95コンサートギャラリーNew Release Selection新譜情報BooksぶらPAL海外公演情報今月の注目公演日程・演目・出演者等、変更になる場合があります。ご了承ください。9月の見もの・聴きもの曽そし雌裕ひろかず一 編【ご注意】通常であれば、本号では新シーズン開始月である9月分のみのデータを掲載することになりますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021/22シーズンの公演予定を発表している劇場・オーケストラはまだほとんどありません(5月3日現在)。そこで本号では、例外的な措置として、先月までに掲載した音楽祭もしくは掲載できなかった音楽祭でも、その一部について、8月分を含めて、適宜、更新再掲載したものがあります。もちろん、新シーズンの公演予定が発表されているものについては、9月分の情報を通常通り掲載しています。なお、新シーズンの公演情報については来月号以降でも随時、補填掲載させていただきます。〔Ⅰ〕オーストリアウィーン・フィル[会場:(GFN)=ヴォルケントゥルム(グラーフェネック/オーストリア)、(LUZ)=コンツェルトザール(ルツェルン)、(PRG)=ドヴォルザーク・ホール[ルドルフィヌム](プラハ)](一部の客演公演のみ)◎9月2(19:00)(GFN)、9(19:30)(LUZ)、10(19:30)(LUZ)、12(20:00)、13(20:00)日H.ブロムシュテット指揮 → 〔グラーフェネック音楽祭(2日)/ルツェルン音楽祭(9/10日)/ドヴォルザーク・プラハ国際音楽祭(12/13日)〕参照ムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](一部公演のみ)〔注〕2021/22シーズンの定期公演は、5月20日から予約開始となります(4月28日発表)。9月1(20:15)、2(20:15)、3(20:15)、4(20:15)、6(20:15)、7(20:15)、8(20:15)、9(20:15)、10(20:15)、11(20:15)、13(20:15)、14(20:15)、15(20:15)、16(20:15)、17(20:15)、18(20:15)、20(20:15)、21(20:15)、22(20:15)、27(20:15)、28(20:15)、29(20:15)、30(20:15)日 ウィーン・モーツァルト管モーツァルトの作品9月19(19:30)日 D.クレシェンツィ指揮マルキジアーナ・フィル G.スポンティーニ:ヴェスタの巫女〜序曲、リスト:死の舞踏、ロッシーニ:泥棒かささぎ〜序曲、ヴェルディ:アイーダ〜前奏曲、ベッリーニ:ノルマ〜序曲、ルイザ・ミラー〜序曲、シチリア島の夕べの祈り〜序曲独/L.ディ・ベッラp9月23(19:30)、26(15:30)日 F.ガーベル指揮トーンキュンストラー管 ベルリオーズ:ベアトリスとベネディクト〜序曲、リスト:ピアノ協奏曲第2番、ベルリオーズ:幻想交響曲 独/S.トルプチェスキpコンツェルトハウス 大ホール[ウィーン](一部公演のみ)◎9月7(19:30)日 A.ネトレプコS、Y.エイヴァゾフT、M.マッツァ指揮アイン・オルケスター9月10(19:30)日 M.シャーデT、K.マルコヴィクス(朗読)、J.ツァイエンp 〔独唱〕シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフ、コルンゴルト、ツェムリンスキーの作品9月14(19:30)日 ムノジル・ブラス[T.ガンシュtp、他] L.パウル、T.ガンシュ、ヴィヴァルディ、ヴァイルの作品グラーフェネック音楽祭(8月13日-9月5日)[会場:無印=ヴォルケントゥルム(野外劇場/グラーフェネック)、(A)=アウディトリウム(グラーフェネック)](8-9月分)8月13(19:30)日 佐渡裕指揮トーンキュンストラー管(開幕演奏会) 細川俊夫:ファンファーレ(世界初演)、ヴェルディ:レクイエム独/K.ストヤノヴァS、A.ラチヴェリシヴィリMs、P.ベチャワT、R.パーペBs◎8月14(19:30)日 Z.メータ指揮オーストラリア・ワールド・オーケストラ ブラームス:ピアノ協奏曲第1番、ドヴォルザーク:交響曲第7番独/R.ブッフビンダーp◎8月15(11:00)(A)日 J.ヤンセンvn シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番、クララ・シューマン:3つのロマンス、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 共/D.コジュヒンp◎8月15(19:30)日 ベルリン・フィル12人のチェリストたち B.ブラッハー:ブルース、エスパニョーラとルンバ・フィルハーモニカ、ドビュッシー:沈める寺、月の光、B.ディーン:12人の怒れる男、D.エリントン/J.ティゾル:キャラヴァン、黒人霊歌:深い河、K.デプスキ:チェロ・アニメーション、W.カイザー=リンデマン:ブラジル風変奏曲「Die 12 in Bosa Nova」、ピアソラの作品集8月19(19:30)日 V.ペトレンコ指揮EUユース管 プロコフィエフ:スキタイ組曲「アラとロリー」、グラズノフ:アルト・サクソフォーン協奏曲、ストラヴィンスキー:春の祭典 独/J.