eぶらあぼ 2021.12月号
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115コンサートギャラリーNew Release Selection新譜情報BooksぶらPAL海外公演情報今月の注目公演掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。130年以上にわたり、我が国の演奏史を見守ってきた旧東京音楽学校奏楽堂でのシリーズ。今回は、バッハの「ブランデンブルク協奏曲」全6曲が披露される。首席奏者等を長年務めた永峰高志や第2ヴァイオリン首席の大林修子、フルート首席の甲斐雅之らN響メンバーに、国際的に活躍するヴィオラの川本嘉子ら名手が揃った豪華布陣。自在な編成の“バロック音楽の百科全書”らしい、彩り豊かな快演が期待できよう。月の12守山市民ホール開館35周年記念公演 大植英次(指揮) 大阪フィルハーモニー交響楽団辰巳美納子(チェンバロ)中部フィルハーモニー交響楽団 第78回定期演奏会 KOMAKIシリーズ2 こまき第九2021N響メンバーによる奏楽堂コンサートシリーズNo.68「ブランデンブルク協奏曲」全曲演奏会所沢ミューズ × 音まちコンサート 特別公演金子三勇士(ピアノ)田中淑惠(メゾソプラノ)12/4(土)15:00 守山市民ホール12/21(火)14:00 19:00 東京オペラシティ 3F 近江楽堂12/18(土)15:00 小牧市市民会館12/12(日)14:00 旧東京音楽学校奏楽堂12/23(木)14:00 所沢市民文化センター ミューズ アークホール12/19(日)14:00 王子ホール文:笹田和人守山市民ホール開館35周年を記念するステージに、世界的マエストロ大植英次率いる大阪フィルハーモニー交響楽団が登場。“革命”のニックネームで知られるショスタコーヴィチの交響曲第5番をメインに、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲、「ジークフリート牧歌」「ワルキューレの騎行」とワーグナーの佳品を披露、彫りの深い音創りで魅せる。開演40分前からは、岡田暁生(京都大学教授/音楽評論家)によるプレトークも。大植英次 ©飯島 隆中部フィルハーモニー交響楽団が拠点を置く、小牧でのシリーズ。今シーズンの第1弾は、コロナ禍の影響で中止になったため、首席客演指揮者の飯森範親のタクトによるこのベートーヴェン「第九」が、実質上のスタートに。ソプラノ山田知加、メゾソプラノ谷田育代、テノール中井亮一、バリトン森寿美という独唱陣や合唱は、名古屋芸術大学の指導者、卒業生、学生らが務めるなど、同校が全面協力する。飯森範親 ©山岸 伸永峰高志 ©Michiko Yamamoto1980年にミュンヘン国際音楽コンクールで優勝し、数々の檜舞台で美声を聴かせる一方、後進の指導にも力を注いできた、名メゾソプラノの田中淑惠。今回は、クラリネットの武田忠善・国立音楽大学学長と、ピアノの有岡奈保の共演で。〈すみれ〉などモーツァルト、〈魔王〉ほかシューベルト、シュポアやヴォルフ、ファリャの歌曲集、ビゼー《カルメン》から〈ハバネラ〉〈セギディーリャ〉と、佳品をぎゅっと凝縮したステージに。今年で没後400年を迎えた、初期バロック・ネーデルランドの巨匠スヴェーリンク。本場オランダに学び、しなやかな歌心と堅固な構築感を併せ持つ歴史的鍵盤楽器の名手・辰巳美納子が、フレミッシュ2段鍵盤チェンバロで「トッカータ イ調」「涙のパヴァーヌ」「緑の菩提樹の下で」ほか、ポジティフ・オルガンで「ヘクサコード・ファンタジア」やコラール変奏曲を披露し、その多層的な魅力を掘り下げてゆく。©M.Ogata瑞々しくほとばしる、若きヴィルトゥオーゾの快演に身を委ねたい。日本とハンガリーにルーツを持ち、ブダペストのリスト音楽院などに学んで、2008年にバルトーク国際ピアノコンクールを制した金子三勇士。今回は、ハンガリー出身のリスト「ラ・カンパネッラ」や、その編曲によるシューマン「献呈」をはじめ、ショパンの「ノクターン第20番 嬰ハ短調『遺作』」など珠玉の名曲を、休憩なしの70分間で濃密に弾き切る。©Ayako Yamamoto

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