362/6(土)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 キーノート0422-44-1165https://www.ensemble-nomad.comアンサンブル・ノマド 第71回定期演奏会 ともに生きるVol.3 ~境界の彼方~精鋭集団が描く、二人の作曲家の“肖像”文:江藤光紀©Maki Takagi アンサンブル・ノマドの今シーズンのテーマは「ともに生きる」。不透明な時代に生きることの意味を問いかけるものだ。その第3回は「境界の彼方」と題し、近藤譲とリュック・フェラーリの作品を組み合わせた。 対照的な作風の二人だが、プログラミングはまさにそんな作風の違いをコントラストとして打ち出したものとなった。近藤の旧作からはフルートとギターのための「ディシラム」(1996)、3人のマリンバ奏者のための「ラスターは彼女に帽子を渡し、そして彼とベンは裏庭を横切っていった」(1975)。各楽器の描くラインがそこはかとない戯れを繰り広げる、「線の音楽」を標榜する近藤らしい作品だ。フェラーリからは即興演奏の傑作「トートロゴス III」(1969/70)の2つのバージョンが演奏される。編成は自由、アクションと沈黙を各奏者が任意に組み合わせながら進むので、演奏ごとにまったく違う仕上がりとなる。フェラーリの任意性と近藤の禁欲的な戯れの振幅は、世界初演となる近藤の最新作「合歓」で締めくくられる。2/16(火)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227https://www.nikkei-hall.com第506回日経ミューズサロン コロンえりか ソプラノ・リサイタル多才なアーティストが紡ぐ、いのちのうた文:宮本 明 いくつもの「顔」を持つ、異色の存在のアーティスト。南米ベネズエラ生まれで、両親はベルギー人と日本人。聖心女子大学卒業後、英国王立音楽院で学んだ。ソプラノ歌手として、たとえば2020年秋シーズンの大きな話題となった野田秀樹演出の《フィガロの結婚》で、バルバリーナをちょっと妖艶に演じて鮮やかなインパクトを残す一方、エル・システマジャパンや、聴覚障がいを持つ子どもたちのための手話コーラスの活動を主導して音楽と社会をつなぐ。さらにはなんと駐日ベネズエラ大使夫人として両国の外交に貢献。私生活では4児の母でもある。 今回は「いのち」をテーマに、自然や愛を詠んだ優しい歌を歌う。ハイドン、モーツァルトからフランスのカントルーブ、イギリスのクィルター、さらには〈この道〉〈故郷〉などおなじみの日本歌曲も。彼女がライフワークとして歌い続ける〈被爆のマリアに捧げる賛歌〉は、父である作曲家エリック・コロンの作品だ。ピアノは山田武彦。西洋音楽の歴史をたどる 古楽の調べ ~中世・ルネサンス・バロック音楽~豊穣たるヨーロッパ音楽の水脈に耳をすます一夜文:朝岡 聡 いま私たちが知っている西洋音楽は、どんな風に出来上がってきたのか? それを実際の作品で体感できるのがこちらのコンサート。 中世音楽では、ラテン語による単旋律でアンブロジオ聖歌が歌われ、それがルネサンス時代に複数の声部からなるポリフォニーとなった音楽は、金管四重奏でパレストリーナのモテットで披露される…という具合に、作品にふさわしい演奏法にこだわったプログラムが楽しめる。バロック音楽の幕開けを告げるモンテヴェルディでは、声楽と器楽が一つになって、華麗なるサウンドになるだろう。 グレゴリオ聖歌や中世音楽、合唱指揮の第一人者・花井哲郎が率いる古楽アンサンブル「コントラポント」の演奏に加え、ミラノ大聖堂聖歌隊が今回のために撮影したグレゴリオ聖歌の映像も流す予定。花井自らのオルガン演奏やトークも交えて進行するので、分かりやすさも十分。 独唱、大合唱、オーケストラ…といった演奏形態とはまったく別の新世界がここに!3/9(火)19:00 板橋区立文化会館問 板橋区立文化会館チケットセンター03-3579-5666 https://www.itabun.com古楽アンサンブル コントラポント花井哲郎
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