99コンサートギャラリーNew Release Selection新譜情報BooksぶらPAL海外公演情報今月の注目公演10月の見もの・聴きもの2021年10月の曽そし雌裕ひろかず一 編【ご注意】2021/22シーズンの公演予定を発表している劇場・オーケストラ等がまだ十分揃っていないため、本号では、先月号同様、これまで詳細が発表されずに未掲載になっていた夏の音楽祭(イギリスの「プロムス」等)の公演データも採り上げます。また、新シーズンの公演予定が発表されてた劇場については、適宜9月に遡って10月までの情報を通常通り記述しました。追加発表については、来月号以降で補填掲載します。〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場9月3、6、9、11日 プッチーニ:トスカ 指/A.コーバー、演出/M.ヴァルマン、出/C.ジャンナッタージョ、F.サルトーリ、E.シュロット9月4、8、12、16日 ヴェルディ:ファルスタッフ指/N.ルイゾッティ、演出/M.A.マレッリ、出/W.コッホ、B.ピンハソヴィチ、J.ロヴェル、E.ブラット9月5、7、10、15、18日 ヴェルディ:椿姫 指/N.ルイゾッティ、演出/S.ストーン、出/P.イェンデ、F.アントゥーン、L.テジエ9月14日 〔さよならガラ・コンサート〕 J.カレーラスT 共/L.バヴァイp◎9月19、23、27日 ヘンツェ:裏切られた海指/S.ヤング、演出/J.ヴィーラー、S.モラビト、出/V=L.ベッカー、J.ロヴェル、B.スコウフス、E.ヴァン・へイニンヘン9月22、26、29日、10月3日 ヴェルディ:オテロ指/B.ド・ビリー、演出/A.ノーブル、出/G.クンデ、L.テジエ、F.デ・トマーソ、R.ウィリス=ソレンセン★9月28日、10月1、4、7、10、14日 ロッシーニ:セビリアの理髪師[プレミエ] 指/M.マリオッティ、演出/H.フリッチュ、出/J.D.フローレス、P.ボルドーニャ、M.クレバッサ、I.アブドラザコフ、D.ルチアーノ9月30日、10月2、5、8日 モーツァルト:フィガロの結婚 指/A.マナコルダ、演出/J=P.ポネル、出/A.シューエン、M.ベングトソン、R.ミューレマン、P.スライ★10月3(11:00)、6(10:30)、10(11:00)、12(10:30)、26(11:00)、27(11:00)日魔法の国からの脱出(ウィーン国立歌劇場制作のモーツァルト「後宮からの脱出」による子ども向けのオペラ公演) 演出/N.ブルーム、振付/K.バウアー◎10月6、9、11、13日 モンテヴェルディ:ポッペアの戴冠 指/P.エラス=カサド、演出/J.ロワース、出/V.ヴェレーズ、S.ザメチュニコヴァ、X.サバタ、C.ボック◎10月15、18、21、24、26日 チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン 指/T.ハヌス、演出/D.チェルニアコフ、出/H.シュナイダーマン、N.カー、A.ゴリアチョワ10月22、25、29日 チレア:アドリアナ・ルクヴルール 指/O.M.ヴェルバー、演出/D.マクヴィカー、出/B.ジャッジ、N.アライモ、E.ヤオ、E.ガランチャ◎10月31日 グノー:ファウスト 指/B.ド・ビリー、演出/F.カストルフ、出/S.コステッロ、R.ウィリス=ソレンセン、A.パルカウィーン・フィル〔注〕2021/22シーズンの詳細な公演予定が未発表のため、発表され次第、次号以降に掲載します。ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(FRA)=アルテオーパー(フランクフルト)]9月25(19:30)(MV)、10月3(19:00)(FRA)日A.オロスコ=エストラーダ指揮 ハイドン:交響曲第90番、マルティヌー:ラプソディ・コンチェルト、ドヴォルザーク:交響曲第7番 独/A.タメスティva◎10月1(19:30)(KH)日 A.オロスコ=エストラーダ指揮 マーラー:交響曲第3番 独/S.コノリーMs10月9(19:30)(MV)、10(19:30)(MV)日指揮未定 ブリテン:戦争レクイエム 独/I.パパンドレウS、D.ベーレT、S.ハッセルホーンBr10月13(19:30)(MV)、14(19:30)(MV)日M.ホーネック指揮 E.シュルホフ:弦楽四重奏のための5つの小品(M.ホーネック、T.イルレによる管弦楽編曲版)、ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 独/R.ブッフビンダーp10月19(19:30)(MV)、20(19:30)(MV)日A.オロスコ=エストラーダ指揮 ハイドン:四季独/M.ペーターゼンS、M.ペーターT、F.ベッシュBs◎10月28(19:30)(KH)日 タン・ドゥン指揮タン・ドゥン:自然の涙(打楽器協奏曲)、ドビュッシー:狂詩曲第1番(クラリネットと管弦楽のための)、タン・ドゥン:パッサカリア(風と鳥の秘密)、ラヴェル:ボレロ 独/M.グルービンガーpc、G.