ギラムsx◎8月20(19:30)日 細川俊夫/佐渡裕指揮トーンキュンストラー管 細川俊夫:ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 独/V.エーベルレvn8月21(19:30)日 R.ブッフビンダー(p)指揮ロシア「エフゲニー・スヴェトラーノフ」国立アカデミー響 ハイドン:ピアノ協奏曲ニ長調、モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番、ベートーヴェン:合唱幻想曲8月22(11:00)(A)日 R.ゲーベル指揮ベルリン・バロック・ゾリステン バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲) 独/M.デュフォー、C.ハルトマンob、R.フリードリヒtp、R.アルパーマンcm、R.G.モンハスvn/va8月22(19:30)日 P.ヤルヴィ指揮チューリヒ・トーンハレ管 シューマン:ピアノ協奏曲、シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」 独/H.グリモーp【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 現在(5月3日)のところ、2021/22シーズンの詳細な公演予定を発表している劇場は「モネ劇場」や「メトロポリタン歌劇場」程度しかない。そのため、新シーズンの通常公演がフォローできないので、本号では、9月開催の音楽祭を中心に取りまとめることとさせていただいた。また、その音楽祭についても、今後、内容の変更や延期・中止等があり得ることは引き続きご留意のほどお願いしたい。 ということで、まずは9月開催の音楽祭から。実は9月はなかなか魅力的な音楽祭が並んでいる。例えば「グラーフェネック音楽祭」、「リンツ国際ブルックナー・フェスティバル」、「ルツェルン音楽祭」、「ドヴォルザーク・プラハ国際音楽祭」、「ジョルジェ・エネスク音楽祭」など。中でも注目は「リンツ国際ブルックナー・フェスティバル」。今年はブルックナーというよりむしろマーラー関連の作品に焦点が当てられており、ブルックナー作ともマーラー作とも言われる「交響的前奏曲」やマーラーの初稿3部版の「嘆きの歌」が演奏される。それに加えて、マーラーの学友でもあったハンス・ロットの交響曲第1番(随所にマーラーそっくりの曲想が流れる)や、現行版に改訂される前のマーラーの「巨人」(5楽章のハンブルク稿)まで採り上げられる。しかも、アルゲリッチとジルベルシュテインのピアノ連弾によるブルックナーの交響曲第3番まであり、いかにも玄人好みのコンセプト色を感じさせる。 「ルツェルン音楽祭」(9月分)では、ペトレンコ指揮ベルリン・フィルによるシューベルト「ザ・グレイト」やスークの「夏のおとぎ話」(今秋に一応来日が予定されているので、この時期の選曲は気になるところ)、クリスティ指揮レザール・フロリサンの上演するヘンデル「パルテノペ」、ラトル=ロンドン響のベートーヴェンの交響曲第6番「田園」、イワン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管によるオール・リスト・プログラムなど、これまた面白そうな演目が並ぶ。室内アンサンブル系では、ヴァイオリンのコパチンスカヤが「バイ・バイ・ベートーヴェン」と題する演出付コンサートを企画してまたまた異彩を放つ。「ドヴォルザーク・プラハ国際音楽祭」ではネトピル=チェコ・フィルとヴァイオリンのテツラフの共演、ピアノのシフの弾き振りによるチェコ・フィルの演奏会、「ジョルジェ・エネスク音楽祭」では、ゲルギエフとマリインスキー劇場管によるショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」やストラヴィンスキー「エディプス王」といった声楽付の作品などが特に興味を引く。その他「グラーフェネック音楽祭」ではシーズン最初のウィーン・フィルの演奏会が聴けるほか、グルックの作品をフィーチャーする「グルック音楽祭」(4−5月の開催予定が9月に延期されたもの)や、ヴィオラのメンケマイヤーとヴァイオリンのイブラギモヴァという2人の異才演奏家がタッグを組んだ室内楽演奏会の並ぶ「メクレンブルク=フォアポンメルン音楽祭」、ヘレヴェッヘ=シャンゼリゼ管がストラヴィンスキーの「詩編交響曲」を採り上げる「ボン・ベートーヴェン音楽祭」など、注目音楽祭は数多い。これに予定が未発表のため言及できない「ムジークフェスト・ベルリン」、「ブレーメン音楽祭」、「ルール・トリエンナーレ」、「ユトレヒト古楽祭」、「プロムス」、「エディンバラ国際フェスティバル」(期間は8月中)などが加わるのだから、海外旅行を待ち焦がれるクラシック・ファンにはたまらない9月のヨーロッパということになろう。 なお、9月の通常公演の中では、ピション指揮の「フィデリオ」(パリのオペラ・コミーク)、指揮のマケラとソプラノのダヴィドセンが共演するパリ管、ネルソンス指揮パイロイト音楽祭管のワーグナー・コンサート(フィラルモニー・ドゥ・パリ)、英国ロイヤル・オペラの事実上の再開公演と言える「リゴレット」(パッパーノ指揮)などが要注目公演。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)2021年9月の
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