eぶらあぼ 2022.1月号
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1124月の見もの・聴きもの2022年4月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場4月1、4、8、12日 ビゼー:カルメン 指/A.ペレス、演出/C.ビエイト、出/A.ゴリャチョーワ、V.グリゴーロ◎4月3日 ベルク:ヴォツェック[22年3月プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/S.ストーン、出/C.ゲルハーヘル、A.カンペ◎4月7、10、13、17日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/P.ジョルダン、演出/O.シェンク、出/M.ベンクトソン、G.グロイスベック、C.ボック、A.エレート★◎4月14、18、22、27日 ワーグナー:トリスタンとイゾルデ[プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/C.ビエイト、出/A.シャーガー、R.パーペ、M.セラフィン、I.パターソン、E.クヴァノヴァ4月16、19、24、29日 ドニゼッティ:ランメルモールのルチア 指/E.ピド、演出/L.ペリー、出/G.ペテアン、B.ベルネーム4月21日 R.パーペBs 共/C.ラディケp4月23、26、28日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ指/E.ピド、演出/I.ブルック、出/A.マエストリ、C.デュボワウィーン・フォルクスオーパー[会場:無印=フォルクスオーパー(ウィーン)、(KS)=カジノ・アム・シュヴァルツェンベルクプラッツ(ウィーン)]4月2(19:00)、4(19:00)、30(19:00)日 J.ハーマン:ラ・カージュ・オ・フォール(ミュージカル)[22年3月プレミエ] 演出/M.キング4月3(16:30)、7(19:00)、10(19:00)、18(19:00)、23(19:00)、26(19:00)、29(19:00)日E.カールマン:マリツァ伯爵夫人 演出/T.エンツィンガー4月8(19:00)、16(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 校訂演出/H.ツェドニク★◎4月9(20:00)(KS)、11(20:00)(KS)、13(20:00)(KS)、16(20:00)(KS)、18(20:00)(KS)、19(20:00)(KS)、22(20:00)(KS)、24(20:00)(KS)日 T.マコーヴァー:ハリウッドのシェーンベルク[プレミエ] 指/G.プリースニッツ、演出/H.マルコフスキー4月11(19:00)、17(19:00)、21(19:00)、24(16:30)、27(19:00)日 モーツァルト:フィガロの結婚 演出/M.A.マレッリ4月13(19:00)、22(19:00)、25(19:00)、28(19:00)日 S.ソンドハイム:イントゥ・ザ・ウッズ(ミュージカル) 演出/O.タンボジ、S.アイヒェンベルガーウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(BER)=フィルハーモニー(ベルリン)]◎4月6(20:00)(BER)日 D.バレンボイム指揮 → 〔フェストターゲ2022〕参照◎4月23(15:30)、24(11:00)、25(19:30)、26(19:30)日 T.ソヒエフ指揮 グリエール:ハープ協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第4番独/A.レナエルツhp◎4月30(15:30)日 C.ティーレマン指揮 R.シュトラウス:あおい(リーム編曲)、4つの最後の歌、ブルックナー:交響曲第6番 独/C.ニールンドSウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)]4月16(19:30)(MV)、17(19:30)(MV)日A.オロスコ=エストラーダ指揮 F.グルダ:チェロと吹奏楽のための協奏曲、C.M.ツィーラー:ウィーン市民(ワルツ)、大都会的に(ポルカ・シュネル)、K.ゴルトマルク:春に(序曲)、C.M.ツィーラー:ウィーンの娘、コルンゴルト:おとぎ話の絵、J.シュトラウスⅡ:こうもり(組曲/A.オロスコ=エストラーダ/T.イルレ編曲) 独/K.ソルターニvc◎4月23(19:30)(KH)、24(11:00)(KH)日[ギドン・クレーメル75歳誕生日記念公演]I.メッツマッハー指揮 G.ウストヴォルスカヤ:交響詩第2番、M.ヴァインベルク:ヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第15番独/G.クレーメルvn4月27(19:30)(MV)、28(19:30)(MV)、29(19:30)(MV)日 L.シャニ指揮 ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲、交響曲第2番 独/A.ヴィニツカヤpムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン]◎4月1(19:30)日 M.グラジニーテ=ティーラ指揮バーミンガム市響 M.ヴァインベルク:交響曲第3番、ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー:ロメオとジュリエット、M.