eぶらあぼ 2021.7月号
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20 代わって登場するのは、古楽界の大巨匠で世界一流楽団にも多く客演する鈴木雅明。曲目は調整中とのことだが、最新情報はサマーミューザのウェブサイトをチェックされたい。 NHK交響楽団はオーケストラ全体ではなく、室内合奏団としての参加になる(7/28)。N響第1コンサートマスター篠崎史紀を中心とする名手たちのアンサンブルで、J.シュトラウスⅡ(シェーンベルク編)の「南国のバラ」や、マーラー(K.ジモン編)による交響曲第4番(室内楽版)などが演奏される。大編成のマーラーが室内楽に変身すると、どんな姿を見せてくれるのだろうか。 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団を率いるのは常任指揮者の高関健(7/31)。スメタナの連作交響詩「我が祖国」全曲に挑む。「我が祖国」といえば第2曲の「モルダウ」がよく知られるが、全6曲を通して聴いたときの感動は格別。ボヘミアの歴史と大自然が壮大な音のドラマを織りなす。 神奈川フィルハーモニー管弦楽団を指揮するのは鈴木秀美(8/3)。古楽のスペシャリストとして知られる鈴木だが、今回はロマン派プログラム。シューマンのヴァイオリン協奏曲(独奏は郷古廉)、ドヴォルザークの交響曲第8番ほかが演奏される。歴史的視点からロマン派音楽の魅力を問い直す。注目の俊英、郷古のソロも期待を煽る。初登場のオーケストラによるドイツ・プロ 京都市交響楽団は初登場(8/4)。黄金時代を築いた常任指揮者兼芸術顧問・広上淳一がドイツ音楽プログラムを披露する。ブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲では、黒川侑と佐藤晴真という期待のソリストふたりの共演が実現。来年3月で退任する広上にとって、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」はこのコンビの集大成となるだろう。 東京ニューシティ管弦楽団は次期音楽監督の飯森範親を迎える(8/5)。マーラーの交響曲第5番は彼らにとって名刺代わりの強烈な一曲となりそう。ハンガリーにルーツを持つ金子三勇士は、バルトークのピアノ協奏曲第3番でソロを務める。 東京フィルハーモニー交響楽団は首席指揮者アンドレア・バッティストーニが母国イタリアの音楽を並べた(8/6)。メイン・プログラムはレスピーギの交響詩「ローマの松」。壮大な音のスペクタクルが描かれる。『ゴッドファーザー』など映画音楽で知られる飯森範親 ©山岸 伸金子三勇士 ©Ayako Yamamoto吉野直子 ©Akira Mutoアンドレア・バッティストーニ ©上野隆文下野竜也 ©Naoya Yamaguchi黒川 侑 ©Ikuo Hiramatsu佐藤晴真 ©TOMOKO HIDAKI広上淳一 ©Masaaki Tomitori郷古 廉 ©Hisao Suzuki鈴木秀美

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