95コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報6月の見もの・聴きもの2021年6月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリア第40回ウィーン国際音楽祭(5月23日-6月29日)[会場:コンツェルトハウス大ホール(ウィーン)他]〔注〕「プロメテウス」をテーマとして、ベートーヴェン、リスト、スクリャービン、ノーノ他の作曲家が取り上げられる予定ですが、具体的な演目は未発表です(2月3日現在)。ただし、コンツェルトハウス大ホールで6月中に開催される公演の多くは音楽祭対象公演になると思われます。ウィーン国立歌劇場6月2、6、9日 ビゼー:カルメン[21年2月プレミエ] 指/A.オロスコ=エストラーダ/A.ソディ(9日)、演出/C.ビエイト、出/M.ロジエ、D.ポポフ、S.カイダロフ6月3、8日 モンテヴェルディ:ポッペアの戴冠[21年5月プレミエ] 指/P.エラス=カサド、演出/J.ロワース、出/K.リンジー、S.ザメチュニコヴァ、X.サバタ、C.ボック、W.ホワイト、V=L.ベッカー、演奏/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス★◎6月10、14、17、21、24、28日 ヴェルディ:マクベス[プレミエ] 指/P.ジョルダン、演出/B.コスキー、出/L.サルシ、R.タリアヴィーニ、A.ネトレプコ(10/14/17/21日)/M.セラフィン、F.デ・トマソ6月12、15、18日 モーツァルト:後宮からの誘拐[20年10月プレミエ] 指/A.マナコルダ、演出/H.ノイエンフェルス、出/C.ニッケル、B.ラーエ、R.ミューレマン◎6月13、16、20日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/P.ジョルダン、演出/O.シェンク、出/M.セラフィン、A.ペーゼンドルファー、J.ホロウェイ、A.エレート、L.オルダー◎6月19、23、27、30日 ワーグナー:ローエングリン 指/C.マイスター、演出/A.ホモキ、出/ユン・クワンチュル、K.F.フォークト、S.ヤクビアク、J.ロイター◎6月22、25、29日 R.シュトラウス:エレクトラ指/F.ウェルザー=メスト、演出/H.クプファー、出/M.シュスター、A.ストゥンディーテ、C.ニールンド、J.シュナイダーウィーン・フォルクスオーパー〔注〕新型コロナウイルス感染状況の見通しが不確実のため、当面の間、公演スケジュールの表示を行わないとの措置が劇場によりなされています(2月3日現在)。そのため、今月は公演予定の記述を省略します。今後の更新情報についてはホームページ等でご確認下さい。アン・デア・ウィーン劇場〔注〕例年、Wiener Festwochenの一環として当劇場で5〜6月に開催される公演の内容は、3月18日に発表予定です。ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(SS)=シュロスパーク[シェーンブルン宮殿](ウィーン)、(AAR)=ミュージックハウス(オーフス/デンマーク)、(AAL)=ミュージックハウス(オールボー/デンマーク)、(CPH)=コンサートハウス(コペンハーゲン)]◎6月1(20:00)(AAR)、2(20:00)(AAL)、3(20:00)(CPH)日 D.ハーディング指揮 シューベルト:交響曲第3番、マーラー:交響曲第1番「巨人」◎6月11(19:30)、12(15:30)、13(11:00)、14(19:30)(KH)日 J.フルシャ指揮 スメタナ:わが祖国6月18(20:15)(SS)日 指揮・曲目/未定ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(MQ)=ハウプトホーフ[ムゼウムスクヴァルティエ](野外/ウィーン)]6月1(19:30)(KH)日 D.ジンマン指揮 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、ブルックナー:交響曲第7番 独/P.アンデルシェフスキp◎6月5(19:30)(MV)、6(19:30)(MV)日T.ネトピル指揮 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、ツェムリンスキー:抒情交響曲 独/A.ダンコヴァS、A.プラチェトカBs-Br、J.スタンクルp6月11(19:30)(KH)日 A.オロスコ=エストラーダ指揮 コルンゴルト:革命児フアレス〜序曲、ロドリーゴ:アランフェス協奏曲、リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 独/ミロシュg6月12(19:30)(KH)、13(11:00)(KH)日A.オロスコ=エストラーダ指揮 リスト:プロメテウス、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ロドリーゴ:アランフェス協奏曲、リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 独/J.