39TOKYO OTA OPERA PROJECT 2021オペラ・ガラコンサート:Again 珠玉のオペラ合唱と出逢う~8/29(日)15:00 大田区民ホール・アプリコ問 大田区文化振興協会03-3750-1611 https://www.ota-bunka.or.jp柴田真まいく郁(指揮)& 吉田貴たかゆき至(プロデューサー)区民参加型オペラ・プロジェクト再始動! 名曲づくしの華やかなステージ 取材・文:室田尚子Interview TOKYO OTA OPERA PROJECTは大田区文化振興協会主催で、大田区民と第一線で活躍する歌手が一緒にオペラを作っていくという区民参加型のプロジェクトだ。2019年にスタートし当初は3年計画だったが、コロナ禍のために昨年は予定が中止に。改めてこの8月に「オペラ・ガラコンサート」が開催される。公演プロデューサーの吉田貴至に、区民合唱団の練習方法についてたずねた。 「昨年は対面での練習が不可能になりオンラインに切り替えたのですが、原語指導の先生をお招きして、パートごとに綿密な言葉の練習を重ねられたのは不幸中の幸いでした。現在、合唱団は56名。ホールのガイドラインに沿ってソーシャル・ディスタンスや換気など感染症の予防には細心の注意を払いながら、対面での練習も再開しつつあります」 本番のタクトをとるのはオペラ指揮者として、今もっとも注目を浴びる柴田真郁。なんと吉田とは国立音楽大学声楽科の先輩・後輩の間柄だという。 「卒業してから初めての共演です(笑)。吉田さんがプロデュースという形でわかりやすくオペラを発信していることを知り、とても魅力的だと感じてこのプロジェクトへの参加を決めました。我々が普段どのようにしてオペラを作っていくのか、という過程を区民の皆さんに体験していただけるこうした企画は、オペラの裾野を広げるためにはとても意味のあることだと思います。これをきっかけに、みなさんがほかのオペラ公演にも足を運んでもらえれば嬉しいです」 小学校の時から指揮者になりたいと思い、音大時代には(声楽科在籍なのに!)自分でオーケストラを組織したという柴田。一方の吉田も、声楽科で学んだことをベースにコレペティトゥールとして活動しながら、オペラのプロデュースを手がけている。ともに「歌」の世界に軸足を置きながら、その活動を「歌う」以外の領域に広げていったという経歴の持ち主なので、大いにシンパシーを感じるところがあるのだろう。 8月の公演は、ロッシーニからヴェルディ、ビゼー、レハール、J.シュトラウスⅡまでと、時代もスタイルも違う名曲がぎっしりと詰まったプログラム。吉田が選んだソリスト陣も、かつてアプリコ開館記念の《夕鶴》に出演した澤畑恵美(ソプラノ)、望月哲也(テノール)をはじめ、吉田とは深い信頼関係で結ばれている大沼徹(バリトン)、そして若手の山下裕賀(メゾソプラノ)、注目の村松稔之(カウンターテナー)と実に豪華なメンバーが揃った。オーケストラは大田区を拠点にする東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団。柴田からは「作品によって異なる表現をオーケストラに伝えるのが指揮者の仕事。ご期待ください」と熱いメッセージも飛び出した。夏の終わりのひとときを、華やかなオペラのナンバーで楽しみたい。第7回仙台国際音楽コンクール最高位受賞記念 チェ・ヒョンロク ピアノリサイタル韓国の新星、待望の日本初リサイタル文:高坂はる香 2019年、仙台国際音楽コンクールピアノ部門に優勝した、韓国のチェ・ヒョンロク。新型コロナの影響で延期となった昨年の最高位受賞記念演奏会が、来る9月に開催され、改めて、日本でリサイタルデビューを果たす。 今回演奏するのは、彼が自らの感性に合うという二人の作曲家、ラヴェルとショパンの作品。なかでもラヴェルの「クープランの墓」は、現在留学するザルツブルク・モーツァルテウムで名教師パヴェル・ギリロフのもと学ぶようになりその感覚を掴んだレパートリーで、今では「緻密に書かれた和声の魅9/5(日)14:00 仙台/宮城野区文化センター PaToNaホール9/7(火)19:00 浜離宮朝日ホール問 仙台国際音楽コンクール事務局022-727-1872 https://simc.jp©仙台国際音楽コンクール力を求める作業が楽しい」という。加えてショパンのピアノ・ソナタ第3番も、長らく取り組み続けている大好きな作品。自由な独自の感性で練り上げた演奏を披露してくれることだろう。 野島稔審査委員長がコンクール当時、「信念を持ち、それを舞台で表現できるのは才能だと思う」と評した若きピアニスト。久しぶりの日本での演奏で、また進歩した姿を見せてくれることに期待したい。吉田貴至 ©Satoshi Takae柴田真郁 ©ai ueda
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