59Hakuju サロン・コンサート vol.10 宮本笑里&川本嘉子一夜限り!? 宮本♥川本が贈るプレミアム・セッション11/5(金)19:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 https://www.hakujuhall.jp宮本笑里(ヴァイオリン)& 川本嘉子(ヴィオラ)仲良し二人が念願の初共演!取材・文:宮本 明Interview 音楽家が自宅のサロンにお客様を迎えるような、互いの顔が見えるコンサート。Hakuju Hallの「サロン・コンサート」に、ヴァイオリンの宮本笑里とヴィオラの川本嘉子の仲良し二人が登場する。少し年齢の離れた二人。真正面から共演するのは今回が初めて。「より仲が深まっています」(川本)。 出会いは十数年前の小澤征爾音楽塾のオーディション。宮本が受験者、川本は審査員の一人だった。川本「音を聴いて一瞬で、音楽に本当に真面目に取り組んでいるのがわかって、一気にファンになりました。真面目って才能だと思うんです。尊敬できる演奏でした。それで小澤塾のツアーで食事に行ったりして」宮本「まだデビュー前でしたし、初参加の小澤塾で、どうしたらいいのかわからない中、常に気にかけてくださって。川本さんのヴィオラは、聴いたことがないような、なんとも言えない音色で、歌い方も大好きです。ずっと憧れの存在でしたので、ご飯来る? と誘ってくださったのがとてもうれしかったんです」 サロンらしく、客席の雰囲気を味わいながら弾きたいと言う。宮本のソロはバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」とラヴェルの「ツィガーヌ」。宮本「『ルーマニア民俗舞曲』は子どもの頃から五嶋みどりさんのCDを何回も聴いては踊っていた大好きな曲。3年前に初のクラシック・アルバムに収録するとき、川本さんにレッスンしてもらいました」川本「私も大好きな曲なので、自分の解釈などもアドバイスしましたが、とにかくちゃんと練習できているので、楽しませてもらった記憶しかありません」 川本は、初挑戦というブロッホの「バール・シェム」より第2曲「ニーグン」と、ヴィオラにとっての宝物のようなブルッフの「ロマンス」を弾く。川本「ブルッフは年老いてヴィオラ奏者に恋をして、だから晩年にヴィオラの作品が多いんです。これもとても甘い感じの曲で。笑里さんに捧げようと思って選びました」宮本「うれしいです。この曲大好きなんです。すごく素敵!」 デュオには、この編成の名曲中の名曲であるモーツァルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 第2楽章」を選んだ。さらに、二人が“イチオシ”の内緒の曲も用意しているそうなので、そこは当日のお楽しみ。川本「笑里さんのヴァイオリンの素晴らしさを皆さんに伝えたいし、彼女の“波動”を取り入れて、私がちょっと変化するのも楽しんでください」宮本「念願の共演。心して挑んでいきたいなと思います!」白石光隆 ピアノリサイタル Vol.34ピアノ史の傑作と華麗なるパラフレーズ集文:飯田有抄 どんな時代のどんな作品も、当時の風を生き生きと感じさせてくれるのが、ピアニスト白石光隆の演奏だ。9月のリサイタルは、まさにそんな彼のユニークな魅力と技量とが存分に発揮されるプログラムが組まれている。 ベートーヴェンの「熱情」ソナタと、ショパンの「幻想ポロネーズ」という、ピアノ音楽史に突出した個性を刻む名作2曲を主軸に置いているが、それらを取り囲むようにして、芸術家が芸術家への最大限のリスペクトを込めていると言える編曲作品を配しているのだ。9/8(水)19:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677 https://www.proarte.jp ©岩切 等J.S.バッハの作品をサン=サーンスが、マルチェッロの作品をJ.S.バッハが、シャルル・トレネ作品をワイセンベルクが、R.シュトラウス作品をジンガーがアレンジしたトランスクリプションである。それぞれの原曲は、バロックから近現代まで、協奏曲やシャンソンやオペラと多様なジャンル! 白石の華麗でお洒落なピアニズムが、豊かなアートの“掛け算”を展開してくれることだろう。宮本笑里川本嘉子 ©島崎陽子
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