117コンサートギャラリーNew Release Selection新譜情報BooksぶらPAL海外公演情報今月の注目公演掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。クラリネットの横川晴児が音楽監督を務める音楽祭が、コロナ禍による“休符”を経て再スタート。ヴァイオリン小林美恵ら名手によるシューベルト「八重奏曲」やハイドン、ストラヴィンスキーの弦楽四重奏曲を味わう「室内楽コンサート」(9/4)で幕開け。コンサートマスター近藤薫がリードするフェスティバル・オーケストラは、メンデルスゾーン「スコットランド」ほかを(9/5)。そして、多彩な表情で魅せるジャズの調べで締め括る(9/6)。鮮烈なる響きが、空間を満たす。繊細かつ知的なプレイで、奥深く多層的な音楽を構築し、若くして“鬼才”と称されるピアニスト、北村朋幹。今回は、創意にあふれた実験的な作風で、やはり“鬼才”と呼ばれたジョン・ケージの「プリペアド・ピアノ(弦に様々な素材を挟み込んで音色などを変える手法)のためのソナタとインターリュード」全曲に挑む。ステージに先立ち、音楽評論家の白石美雪によるプレトークも。アルゼンチン民衆の魂を投影したタンゴへ革命をもたらし、生誕100年を迎えたアストル・ピアソラ。ヴァイオリンの橋森ゆう希、チェロのドミトリー・フェイギン、ピアノ赤松林太郎という、精鋭的な活動を展開する国際派の名手3人が、人間の喜怒哀楽を活写した「ブエノスアイレスの四季」をはじめ、「ル・グラン・タンゴ」「天使の死」などの傑作を通じて、官能的で情熱あふれる音楽の真髄へと斬り込んでゆく。“たった一人のシンフォニー”を織り上げるのは、確かな技巧と美しい音色、そして複雑なスコアを読み解く洞察力だ。東京藝大・同大学院からハンガリー国立リスト音楽院に学び、1999年にブラームス国際音楽コンクールを制した実力派ピアニスト、松岡淳が取り組む、リスト編曲によるベートーヴェンの交響曲シリーズ。今回は第7番を、やはり楽聖のソナタ第28番、ラヴェル「ラ・ヴァルス」と併せて披露する。月の9神奈川フィルの名手による室内楽シリーズ 《名曲の午後》第15回 「ベートーヴェンの『幽霊』」北村朋幹(ピアノ) ジョン・ケージ東京コンサーツ presents齊藤一也 ピアノリサイタル軽井沢国際音楽祭 2021Happy Music Hour松岡 淳 ピアノリサイタル「ピアノの交響楽」Vol.2ブエノスアイレスの四季 橋森ゆう希(ヴァイオリン) ドミトリー・フェイギン(チェロ) 赤松林太郎(ピアノ)9/3(金)14:00 フィリアホール9/19(日)15:00 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール9/7(火)19:00 トーキョーコンサーツ・ラボ9/4(土)~9/6(月) 軽井沢大賀ホール 他9/22(水)19:00 東京文化会館(小)9/19(日)13:30 18:00 紀尾井町サロンホール文:笹田和人©TAKA MAYUMI左より:橋森ゆう希/ドミトリー・フェイギン/赤松林太郎神奈川フィルのソロ・コンサートマスター﨑谷直人、チェロの名手で指揮者としても活躍する鈴木秀美、ピアノの草冬香が、第2楽章の幻想的な楽想から「幽霊」の愛称を持つベートーヴェン中期の傑作、ピアノ三重奏曲第5番を披露。弦のメンバーにヴァイオリン桜田悟とヴィオラ髙野香子が加わっての弦楽四重奏曲第2番、﨑谷と草による楽聖の先人・モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第22番を併せて味わう。﨑谷直人 ©S.IMURA東京藝大卒業後に渡欧、パリ国立高等音楽院とベルリン芸大に学んだ齊藤一也が完全帰国し、研鑽の成果を披露。バッハ「イタリア協奏曲」、シューベルト「即興曲第3番」op.142、ラヴェル「水の戯れ」、一柳慧「雲の錦」、リスト「巡礼の年」からの2曲とレパートリーは幅広い。また、「幻想ポロネーズ」ほかショパン、そこから霊感を得た自作「ショパンの『小犬のワルツ』による即興曲」も。若き才能が迸る。©Takumi Jun横川晴児軽井沢国際音楽祭フェスティバル・オーケストラ
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