ぶらあぼ2022年3月号
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6/25(土)、6/26(日)各日15:00 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール問 芸術文化センターチケットオフィス0798-68-02556/28(火)、6/29(水)、6/30(木)各日19:00 サントリーホール問 クラシック事務局0570-012-666https://www.met-japan-tour.jp30る。Aプロのクリスティーン・ガーキー(ソプラノ)、エリック・オーウェンズ(バスバリトン)らは2019年の《指環》再演(フィリップ・ジョルダン指揮)でも目覚ましい成果を上げたアメリカ期待のワーグナー歌手、Bプロは世界トップクラスのメゾソプラノ、ジョイス・ディドナートと、キャストも豪華だ。 2018年、ジェイムズ・レヴァインの後任に就いたネゼ=セガンは、奇しくもMETが初来日した1975年にモントリオールで生まれたフランス系カナダ人。フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督も兼務、世界で最も多忙なマエストロの一人だが、声楽の扱いにも長け、ザルツブルク音楽祭などヨーロッパのオペラ上演にも欠かせない存在である。定期演奏会 第376回 4/23(土)14:00 神奈川県民ホール問 神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107 https://www.kanaphil.or.jpヤニック・ネゼ=セガン ©Rose Callahan/Met Opera沼尻竜典は「アントレ」「パ・ド・ドゥ」「コーダ」とバレエにちなんだ題を持つ。ピアノとオーケストラがペアになった舞踊と見立てることもできるだろう。晦渋な作品ではまったくないので、幅広い聴衆が楽しめるはずだ。児玉麻里 ©Sergio Veranes 一方、ブラームスの交響曲第1番はオーケストラにとっての最重要レパートリーのひとつ。これから沼尻と神奈川フィルのコンビがどんな音楽を作ってゆくのか、その力強い開幕宣言となるような記念碑的な名演を期待したい。文:池田卓夫文:飯尾洋一ヤニック・ネゼ=セガン(指揮) METオーケストラ来日公演新シェフと待望の日本初ツアー ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)の管弦楽団、METオーケストラが音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンの指揮で2022年6月末、兵庫県立芸術文化センターとサントリーホールに来演する。17年11月にニューヨークでピーター・ゲルブMET総裁を取材したとき「オペラの外国ツアーを完全に民間興行として行わなければならない私たちにとって、日本行きは高額になり過ぎました。代案の一つに考えているのは、METオーケストラ単独のツアーです。新しい音楽監督のネゼ=セガンと行きます」と構想を打ち明けられた。コロナ禍などで実現が遅れ、東日本大震災直後の2011年以来11年ぶりの来日となる。 オーケストラの来日とはいえ「オペラの殿堂」のMETだけに、Aプロ(6/25, 6/28, 6/29)ではワーグナーの《ワルキューレ》第1幕、Bプロ(6/26, 6/30)ではベルリオーズの《トロイアの人々》抜粋が演奏会形式で上演され沼尻竜典(指揮) 神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽監督就任を告げる重厚なプログラム 新たに沼尻竜典を音楽監督に迎える神奈川フィルが、就任披露公演として定期演奏会第376回を開催する。沼尻の任期は2022年4月から25年3月までの3年間。 記念すべき第一歩を飾るプログラムはヘンツェのピアノ協奏曲第1番とブラームスの交響曲第1番の組み合わせ。それぞれ19世紀と20世紀のドイツにおいて、交響曲や協奏曲といった伝統的なフォーマットを用いながら新たな地平を切り開いた作曲家が並ぶ。 ヘンツェのピアノ協奏曲第1番では、欧州を拠点に国際的な活動を展開する児玉麻里がソリストを務める。同曲は1950年、24歳のヘンツェによって書かれた若き日の作品。2013年に沼尻指揮東京フィルと小菅優によって日本初演されており、今回は独奏者とオーケストラを変えてふたたび沼尻がとりあげることになる。曲は伝統的な急─緩─急の3楽章で構成され、各楽章

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