ぶらあぼ2022年3月号
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20小林:けなしてないよ〜! ただ「もっと弾けたんじゃない?」って。務川・岡本:(爆笑)それ厳しいな!反田:ね、厳しいでしょう?(笑)。コンクール期間中だぜ?! 小林:いや、最初は褒めたよ〜反田:違うんだよ、小林さんはウソつけないからさ、斜め下見ながら「よかったよー(棒読み)」って、顔に出てる(笑)、俺は「すごいよかったよ〜」って言ってるのになぁ。小林:言ってないよー! 「何がしたかったのか、よくわかんなかった」とか言ってたじゃん! 岡本:(笑)。まぁ、そういうのも絶対信頼している相手だから言えるんだよね。——今後の展望、やっていきたいことを教えてください。反田:2021年5月に会社設立したわけですけども、長いスパンで見て、未来に繋がっていくような団体にしたいなと。僕の理想としては、メンバーがここに所属し、いつか卒業して海外で活動しようというときに、「君はどこの出身なの?」って聞かれたときに「JNO(Japan National Orchestra)にいたんだ、ああ、それなら信頼できるね」みたいな、そういうある種のアカデミー要素も強めたい。オーケストラってやっぱり一つの団体としてのくくりで見られがちですが、今いる18人みんな、人それぞれ、一人ひとりが高いポテンシャルを持っているので、そういうのを少しでも時間をかけても引き出したいなって。岡本:我々のスタートは、もともと室内楽やソロで磨いた自分の音楽性をしっかりと持っている人たちが集まるとどうなるかという発想にあるので、そこを常に大事に持っておきたいですね。その意味では、他の既存のオーケストラとは違った成長、違った変化をしていけると思うし、フレッシュさや野心を持ち続けたいですね。反田:挑戦的・実験的なことはどんどんやっていきたい。今は編成の改革をしようと思っています。オーケストラには14型・16型とかいろいろありますけど、昔からいろいろな試行錯誤はあって、ルールにカチカチ縛られる必要はないな、と。もちろん作曲家の指定がある場合は別ですが、いろいろな形態があっていいわけですから、今後も臨機応変にフットワーク軽く、実験ができ、自分たちで刺激を与えられるようなオケでありたい。——岡本さんはまだしばらく、ドイツと日本を行き来しながらの活動が続きますか?岡本:そうですね。ヴァイオリン奏者として、協奏曲、ピアノとのリサイタル、室内楽、無伴奏、オーケストラ、そうした5つの演奏に全力で取り組み、成長と変化を遂げたい。俯瞰的な視点を持って活動していきたいです。——務川さんの新しい展望は?務川:僕は、一番の展望はフランスに住むということですね。エリザベートはベルギーですがフランス語圏でしたから、ベルギーとフランスからいろんなオファーが増えました。僕はパリでロン=ティボーも受けましたから、フランス語圏にご縁ができたので、アーティスト活動をフランスで展開できるかなという希望が見えてきました。フランスに生活のベースを置きながら、フランスで得たインスピレーションを日本でも発信できるかな、と。

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