50フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ シリーズ60髙木凜々子 ヴァイオリン・リサイタル7/31(土)14:00 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット問 横須賀芸術劇場046-823-9999 https://www.yokosuka-arts.or.jp髙木凜々子(ヴァイオリン)SNSで話題のヴァイオリニストのライブ・リサイタル取材・文:伊熊よし子Interview 若手ヴァイオリニストの髙木凜々子は、YouTubeやTikTokなどで自身の演奏の動画配信を積極的に行っている。 「クラシックを広めたい、演奏会に足を運んでほしいと願い、2016年から動画配信を始めました。いまではいろんな方からコメントをいただき、それが励みになると同時に、私自身の勉強にもなっています」 両親ともにオーケストラのヴァイオリン奏者という音楽一家に生まれる。ヴァイオリンを始めたのは3歳から。音楽は大好きで、楽器を弾くのは楽しかったが、練習嫌いだった。 「小学校4年生のときに自分の意志でヴァイオリンを続けたいと決心し、音楽教室で本格的な勉強を開始しました。これがひとつの転機です。もうひとつの転機は19歳のときに初めて海外のハノーファー国際ヴァイオリンコンクールを受け、参加者たちのすばらしさに触れて視野が広がりました。この時点からより高い段階を目指すようになり、技術を磨くために国際コンクールに挑戦し、留学も視野に入っています。いまでは練習を楽しんでいます(笑)」 この7月にはヨコスカ・ベイサイド・ポケットの「フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ」シリーズに登場する。共演はピアノの鈴木華重子。 「シュニトケのソナタ第1番をぜひ弾きたいと思います。静かな第1楽章から始まり、リズミカルな第2楽章、きれいなメロディの第3楽章へと続き、リズミカルな第4楽章へと戻ります。壮大でコンチェルトのような趣を呈し、ピアノパートもとても難しい。特に第3楽章はその美しさにハマり、一種の中毒症状のようになります。シュニトケの魅力に触れてほしいですね。バッハの無伴奏ソナタ第1番はYouTubeで評判のよかった作品。バッハは崇高で和声進行がしっかりしていますし、原点に帰る気持ちで演奏できます。グリーグのソナタはメロディがとても美しく、特に第3番は大好きです。ショーソンの詩曲は親しみの持てる作品で物語性があり、私はひとりの女性を巡る恋物語を描いています。内容が濃く、それを音色で表現したい」 使用楽器は昨年から黒澤楽器店より貸与されているストラディヴァリウスLord Borwick(1702)。初めて弾いたときに一目ぼれ。当初は納得いく音が出せなかったが、いまは相性がよくなり、楽器と一体化している。赤ワインに目がない彼女、練りに練られたプログラムはその美酒のような美音で聴き手の心をとろけさせ、夢見心地にしてくれるに違いない。田代慎之介 ピアノリサイタルハンガリー音楽のスペシャリストのピアニズムをじっくり堪能する文:長井進之介 ピアニストの田代慎之介は東京藝術大学を卒業後、ハンガリー政府給費留学生としてリスト音楽院で研鑽を積み、東京藝術大学大学院をクロイツァー賞を得て修了。日本音楽コンクール入選、エピナル国際ピアノコンクール第1メダル、マリア・カナルス国際音楽コンクール・メダルと、国内外のコンクールで入賞。現在は武蔵野音楽大学演奏学科長および教授として後進の指導に当たりながら、東京と札幌で定期的にリサイタルを開催し、自身の音楽性・技術を高め続けてきた。 今回演奏されるのはシューマンの作9/6(月)19:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677 https://www.proarte.jp他公演 8/31(火) 札幌コンサートホールKitara(小)(平和ステージ・オフィス011-665-0675)©三好英輔品の中でも特に高度な技巧を要求される「交響的練習曲」、豊かな表現力と繊細さが必要な「子供の情景」を核に、田代の“十八番”であるハンガリーの作曲家、リストとバルトークが並ぶ。圧倒的な技術が求められる「超絶技巧練習曲」に多彩なリズムが展開する「ミクロコスモス」と、ピアニストとしてのあらゆる面を試されるプログラムで、田代の磨き抜かれたピア二ズムを堪能できるだろう。
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