eぶらあぼ 2021.4月号
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554/18(日)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)問 ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 https://www.bflat-mp.comDuo Uchida meets… Pancho Vladigerov Vol.2内田万海と内田久己による2台ピアノデュオコンサート日本とブルガリアをつなぐ母娘デュオによる奥深い響きの世界文:笹田和人左より:内田久己、内田万海 「パンチョ・ヴラディゲロフ」の名を聞いても、ピンとくる人は、我が国では少ないかもしれない。だが、ブルガリアにおいては最も活躍した、国民的な作曲家だ。その作品の紹介に力を注ぐ、内田万海・久己の母娘による「Duo Uchida」が、2台ピアノのための作品の、美しく奥深い響きの世界へいざなう。 13歳からベルリンに留学し、作曲やピアノを学んだヴラディゲロフ。ドイツでも創作・演奏活動を行ったが、1940年に首都ソフィアのブルガリア国立音楽院(現在、ヴラディゲロフの名を冠する)の教授に就任して祖国に腰を据え、ブルガリア現代音楽協会の創立に関わるなど、偉大な足跡を残した。 祖国の民族音楽にジャズや西欧の要素を交えた独特の、しかし耳なじみの良い作風。様々なジャンルに作品を遺したが、ピアノのための改作も多く手掛けた。今回は、晩年に手掛けた2台ピアノのための作品を特集。管弦楽版も存在する「ブルガリア組曲」など彼の自作から、有名なディニークの「ホラ・スタッカート」など、他者の作品の名編曲まで、多彩に弾き尽くす。4/5(月)19:00 東京文化会館(小) 問 ミリオンコンサート協会03-3501-5638 http://www.millionconcert.co.jp樋口紀美子 ピアノリサイタル節目の年に贈る満を持してのプログラム文:宮本 明©Studio CAC ピアノの樋口紀美子が、東京デビュー40周年とCD『J.S.バッハ:インヴェンションとシンフォニア』のリリースを記念してリサイタルを開く。2007年に帰国するまで33年間ドイツを本拠に活動した樋口にとって、初のバッハ・アルバムはまさに満を持してのリリースだ。曲目はまず収録曲から「シンフォニア」BWV787-801全曲、叔父である早世の作曲家・乾春男(1929~49)の作品を挟んでショパン「12のエチュード」op.10全曲という構成。「バッハもショパンも、全曲弾くこと、聴くことで見えてくる世界をお楽しみください。ショパンの作品10は聴いてくださる方々が元気になるような作品。叔父・乾春男の作品は、できるだけ多くの方々に聴いていただきたいと思います」と樋口。公演はストリーミング配信も。コンサート開催に大小の制約を伴う状況が依然として続いている。しかし、「新たな可能性を信じて進んでいきたい」──ピアニストは明日を見据えている。4/15(木)14:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター  03-5478-8700https://www.hakujuhall.jp第22回 二期会 ディーヴァ,ディーヴォ新星たちのフレッシュな歌声を楽しむ午後のひととき文:長井進之介秋山和哉 国際的な活躍目覚ましいオペラ歌手が集う日本最大の声楽団体「二期会」の研修所を修了した新星たちの瑞々しい歌声を楽しめるコンサートシリーズ、「二期会ディーヴァ,ディーヴォ」。出演者は全員、研修所の最上級である「マスタークラス」の修了試演会で、磨き抜かれた声と巧みな演技力によって素晴らしい成績を収めた期待の新人たちだ。 3名の出演者は実に個性的。様々なコンクールで数々の実績を重ねているソプラノの金治久美子は、柔らかな声と可憐な演技が魅力。メゾソプラノの長田惟子は、深く充実した響きの声と圧倒的な演技力で魅せる。すでに舞台経験の豊富なテノールの秋山和哉は、その経験を活かした多彩な表現の幅と、輝かしい声が武器だ。プログラムはイタリア・オペラやフランス・オペラにオペレッタなど多様な演目からの楽曲が並び、新人歌手たちの魅力を存分に味わえる。 今後大いに注目を集めることになる歌手たちのフレッシュな舞台をぜひ見届けてほしい。共演はピアノの藤川志保。長田惟子金治久美子

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