38軽井沢大賀ホール 2021 春の音楽祭GWは爽快な環境でクラシック音楽を満喫したい文:山田治生軽井沢大賀ホール 2021 春の音楽祭 5/2(日)~5/5(水・祝) 軽井沢大賀ホール問 軽井沢大賀ホールチケットサービス0267-31-5555 http://www.ohgahall.or.jp*各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 軽井沢の春の到来を告げる「軽井沢大賀ホール 春の音楽祭」が2年ぶりに開催される。ここではクラシック音楽の公演をメインに聴きどころをご紹介したい。 5月3日は、この音楽祭の常連というべき、軽井沢チェンバーオーケストラ。東京文化会館で毎年開かれている東京音楽コンクールの優勝者・入賞者を中心に、若き名手たちによって構成されている。今年はバロックの協奏曲でメンバーたちが名技を披露。ヴィヴァルディのヴァイオリンとチェロのための協奏曲では関朋岳(ヴァイオリン)と上村文乃(チェロ)が、バッハの2本のヴァイオリンのための協奏曲では鍵冨弦太郎と読響首席の瀧村依里が、バッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲では東京フィルのコンサートマスターである依田真宣と同オーボエ首席の荒川文吉がソロを務める。最後は、全員でドヴォルザークの弦楽セレナーデを。 続いて、5月4日は、アンドレア・バッティストーニ&東京フィルによるオール・ドヴォルザーク・プログラム。チェロ協奏曲では、ミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門優勝者であり、今最も注目されている若手チェリスト、佐藤晴真が独奏を務める。首席指揮者バッティストーニは美しい旋律に満ちた交響曲第8番で歌心溢れる演奏を聴かせてくれるだろう。 5月5日は、金管五重奏団「ズーラシアンブラス」と弦楽四重奏団「弦うさぎ」の「『音楽の絵本』親子のためのクラシックコンサート」。《ウィリアム・テル》序曲や「愛の挨拶」から『となりのトトロ』メドレーまで、親子で楽しめるコンサートである。東京オペラシティ Bビートゥーシー→C 悪あくはら原 至(パーカッション)鍵盤打楽器の表現世界をディープに探求する文:伊藤制子5/18(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 https://www.operacity.jp 打楽器の種類は膨大で、素材も奏法も多岐にわたる。そんな中で、鍵盤打楽器を中心とした果敢なプログラムで「B→C」に登場するのが、急成長中の悪原至。マリンバやヴィブラフォン以外の鍵盤打楽器はソロとして注目されることが少ないが、響きにそれぞれ個性がある。そうした鍵盤打楽器の魅力を引き出せるようなプログラムになっているという。 ふだんソロで使用される機会の少ない鍵盤打楽器を用いた作品として、チャイム独奏のためのヒンクル「フィアー・オブ・ミュージック──ボウ・ベル」と、グロッケンとクロテイルを一人で演奏するマウソン「オーラ」を選んだ。 クセナキスは悪原が国立音楽大学大学院での博士号取得の際にテーマとした作曲家で、ひときわ思い入れがある。今回は「打楽器とオーボエの織りなす音響空間が魅力」という難曲「ドマーテン」がとりあげられる。積年の研究成果の披露に注目だ(オーボエ共演:浅原由香)。 シリーズ恒例のバッハではヴィブラフォンとマリンバを使用する。「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」は、第1楽章「アダージョ」がヴィブラフォンにピッタリなので選曲したという。そして名曲中の名曲の「シャコンヌ」はマリンバ版だ。また、「電子音響を用いて鍵盤打楽器の魅力を引き出すような曲を」というリクエストで、旧知の作曲家の北爪裕道に新作委嘱。パリのIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)でも学んだ気鋭の新作は、意外性に満ちたものになるだろう。 5月7日には、バッハとクセナキスを組み合わせた新譜を発売予定。こちらも楽しみだ。佐藤晴真アンドレア・バッティストーニ ©上野隆文軽井沢チェンバーオーケストラ(2019年公演より)
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