30 例年、ゴールデンウィークの金沢を舞台に多彩なコンサートが開催される「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止になったものの、「秋の陣」として再構成された特別公演が実施された。そして、今年は例年通りの規模で開催が予定されている。音楽祭の核となる本公演は5月3日から5月5日にかけて。石川県立音楽堂と北國新聞赤羽ホールにて、短時間のプログラムを中心に40公演以上が行われる。音楽祭の今年のテーマは「南欧の風」。イタリア、スペイン、フランスで生まれた作品が主役となる。以下、ハイライトとなる公演についてご紹介しよう。 まずはオーケストラの公演から。関西から大阪フィルハーモニー交響楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団の両楽団を招き、これに石川県立音楽堂を本拠とする地元・オーケストラ・アンサンブル金沢が加わる。 なかでも注目されるのは秋山和慶指揮/大阪フィルによるレスピーギの「ローマ三部作」だろう。交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」の3曲が、それぞれラヴェルやファリャらの作品と組み合わされて、3公演にわたって演奏される[C5033、C5042、C5043]。レスピーギの色彩感豊かなオーケストレーションが聴きもの。特に「ローマの松」や「ローマの祭り」のような大規模な編成を要する楽曲は、現在のコロナ禍ではほとんど耳にする機会がなかった。久々に音の洪水に浸りたいという方も多いことだろう。 「南欧の風」がテーマとなれば、オペラも欠かせない。プッチーニの名作《蝶々夫人》ハイライトが田中祐子指揮/オーケストラ・アンサンブル金沢、腰越満美の蝶々さん、糸賀修平のピンカートンによって演奏される[C5044]。日本の長崎を舞台とした物語だけあって、数あるイタリア・オペラの傑作のなか明るく陽気な「南欧の音楽」で元気をチャージ! ガルガンチュアゴールデンウィーク期間中、金沢の街がクラシック音楽に染まる。「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2021」のテーマは「南欧の風」。イタリア、スペイン、フランスの音楽を中心に、バラエティに富んだプログラムが組まれた。文:飯尾洋一まもなく開催! 注目公演をピックアップ
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