93コンサートギャラリーNew Release Selection新譜情報BooksぶらPAL海外公演情報今月の注目公演次代を担う逸材が紡ぐ、瑞々しいサウンドに触れたい。国立市で開かれる今回の「フレッシュ名曲コンサート」は、昨年開かれた第18回東京音楽コンクールのピアノ部門で、最高位の第2位とともに、聴衆賞も獲得した谷昂登(たに・あきと)のリサイタル。ベートーヴェンの第28番とリスト、2つの名ソナタをはじめ、スクリャービン「幻想曲ロ短調」、ストラヴィンスキー(アゴスティ編)「火の鳥」、ショパン「ノクターン第13番」を弾く。月の6ウィークデーコンサートシリーズ らん・らん・ランチにいい音楽 第65回 川口成彦 フォルテピアノモルゴーア・クァルテット 第51回定期演奏会 「退廃音楽展」開催!!横浜弦楽四重奏団スペシャルコンサートオーケストラ・プロジェクト 2020新しい響きの海へのいざない日本在住ウクライナ人音楽家によるヴァシル・スリパク 追悼コンサートフレッシュ名曲コンサート〔室内楽〕谷 昂登 ピアノリサイタル6/1(火)11:30 フィリアホール6/23(水)19:00 東京文化会館(小)6/4(金)19:00 神奈川県民ホール(小)6/2(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール6/27(日)18:00 神奈川/磯子公会堂6/12(土)15:00 くにたち市民芸術小ホール文:笹田和人©Shigeto Imura掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。新たなる響きの海へ身を委ねよう。歴史的文脈と未来への視座を踏まえ、毎年4人の作曲家が独自の管弦楽サウンドを追求するプロジェクト。今回は、科学者の立場から発見した、錯覚に関わる空間音響に基づく小坂直敏「ピアノ協奏曲第2番」(独奏:小坂紘未)や、松岡貴史「新しい朝に」、木下牧子「サクソフォン・コンチェルト」(独奏:田中拓也)、水野みか子「Parva naturalia」が、角田鋼亮指揮の東京交響楽団により初演される。ヴァイオリンの小笠原伸子と有馬希和子、ヴィオラ百武由紀、チェロ間瀬利雄、4人の名手たちにより、1981年に結成された「横浜弦楽四重奏団」。ベートーヴェン生誕250年を前にした2019年に“本格再始動”し、コロナ禍に負けぬ、精力的な活動を展開する。40周年を迎えての今回は、モーツァルトの最初の作品と「プロシア王」、楽聖の中期の傑作「ラズモフスキー」、3つの「第1番」に“原点回帰”の思いを託す。強制収容所で絶命したヴィクトル・ウールマン。徴兵の恐怖から精神病を患い、作風の面からも弾圧を受けたフーゴ・ディストラー。そして、ジャズの影響を受けた作品を発表し、国を追われたエルンスト・クシェネク。ナチス・ドイツによって「退廃音楽」の烙印を押され、音楽史の闇へ葬られんとした、3人の作曲家による、個性的な弦楽四重奏曲。モルゴーア・クァルテットの熱き男たちが、新たな生命を授ける。平日のお昼に、特別で素敵な“非日常”が味わえると好評のシリーズ第65回に、地元・横浜育ち、ブルージュ国際古楽コンクール最高位や第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール2位を獲得したフォルテピアノの俊英・川口成彦が登場。1890年製エラールを操り、アルベニス「スペイン組曲」やグラナドス「スペイン舞曲集」のナンバーを軸に、ファリャ、トゥリーナほかによるスペイン名曲選。情熱と憂愁の国の調べをたっぷりと。©Taira Tairadate松岡貴史木下牧子ヴァシル・スリパクは、パリ・オペラ座で活躍した、ウクライナ出身の名バリトン歌手。2014年に、ロシアによるクリミア侵攻を知り、すべてのキャリアを投げうって祖国で従軍、16年6月に戦死した。元九響首席クラリネット奏者で指揮者のタラス・デムチシン、バスのデニス・ビシュニャら日本に住む同胞や、ゆかりの音楽家による追悼コンサート。平和への祈りとともに、祖国の民謡「空の月」やビゼー〈闘牛士の歌〉ほか、故人が愛した作品で偲ぶ。タラス・デムチシン
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