eぶらあぼ 2021.8月号
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52福田美樹子(ソプラノ) & 徳永真一郎(ギター) デュオリサイタルピレネーの山々を超えて届く恢復の歌文:白柳龍一9/25(土)14:00 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール問 福田美樹子オフィシャルサイト https://mikikoe.com フランスの名歌手、マディ・メスプレに師事し、バルセロナのリセウ高等音楽院で最優秀ディプロマを獲得した福田美樹子が、およそ1年ぶりのリサイタルを開催する。輝く高音と透明感あふれる声質によるコロラトゥーラソプラノとして活躍してきた福田だが、昨年リリースした3作目のCDアルバム『あなたなんか愛していない』では、ラヴェルやサティ、プーランクに加え、クルト・ヴァイルによるフランス語歌曲をレパートリーに取り入れ、新境地を拓いてみせた。 「コロナ禍による閉塞状況が続いていますが、この時期にできることは何かを考え、肉体の鍛錬を含めてできるだけ歌と向き合う時間を作るようにしました」と語る福田が新たなレパートリーに選んだのは、スペインの民謡だった。 「スペインやフランスで暮らしていたとき、当地で長く口ずさまれてきた歌の数々に接し、それらが人びとの心を恢復に導くものだと実感しました。人の心情に深く根ざした歌の数々を、今この時期にこそ歌っていきたいと強く感じています」 伴奏と編曲を担当するのは気鋭のギタリスト、徳永真一郎。長い間フランスを中心に活躍していた徳永は今回、ラヴェルやプーランクの楽曲でも編曲テクニックの冴えを見せてくれる。カタルーニャ、ガリシア、アンダルシア、そしてバスク地方の民謡に加え、福田が得意とするプーランクやサティまで、心の恢復を祈る歌の数々は、困難な時代を生きる私たちの心に清涼な風を送ってくれるだろう。左:徳永真一郎 右:福田美樹子ぶらあぼ公式facebookhttps://www.facebook.com/BravoClassic/

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