ヴァインベルク:交響曲第4番 独/P.コパチンスカヤvn4月3(15:30)、5(19:30)日 佐渡裕指揮トーンキュンストラー管 ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番、ブルックナー:交響曲第3番(1889年版) 独/S.マイヤーcl4月3(19:30)、4(19:30)日 M.グラジニーテ=ティーラ指揮バーミンガム市響 ブラームス:ドイツ・レクイエム 独/C.ティリングS、F.ベッシュBr、合唱/ウィーン楽友協会合唱団4月13(19:30)日 D.ダムラウS、J.カウフマンT共/H.ドイチュp4月16(19:30)、17(19:30)、27(19:30)、28(19:30)、29(19:30)日 A.オロスコ=エストラーダ(16/17日)/L.シャニ(27/28/29日)指揮ウィーン響 → 〔ウィーン響〕参照4月22(19:30)日 ベルリン古楽アカデミー → 〔ベルリン古楽アカデミー〕参照◎4月23(15:30)、24(11:00)、25(19:30)、26(19:30)、30(15:30)日 T.ソヒエフ(23/24/25/26日)/C.ティーレマン(30日)指揮ウィーン・フィル → 〔ウィーン・フィル〕参照◎4月23(19:30)、24(15:30)日 佐渡裕指【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 4月の注目ポイントとしては、①復活祭関連の音楽祭がほぼコロナ前と同規模で開催の予定、②ワーグナー作品の新演出公演が目白押し、という2点をまず挙げることができようか。 音楽祭関連では、まずは「ザルツブルク復活祭音楽祭」。2022年から総監督に就任予定のニコラウス・バッハラーとの音楽祭運営をめぐる確執により、ティーレマンの出演は2022年までとなる。その彼が最後に指揮するオペラはワーグナーの「ローエングリン」。ローエングリンにE.カットラー、エルザにJ.ワグナーという目新しい歌手起用に加え、ヴィーラー、フィーブロック、モラビト3人がチームで演出に当たるというのが新機軸。オーケストラ演奏会も、指揮者にソヒエフ、ヴィオラにタメスティなどを揃えてこれも魅力的。 ベルリンの「フェストターゲ」はバレンボイム指揮でモーツァルトの「ダ・ポンテ三部作」(「ドン・ジョヴァンニ」は音楽祭直前にプレミエ)の他、例によってウィーン・フィル、ヴァイオリンのムター、ピアノのアルゲリッチ、声楽のバルトリ等を招聘し、いつもながらの興行師バレンボイムとしての才は面目躍如。「バーデン=バーデン復活祭音楽祭」はキリル・ペトレンコとベルリン・フィルの晴舞台。2022年はチャイコフスキー「スペードの女王」が新演出公演。リーザに人気ソプラノ、グリゴリアンを配して万全の体勢。他にもロトやネルソンスの指揮、ネトレプコ出演のオーケストラ・コンサートなど注目公演満載。フランスの「エクサン・プロヴァンス復活祭音楽祭」もヴァイオリンのR.カプソン、ピアノのピリス、テノールのフローレスなど多彩な出演陣。 一方、コロナ収束のタイミングを見据えてのことだろうが、ワーグナーの新演出が4月に一挙に出始める。列挙してみると、ウィーン国立歌劇場の「トリスタンとイゾルデ」(ジョルダン指揮、シャーガー出演)、ザルツブルク復活祭音楽祭の「ローエングリン」、ハンブルク州立歌劇場の「タンホイザー」(ナガノ指揮、フォークト出演)、シュトゥットガルト歌劇場の「ワルキューレ」、チューリヒ歌劇場の「ラインの黄金」等々。それ以外にもネゼ=セガン指揮の演奏会形式「ラインの黄金」(バーデン=バーデン祝祭劇場とシャンゼリゼ劇場)をはじめとして、特にドイツではほとんどの劇場でワーグナーの上演が行われる。その中から、注目公演筆頭はシュトゥットガルト歌劇場の「ワルキューレ」。各幕毎にコンセプトも手法も異なる人物ないし劇場集団を演出に配するという奇想天外な上演。これはぜひ実演で見てみたい。 その他、復活祭音楽祭関連とワーグナー以外のオペラで要注目は、まずはケルン歌劇場のベルリオーズ「ベアトリスとベネディクト」(ロト指揮)。フランス語圏以外での上演は極めて珍しい。続いてはリセウ大劇場でミンコフスキが指揮するモーツァルトの「ダ・ポンテ三部作」。他には、ヤーコプス指揮フライブルク・バロック・オーケストラのウェーバー「魔弾の射手」(演奏会形式)、ニコディエヴィチの「マリア・カラスの7つの死」(ベルリン・ドイツ・オペラ)、宮本亜門演出のプッチーニ「蝶々夫人」(ドレスデン・ゼンパーオーパー)、シマノフスキの「ロジェ王」(カンブルラン指揮/フランクフルト歌劇場)など多種多彩。現代ものにもクルターク(パリ・オペラ座)、Y.ヘラー(ケルン歌劇場)、エトヴェシュ(ジュネーヴ大劇場)の各作品など興味深いものが並ぶ。 オーケストラでは音楽祭でのベルリン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデンの他、マーラーの交響曲3番をナガノ=ハンブルク・フィル、2番をシャイー=スカラ座管、9番をチョン・ミョンフン=スカラ・フィルで聴ける。その他、ラトル=ロンドン響のヴァイル「7つの大罪」、サヴァール指揮のコンセルトヘボウ管、サロネン=パリ管のラヴェルやバルトーク、メッツマッハー=ウィーン響でのヴァインベルク作品など注目公演はキリがない。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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