パチンガーcl◎10月29(19:00)(KH)日 タン・ドゥン指揮(Fridays@7/墺中外交関係50周年記念)タン・ドゥン:自然の涙(打楽器協奏曲)、英雄協奏曲(ヴァイオリンと管弦楽のための/抜粋)、クライスラー:中国の太鼓、ラヴェル:ボレロ 独/M.グルービンガーpc、何子毓vnムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)10月1(19:30)日 M.オルソップ指揮ウィーン放送響 H.ロット:ユリウス・カエサル〜序曲、ヴォルフ:ペンテジレア、マーラー:巨人(交響詩/5楽章の交響曲形式による)10月2(20:15)、4(20:15)、6(20:15)、8(20:15)、11(20:15)、15(20:15)、22(20:15)、25(20:【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 2021/22シーズンの公演予定を発表する劇場がやっと増えてきたが、それでもまだまだ出揃っていない。そのため、今月も、積み残しの夏の音楽祭を含めた変則的な公演情報案内となっていることをご容赦いただきたい。 まず、いささか馴染みの少ないオペラで恐縮だが、パリ・オペラ座のプレミエ公演、エネスクの「エディプス王」のキャストが凄い。ムアワッドの演出もさることながら、この曲にマルトマン、トムリンソン、ナウリ、クラーク、グバノワ、マルジェーヌ、フォン・オッターと歌手を揃えて、メッツマッハーが振るとなれば、現在のオペラ界ではもう最強の布陣。あるいは映像化もされるかもしれないが、可能であれば生で見たい逸品。同様に、ベルネームやペレチャッコなどが出演するハンブルク州立歌劇場の最初のプレミエ、オッフェンバック「ホフマン物語」も、ケント・ナガノの棒の下、注目度は高い。同じナガノの振るシューマン「ゲーテの『ファウスト』からの情景」(演出付)では、ゲルハーヘルの思索に富んだファウストが聴きもの。なお、ナガノはオペラのオーケストラの演奏会では、夫人の児玉麻里らの独奏によるモーツァルトの「3台のピアノのための協奏曲」や、クレーメルと組んだシュニトケのヴァイオリン協奏曲など意欲的な作品を採り上げる。それに加えて、エマールをピアノに据えたメシアン「トゥーランガリラ交響曲」(ミュンヘン・フィル)も要注目公演。 6月上旬の来日リサイタルで、ベートーヴェン後期ピアノ・ソナタ3曲に飛びきりの秀演を聴かせたバレンボイムは、10月は指揮業に戻って、本拠地ベルリン州立歌劇場でモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」のプレミエの他、シュターツカペレ・ベルリンの演奏会では、アルゲリッチやソルタニをソリストとしたシューマンの主要作品連続演奏と相変わらず精力的な仕事ぶり。さらに忘れてならないのは、ビエイトの演出するプロコフィエフの大曲「戦争と平和」(ジュネーヴ大劇場)と、シャンゼリゼ劇場でロトの振るドビュッシー「ペレアスとメリザンド」(プティボン、バルベイラク他出演。演奏はレ・シエクル)、ケイティ・ミッチェル演出のR.シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」(リセウ大劇場)、ピション指揮ピグマリオン演奏のベートーヴェン「フィデリオ」(パリ・オペラ・コミーク)、英国ロイヤル・オペラのプレミエ、ヴェルディの「リゴレット」、同劇場でグリゴリアン、マッティラらの出演するヤナーチェク「イェヌーファ」、ビエイト演出のモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」(チューリヒ歌劇場)、ミラノ・スカラ座の「セビリアの理髪師」(シャイー指揮)と、ルセの指揮、ジャンスやストヤノヴァの出演するカヴァッリ「カリスト」、オランダ国立オペラのツェムリンスキー「こびと」(ヴィオッティ指揮、ダッシュ出演)等々、コロナの抑制を見据えて、秋からのオペラ界は何かとかまびすしい。 オーケストラ関係では、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルの詳細な公演内容が未発表である(6月3日現在)ものの、サヴァール指揮コンセール・デ・ナシオンのベートーヴェン交響曲(フィラルモニー・ドゥ・パリ)、大野和士指揮のバルセロナ響、マケラ指揮のパリ管、ソヒエフ指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管(この組み合わせで今秋来日の予定あり)、ビシュコフ指揮チェコ・フィルのマーラー9番などどれも要注目。ゲルハーヘルとイザベル・ファウストの組み合わせも魅力的(ムジークフェライン/10月3日)。夏の音楽祭にはもう触れられないが、「インスブルック古楽音楽祭」、「プロムス」、「エディンバラ国際フェスティバル」等の◎印をご参照のほど。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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