ヤンセンvn、ミロシュg◎6月16(19:30)(MV)、17(19:30)(MV)、18(19:30)(MV)日 L.ヴィオッティ指揮 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、ツェムリンスキー:人魚姫 独/L.カヴァコスvn6月25(19:00)(MQ)日 A.ショハキモフ指揮曲目未定ムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)6月1(19:30)日 F.ルルー指揮トーンキュンストラー管 メシアン:忘れられた捧げ物、サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番、ブラームス:セレナード第1番 独/アリス=紗良・オットp【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 新型コロナの影響で、同じ劇場の公演内容が激変する例も少なくない。例えば、パリ・オペラ座で5月に新制作予定のチャイコフスキー「スペードの女王」は、旧演出の再演に戻り会場もガルニエ宮からバスティーユに変更、指揮者もバレンボイムからリーニフに変わった。執筆者としてはまことに頭が痛い。 さて、6月には早くも複数の音楽祭が始まるが、通常公演のキャンセルなどのため、逆にこうした音楽祭をいつもより多く紹介できるスペースができたのは何とも皮肉な話(実際に開催できるかは別問題として)。 そんな音楽祭から、まず注目は「ミュンヘン・オペラ・フェスティバル」のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」。事実上、キリル・ペトレンコがこの劇場で振る最後のワーグナー・プレミエ公演。すでに劇場のシェフの座は昨年7月に退任しているが、コロナ感染の中、不本意な形での退任となっただけに、この「トリスタン」は彼自身としても何とか実現したいところだろう。ファンの願いもまた同じ。同時期に始まる「エクサン・プロヴァンス音楽祭」の詳細は次号に掲載するが、6月中では30日から始まるヘンゲルブロック指揮のモーツァルト「フィガロの結婚」が要注目。 続いては「ライプツィヒ・バッハ音楽祭」。ベルリン古楽アカデミーやバッハ・コレギウム・ジャパンが複数の演奏会に登場するほか、閉幕演奏会は、サヴァールの指揮で「ロ短調ミサ」が演奏される。コープマンやヘレヴェッヘの演奏会もある。一方、ヘンデルの音楽祭は「ハレ・ヘンデル・フェスティバル」。こちらは、ベルリン・ラウテン・カンパニーが活躍するほか、「ブロッケス受難曲」の演出付上演という興味深い公演もある。ヴュルツブルクで行われる「モーツァルト音楽祭(フェスト)」では、ルセ指揮レ・タラン・リリク演奏の「イドメネオ」、ミンコフスキ指揮の後期3大交響曲、エマールの「幻想曲」をテーマとしたリサイタルなどが重要。その他「キッシンゲンの夏音楽祭」ではムジークバンダ・フラヌイやナガノ指揮ベルリン・ドイツ響の演奏会、「リヒャルト・シュトラウス・フェスティバル」ではユリアン・プレガルディエンのリサイタル、「フィレンツェ五月音楽祭」ではメータ指揮のオペラ(椿姫)とオーケストラ・コンサート、ダントーネ指揮のモンテヴェルディ「ウリッセの帰還」、「ラヴェンナ音楽祭」でも同じくダントーネ指揮のヘンデル「時と悟りの勝利」とムーティ、ゲルギエフの振るルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管、「ヴェローナ野外音楽祭」ではムーティ指揮の初演150年記念のヴェルディ「アイーダ」(演奏会形式)などが注目公演。 通常公演での要注目は、オペラではコスキー演出、ネトレプコ出演のヴェルディ「マクベス」(ウィーン国立歌劇場)、パッパーノが指揮するベルリン州立歌劇場のプッチーニ「西部の娘」、ロト指揮のグノー「ファウスト」(ケルン歌劇場)、ヤーコプス指揮フライブルク・バロック管演奏のウェーバー「魔弾の射手」、グート演出のプーランク「カルメル派修道女の対話」(フランクフルト歌劇場)、サヴァール指揮のモンテヴェルディ「オルフェオ」(オペラ・コミーク)、珍品オペレッタとも言うべきルコックの「アンゴ夫人の娘」(シャンゼリゼ劇場)、ボルドー国立歌劇場のミンコフスキ指揮「カルメン」、ロト指揮のベルリオーズ「ファウストの劫罰」(オランダ国立オペラ)。オーケストラでは、フルシャ=ウィーン・フィルのスメタナ「わが祖国」、ネトピルとヴィオッティ指揮のウィーン響、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンのR.シュトラウス中心の演奏会、ロト指揮のケルン・ギュルツェニヒ管やロンドン響、レ・シエクル(レ・シエクルはパリのフィラルモニー)、メッツマッハー指揮SWR響のノーノ「プロメテオ」、パスカル指揮のフランス国立放送フィル、サロネン=フィルハーモニア管といったところが興味を惹く。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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