eぶらあぼ 2022.1月号
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100CDCD花のアルバム L’album des eurs/青柳いづみこモーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》/モーツァルト・シンガーズ・ジャパンザ・リサイタル/久末航OLIVIA Song × Dance/林愛実&長井進之介クープラン:「クラヴサン曲集第4巻」より〈ケシ〉/タイユフェール:フランスの花々/チャイコフスキー:「四季」より〈雪割草〉/シューマン(C.シューマン編):「ミルテの花」より〈献呈〉/シベリウス:5つの小品(花の組曲)/高橋悠治:メッシーナのメボウキ 改訂版/伊左治直:ルコウソウ(縷紅草) 他青柳いづみこ(ピアノ)モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》モーツァルト・シンガーズ・ジャパン【宮本益光 加耒徹(以上バリトン) 澤畑恵美 鵜木絵里 三井清夏(以上ソプラノ) 中島郁子 小泉詠子(以上メゾソプラノ) 伊藤純(バス) 金山京介(テノール) 山口佳代(ピアノ) 他】メンデルスゾーン:幻想曲「スコットランド・ソナタ」、「無言歌集」より〈浜辺で〉〈春の歌〉/スカルラッティ:ソナタ 変イ長調、同ト長調、同ヘ短調/メシアン:「幼子イエスに降り注ぐ20の眼差し」より〈第5曲 子を見つめる子の眼差し〉〈第8曲 高き御空の眼差し〉/ラヴェル:夜のガスパール久末航(ピアノ)サティ:ジュ・トゥ・ヴ/シベリウス(保坂修平編):交響詩「フィンランディア」/ガルデル:ポル・ウナ・カベーサ/デンバー/ダノフ/ナイバート(城谷伶編):カントリー・ロード/瀧廉太郎(城谷編):荒城の月/北海道民謡(原礼以菜編):ソーラン節/チャップリン/J.S.バッハ(荻原由実編):スマイル(G線上のアリア)/ZENTA:Olivier 他林愛実(フルート)長井進之介(ピアノ)コジマ録音ALCD-7271 ¥3080(税込)オクタヴィア・レコードOVCL-00762(3枚組) ¥5500(税込)アールアンフィニMECO-1067 ¥3300(税込)BRAVO RECORDSBRAVO-10005 ¥3300(税込)バロックから現代までの花のタイトルをもつ小品集。その選曲も、同時期に書籍『花を聴く 花を読む』を刊行する点も、マルチな才能を持つ青柳いづみこらしい。印象深い曲から書くと、まずシベリウス「花の組曲」。自然を愛したこの作曲家らしい細やかな神経が行き届き、豊かな楽想が散りばめられて、どこに行くのか読めないところも楽しい。シューマン「献呈」はよくあるリスト編曲ではなく、クララ編曲がいい。心のこもった歌い回しが美しく、詩が聴こえてくるかのよう。伊左治直「ルコウソウ」は快活で、聴いているとウキウキしてくる。タイユフェール「フランスの花々」は不思議な気配と味わい。(横原千史)モーツァルトを愛する仲間たちの集まりである「MOZART SINGERS JAPAN」の、ピアノ伴奏によるオペラ全曲盤の第4作にして、ダ・ポンテ3部作が遂に完成。2021年2月に王子ホールでの公演を大成功させたキャストが再び集結。注目はリーダーの宮本益光(ユニット“ハンサム四兄弟”長男)がアルマヴィーヴァ伯爵を演じ、近年活躍めざましいハイ・バリトンの加耒徹(四男)が低めの音域であるフィガロ役を務めていることだが、他のメンバーもそれぞれのキャラクターを際立たせた最高のパフォーマンスを披露。ピアノ連弾による序曲からスタートする魅惑の3枚組をお楽しみあれ! (東端哲也)ベルリンを拠点に活動する久末航のデビュー・アルバム。豊富なコンクール実績を誇る彼だが、高校卒業後に渡欧したためか日本での知名度はさほど高くない。その点、本作は真価を知らしめるに相応しい好内容といえる。まずは、まろやかで美しい音色と精妙極まりないタッチに魅了される。リサイタルを意識したプログラムも絶妙で、明晰かつ情熱的なメンデルスゾーン、愉悦感を湛えたスカルラッティ、神秘的に変幻するメシアン、精緻で鮮烈なラヴェル、チャーミングなアンコールの「無言歌」…と各曲も全体の流れも魅力十分。まさに上質のリサイタルを思わせる一枚だ。(柴田克彦)フルーティスト・林愛実はジャンルレスなレパートリーで多彩な活動を展開しているが、『OLIVIA』と題された本デビューアルバムはその幅広い音楽性を存分に堪能できる見事さだ。サティの「ジュ・トゥ・ヴ」やシベリウスの「フィンランディア」、ガルデルの「ポル・ウナ・カベーサ」、さらには「荒城の月」「ソーラン節」、チャップリンの「スマイル」など全11曲を収録。それらすべてに言えるのは林の清澄なフルートの音色と卓越した技巧、殊にリズム処理の巧みさ。意外性に富んだアレンジの秀逸さも手伝い、フルートの表現力が存分に発揮された名アルバムに仕上がった。(藤原 聡)SACDSACD

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