52古典四重奏団 「音楽が見える!」 第27回&第28回モーツァルト、ベートーヴェンの熟達の筆致をひもとく文:藤原 聡第27回《モーツァルトは一日にして成らず~その5》 4/28(水)第28回《ベートーヴェン後期の幕開け》 7/2(金)各日14:30 19:20 和光大学ポプリホール鶴川問 ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 https://www.bflat-mp.com※レクチャーは昼公演のみ 古典四重奏団による名シリーズ「音楽が見える!」は、演奏とともに当日のプログラムについての本質的なレクチャーが行われることもあり、“弦楽四重奏曲初心者”にも大好評である。このたびの同シリーズは比較的短いスパンで2回開催される予定で、4月28日の第27回はテーマ作曲家をモーツァルトとし、その「ハイドン四重奏曲集」(いわゆるハイドン・セット)の中から6曲中で特異とも形容されるK.464(第18番)が演奏される。表面的には極めて優美でありながら、対位法や有機的な構成の妙など、モーツァルトの作曲技巧の粋が惜しげもなく盛り込まれた本作。それゆえ熱心なファンには人気が高いが、演奏とレクチャー両面で古典四重奏団の面々がその辺りをどうフォローしてくれるのか興味は尽きない(後半はラヴェルの四重奏曲。「優美」繋がり?)。 そして、続く7月2日の第28回ではベートーヴェンが取り上げられる。いわゆる「後期」に突入した記念碑的な第12番、そしてその前には、第13番より、初演時に長大・難解と指摘された「大フーガ」の代わりに第6楽章として作曲されたフィナーレが演奏される。 クラシック・ファンの中においても弦楽四重奏曲は敷居が高くマニア向けと思われている節もあるが、このシリーズはその面白さ、奥深さをたっぷりと味わわせてくれる。なお、両コンサートとも昼夜の2回公演が行われるが、夜公演にはレクチャーがないので要注意。左より:花崎淳生、田崎瑞博、川原千真、三輪真樹 ©F.FujimotoぶらあぼONLINEにてN響メンバーの対談企画がスタート!アーティストの生の声からクラシックの新しい魅力が見えてくるNHK交響楽団 https://www.nhkso.or.jp ぶらあぼONLINE https://ebravo.jp※N響メンバーによる対談企画は3月下旬より掲載予定 知っているようで意外と知らないことが多いオーケストラのこと。リニューアルしたぶらあぼのウェブサイト「ぶらあぼONLINE」で、NHK交響楽団のメンバーによる対談企画が始まる。昨年4月、ゲスト・コンサートマスターに就任した白井圭を進行役に、各パートのメンバーたちを迎え様々な切り口でトークを展開していく。 初回は、トランペット首席の長谷川智之とティンパニ首席の久保昌一が登場。コンサートマスターは、首席奏者にどんなことを聞くのだろう? プロの音楽家はどのようなことを考えているのか? 会社でも、席が近くでよく顔は見かけていても、部署が違うとどんな仕事をしているかあまりわかっていなかったり、ましてや人となりや好みなど、知らないことが多かったりする。オーケストラの場合もそれは同じ。その人の一面や楽器の特性、各パート独特の聴きどころや苦労など多彩なエピソードが披露される。プロの音楽家同士が交わす高度な音楽的な会話、はたまた想像もしなかった庶民的な顔が見えたりと、読者のみなさんにとっても音楽家たちの新しい魅力の発見につながったり、親近感が湧いたりすることだろう。公開は3月下旬、お楽しみに!左より:長谷川智之、白井 圭、久保昌一文:編集部
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