲、ノックス「『スペインのフォリア』によるマラン・マレ変奏曲」ほかを聴かせる。オーケストラ・アンサンブル金沢による春の小松定期公演は、第6回ブカレスト国際指揮者コンクールで準優勝など実績を重ね、2017年に欧州デビューを果たした気鋭の指揮者、和和田一樹郷古 廉 ©Hisao Suzuki田一樹を迎えて。強烈なリズムで“舞踏の聖化”と評されたベートーヴェン「交響曲第7番」、国内外の登竜門を制した俊英・郷古廉をフィーチャーしたメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」、モーツァルト《フィガロの結婚》序曲を披露する。6/9(木)19:00 東京文化会館(小)6/24(金)12:10 埼玉会館6/28(火)19:00 こまつ芸術劇場うららこのほどリニューアル・オープンした市川市文化会館。これを記念し、東京フィルのコンマス近藤薫や独SWR交響楽団の幣隆太朗(コントラバス)ら国内外の名手に、市川市文化振福川伸陽興財団新人演奏家コンクール入賞者を軸に選抜された俊英たちが加わった「祝祭管弦楽団」を結成。山脇幸人指揮で、ベートーヴェン「交響曲第7番」、モーツァルト「ホルン協奏曲第3番」(独奏:福川伸陽)、同「ディヴェルティメントK.136」で門出を祝う。オーケストラを聴こう フランス音楽の色彩、ロマン、そしてモデルニテ今年は、フランス近代音楽の礎を築いたセザール・フランクの生誕200年。沼尻竜典指揮の京都市交響楽団によるステージは、フランクの代表作「交響曲ニ短調」をメインに。パリ出身のカミーユ・トマの独奏でサン=サーンス「チェロ協奏曲第1番」、ケルンやバーゼルで学んだ石井楓子(ピアノ)とのメシアン「七つの俳諧」を交えて、フランス音楽に特有の色彩やロマン性、モデルニテ(現代性)を掘り下げてゆく。市川市文化会館 リニューアルオープン記念祝祭管弦楽団スペシャルコンサート6/11(土)15:00 市川市文化会館6/26(日)16:00 静岡音楽館AOI文:笹田和人佐々木 亮©Ayane Shindo愛知室内オーケストラ 第36回定期演奏会 コンチェルタンテ・シリーズ第3回6/30(木)18:45 愛知/三井住友海上しらかわホール愛知室内オーケストラのコンチェルタンテ・シリーズ第3回は、4月に音楽監督に就任した山下一史の指揮。矢口十詩子(ヴァイオリン)と山本直人(オーボエ)のバッハ、宇根美沙惠(ピアノ)と安江佐和子(ティンパニ)のマルティヌー、ヨウコ・ハルヤンネ(トランペット)と野村和代(ファゴット)のヒンデミット、名手をソロに据えた3つの二重協奏曲に、ショスタコーヴィチ「交響曲第9番」と充実の演目で臨む。掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。近藤 薫沼尻竜典 ©RYOICHI ARATANIカミーユ・トマ ©Ben Russell山下一史 ©ai ueda矢口十詩子石井楓子山本直人月の6

元のページ  ../index.html#120

このブックを見る