63垣岡敦子 AMORE ~愛の歌 Vol.7《TOSCA》全3幕ハイライト版(日本語字幕付)11/21(日)15:00 王子ホール問 新演コンサート03-6384-2498 http://www.shin-en.jp垣岡敦子(ソプラノ)愛憎渦巻く悲劇をスリリングに描く《トスカ》に挑戦取材・文:原 典子Interview イタリアで研鑽を積み、透明感がありながらゴージャスな歌声で聴き手をたちまちオペラの世界に引き込むソプラノ、垣岡敦子。2012年からシリーズ化しているリサイタル「AMORE~愛の歌」も、今年で7回目を迎える。前回(2019)好評を博したマスネ《マノン》のハイライトに続き、今回はプッチーニ《トスカ》のハイライトとのことで期待が高まる。 「スタートから5回目までは、ほぼ私ひとりのリサイタル形式でやっていましたが、ただアリアだけを歌っても、それがオペラのどの部分で歌われる曲なのか、お客さまは分からない場合もありますよね。それならば、もうオペラをやっちゃおう! と思って試みたのが《マノン》でした。キャストは私とテノールだけ、演出家も衣裳さんも入れず、必要最低限の要素でできることをやろうと。そのかわり照明にはすごく凝ったりして、“Amazing!”と言っていただける舞台を作り上げることができました」 そろそろ《トスカ》を歌う機が熟したと語る垣岡にとってのトスカ像とは? 「トスカはオペラのなかでは20歳そこそこの若い女性ですが、声においても人生経験においても、熟していないと歌えない役だと思います。第1幕では勝気でかわいらしい少女が、第2幕では豹変して女になる、そして第3幕では母親のような大きな愛でカヴァラドッシを包み込む。トスカは私にとって、とても愛情深く、衝撃的な女性ですね。とくに第2幕は〈歌に生き、恋に生き〉を歌ったかと思えば、スカルピアを殺す場面ではドスのきいた壮絶な声を出さなければならない、テクニック的にも高度なものが要求される見せ場です。今回のハイライト版でも、第2幕はほとんどカットせずにお送りします」 舞台は現代の設定で、カットした部分のストーリーはスクリーンに文字を映し出して進行していく。どこをカットするかに頭を悩ませ、照明や大道具のスタッフと打ち合わせをし、歌手としてだけでなく、プロデューサーとしての手腕もいかんなく発揮している。 「ものすごく大変ですが、すべては“愛”です。あえて演出家を置かず、宮里直樹さんのカヴァラドッシ像、上江隼人さんのスカルピア像をそれぞれ自由に演じていただきながら、音楽監督&ピアノの村上尊志さんに音楽的な部分をまとめていただきました。大きなプロダクションではなかなかできない舞台をお届けできると思います」千葉県立文化会館4館連携事業 ちばゆかりアーティスト實じつかわ川 風かおる ピアノリサイタル ショパンの旅活躍めざましいアーティストが贈る名曲たち文:飯田有抄 「ちばゆかりアーティスト」として、千葉県出身のピアニスト實川風が千葉県東総文化会館でリサイタルを行う。東京藝術大学首席卒業、ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール第3位(1位なし)、カラーリョ国際ピアノコンクール優勝など、国内外を舞台として着実に研鑽とキャリアとを積み重ねてきた實川のピアノは、揺るぎない安定感に加えて、近年ますますの詩情と深みを帯びている。 そんな彼が今回披露するのはオール・ショパン・プログラム。子守唄、幻想曲、「英雄ポロネーズ」、バラード第1番11/6(土)11:00 千葉県東総文化会館問 千葉県東総文化会館0479-64-2001 https://www.cbs.or.jp他公演 12/19(日) 千葉県南総文化ホール(0470-22-1811) 2022.2/26(土) 千葉県文化会館(043-222-0201)※公演ごとにゲストとプログラムが異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。など、ショパンが確立した多様なピアノ音楽のジャンルから、選りすぐりの名曲を届ける。また注目は、数々のオーケストラと共演を重ねて活躍の幅を広げるヴァイオリニスト、松田理奈をゲストに迎えた、サラサーテのツィゴイネルワイゼンを含む3作のコラボレーション。開演は午前11時。独奏とデュオの両方を楽しめる、週末の素敵な朝となりそうだ。©FUKAYA Yoshinobu/auraY2松田理奈 ©Marco Patella實川 風©Hiromi Nagatomo
元のページ ../index.html#66