eぶらあぼ 2021.6月号
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357/7(水)19:00 サントリーホール問 コンサートイマジン03-3235-3777 http://www.concert.co.jp第17回 イマジン七夕コンサート 巨星ラフマニノフラフマニノフの名協奏曲を一挙に堪能文:江藤光紀 所属アーティストがその技を競う、毎年恒例のイマジン七夕コンサート、今年はラフマニノフ祭りだ。ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば、次々と湧き上がるモダンなロマンが魅力だが、ピアニスト泣かせの難曲揃いでもある。 まず「パガニーニの主題による狂詩曲」に挑むのは、一昨年鮮烈なCDデビューを飾った若手・酒井有彩。才色兼備の酒井が、装いを変えていくテーマを華麗に描き出すことだろう。協奏曲第2番には中堅として着実なキャリアを歩みつつある岡田将が登場する。エネルギッシュ、パワフルな演奏が持ち味なだけに、曲に正面からぶつかっていくヘビー級の真剣勝負が楽しめそうだ。トリの協奏曲第3番は長老、アンリ・バルダが務める。三世代、それぞれのアプローチの違いにも着目したい。 指揮の川本貢司は日本ではまだあまり知られていないが、ドイツの劇場や東欧のオーケストラのポストを歴任7/7(水)19:00 大阪/ザ・フェニックスホール、7/9(金)19:00 愛知/電気文化会館 ザ・コンサートホール、7/11(日)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)、7/15(木)19:00 福島/いわき芸術文化交流館アリオス問 SF Music Promotion 050-6863-1369 https://sachiko-piano.deショパン ピアノリサイタル 古畑祥子 独特の感性で作曲家のパーソナリティを描き出す文:寺西 肇 「災禍にある今こそ、人間にとって文化がどれほど大事か、見直す機会では」と、ドイツを拠点に活躍するピアニスト 古畑祥子は言う。2回目となる帰国ツアーは「ショパンの愛、シューマンの愛 それを支えた女たち」と題し、2人の作曲家による佳品を軸に、ジョルジュ・サンドとクララ・シューマンの存在にスポットを当て、個性的な解釈で魅せる。 武蔵野音楽大学を卒業後に渡独し、デトモルト、デュッセルドルフの両音楽大学大学院に学んだ古畑。欧州全域で演奏やプロデュースを手掛け、2017年にはニューヨークのカーネギーホールでもデビューを飾った。 ステージでは、「別れの曲」「革命のエチュード」などショパンの傑作に、シューマン「交響的練習曲」、名ピアニストで作曲家でもあったクララの「ロベルト・シューマンの主題による変奏曲」を弾く。ショパンでは小説家だったサンドの手紙の朗読も交えながらの演奏。「2人の女性の力なしに、彼らは世に出ることができなかったかも。そんな分かち難い存在に光を当てられれば」と語る。左より:アンリ・バルダ ©Jean-Baptiste Millot/東京交響楽団 ©N.Ikegamiし、世界各地でタクトをとる実力派。東京交響楽団からどんなサウンドを引き出すのか、こちらも注目したい。ぶらあぼ公式facebookhttps://www.facebook.com/BravoClassic/

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