eぶらあぼ 2021.12月号
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31浜離宮ランチタイムコンサートvol.210鈴木優人(チェンバロ)&鶴田洋子(フラウト・トラヴェルソ)2022.1/21(金)11:30 浜離宮朝日ホール問 朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990 https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/鈴木優人(チェンバロ)& 鶴田洋子(フラウト・トラヴェルソ)J.S.バッハとその周辺を巡る音楽の旅 取材・文:伊熊よし子Interview チェンバロの鈴木優人とフラウト・トラヴェルソの鶴田洋子が、浜離宮朝日ホールのランチタイムコンサートで久しぶりに共演を果たす。プログラムは「J.S.バッハを巡るさまざまな作曲家」の作品が組まれている。鈴木「前半にフローベルガーとC.P.E. バッハを組んでいますが、フローベルガーはバッハのルーツというか原流ともいえる作曲家で、非常に描写的で具象的な作品を書いた人です。インスピレーションに富み、多彩なアイディアをそのまま音楽で表現している。一部の曲ではその面白さを解説を交えながら演奏したいと思います。C.P.E.バッハはJ.S.バッハの息子で、ドイツ・ポツダムのサンスーシ宮殿でフルートを愛好したフリードリヒ大王に仕え、フルートが輝くような作品を生み出しています」鶴田「二人でC.P.E.バッハを演奏するのは初めてですが、滅多に演奏されない作品ですし、今後も演奏したい作品が多いですね」 鈴木は小学6年生から高校時代までフルートを習っていた。それゆえ、鶴田とのリハーサルでは指使いなどの細かいところのアドバイスをすることもあるという。鶴田「目からウロコという指摘が多いんです。彼は“疾風怒濤”の性格で、瞬発力がすごい。私はゆっくり慎重に考える方で、用意した引き出しから順次アイディアを出していくタイプです」鈴木「僕が100メートル走で彼女は1500メートル走という感じかな(笑)。性格は正反対だからこそ異なった解釈の演奏が生まれ、それが融合していく面白さがあります。僕は疾風怒濤といわれますが、自分が興奮することなく、聴き手を興奮させたいですね」 後半はオトテールの組曲が登場する。鶴田「フルートやフラウト・トラヴェルソ奏者にとって、オトテールは最も重要な作曲家。教則本を書いたことでも知られていますが、その本と音楽が密接に結びついているところが興味深い。絵に残されているオトテール・フルートと呼ばれるちょっと長い楽器があるのですが、私も最初にこのレプリカで吹き、深々とした良い音に魅了されました」鈴木「続いてラモー、クープランのよく知られた作品を演奏し、当時のフランスとドイツの交流にも目を向けたい。最後は、J.S.バッハのソナタで両楽器のアンサンブルを存分に堪能していただきたいと思っています」 音響のよさで定評のあるホールでのデュオ。18世紀の音楽による世界旅行にいつしか心が浮遊し、かの地へと自然に運ばれて行きそう。鶴田洋子 ©Marco Borggreve鈴木優人 ©Marco Borggreve第517回日経ミューズサロン藤井亜紀(ピアノ) & 江口心一(チェロ) オール・ショパン・デュオ・リサイタルショパンの愛した音色を求めて文:藤原 聡 バロックから現代までの多彩なレパートリーを誇り、国内やヨーロッパにおいて幅広い演奏活動を展開しているピアニストの藤井亜紀、そして東京都交響楽団の副首席奏者を務める傍ら室内楽やソロ活動にもいそしむチェリスト、江口心一の共演による「オール・ショパン・デュオ・リサイタル」が開催される。 まずは藤井のソロによってエチュード、ノクターン、マズルカ、ポロネーズ、ワルツ、バラードの中から選りすぐりの傑作が披露された後、江口も参加して作曲家が20歳の頃に作曲したチェロとピアノのための「序奏と華麗なるポロネーズ」および晩年のチェロ・ソナタ12/9(木)14:00 18:30 日経ホール 問 日経公演事務局03-5227-4227https://stage.exhn.jp https://stage.exhn.jp/stream/(アーカイブ配信)op.65が取り上げられる。 ショパンのピアノ・ソロ曲によるリサイタルは数あれど、この作曲家がピアノに次いで愛した楽器であるチェロによる室内楽作品が同時に披露されることは意外にも稀有だ。そもそも書法的にいささか晦渋な面はあれど紛れもない傑作であるチェロ・ソナタは、難曲ゆえかあまり実演の機会に恵まれない。本年2月に素晴らしいショパンのエチュード集CDをリリースした藤井のソロとチェ江口心一 ©小島光博藤井亜紀ロ作品もあわせて堪能できる本リサイタル、ショパン好きなら聴き逃しなし!

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