eぶらあぼ 2022.1月号
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53飯森範親(指揮) 東京佼成ウインドオーケストラ新マエストロ就任後初の公演いよいよ実現!文:オザワ部長第157回 定期演奏会 2/26(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 東京佼成ウインドオーケストラ チケットサービス0120-692-556 https://www.tkwo.jp 吹奏楽の古典から最新曲、隠れた名曲までを意欲的に取り上げ、「音楽芸術の一分野としての吹奏楽」の可能性を押し広げてきた東京佼成ウインドオーケストラ。現在、コンサートマスターの名サクソフォン奏者・田中靖人を中心に実力派プレイヤーが集い、バンドとして非常に充実した時期を迎えている。 創立60年を迎えた2020年、1月より首席客演指揮者に飯森範親が就任した。クラシックファンにはおなじみだが、実は吹奏楽にも熱い情熱を抱いている指揮者である。コロナ禍によって首席客演指揮者としてのデビューが延期になっていたのだが、いよいよ22年2月26日、第157回定期演奏会でそれが実現する。 曲目は、マエストロの登場にふさわしく、クリフトン・ウィリアムズの華々しい「献呈序曲」に始まり、吹奏楽の名曲中の名曲「アルメニアン・ダンス Part Ⅰ、Ⅱ」(リード)、人気の邦人作曲家・長生淳による注目の委嘱新作(世界初演)、そしてチェザリーニの交響曲第1番「アークエンジェルズ」が用意されている。「アークエンジェルズ」は大天使をテーマにしたシンフォニーで、飯森と楽団員たちが音で描き出す壮大なストーリーに期待が高まる。 本公演は吹奏楽ファンはもちろん、クラシックファンの心をも鷲づかみにするコンサートとなることだろう。ぜひ東京芸術劇場で国内最高峰の「吹奏楽」に酔いしれていただきたい。飯森範親 ©山岸 伸ステラ・トリオ Vol.5「今僕らがやりたい音楽」を聴く文:藤原 聡2/5(土)14:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 https://www.ojihall.jp 来る2月5日にステラ・トリオが待望の5回目となるコンサートを開催する。ステラ・トリオとは? 話は、王子ホールが2004年から定期的に実施している人気シリーズ、N響コンサートマスターの篠崎“まろ”史紀を中心とした室内楽のコンサート「MAROワールド」にさかのぼる。“まろ”から薫陶を受けた小林壱成(ヴァイオリン)、伊東裕(チェロ)、そして入江一雄(ピアノ)の若手3人は以前から同シリーズに出演していたが、「将来を期待できる若手の室内楽奏者を集めたい」との思いで王子ホールの星野桃子プロデューサーと“まろ”が彼らを“抜擢”し、同ホールのレジデントアーティストとして定期的なコンサート開催をプロデュースしたのだ。記念すべき初のコンサートは17年4月、それ以降着実に回数を重ねての今回。 小林、伊東、入江の3人に共通することーーそれはアンサンブルに汲々とすることなく、それぞれが自らの表現意欲を前面に押し出して止まないところではないか(なおかつ一体感もある!)。そういった“やり方”はピアノ・トリオという編成に向いているけれども(弦楽四重奏だとその辺りは厄介な問題を孕む)、それにしても彼らのダイナミックな音楽は誠に聴き映えがする。 今回のプログラムは、ショスタコーヴィチの第2番とシューベルトの第1番に挟まる形でスメタナと、計3曲。彼らのダイナミズムがショスタコーヴィチにはまるのは想像できるが、シューベルトをどう聴かせるかも興味が尽きぬ。なんだか自由な音楽が展開される予感、何が起こるか聴き逃がせない。左より:入江一雄、小林壱成、伊東 裕

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