361/14(木)19:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677https://www.proarte.jp石井啓子アンサンブルシリーズⅩⅩⅪ緻密なアンサンブルで紡ぐドイツ・プログラム文:長井進之介 ピアニストの石井啓子は、東京藝術大学大学院を修了後、ミュンヘン国立音楽大学に留学。ドイツで演奏活動後に帰国し、ソロ・リサイタルをはじめ、協奏曲のソリスト、そして室内楽奏者として、多岐にわたる活動を展開してきた。なかでも彼女の活動の核となっているのが室内楽。そして特に力を注いでいるのが1987年から毎年開催しているアンサンブルシリーズだ。多彩かつ意欲的なプログラミングと各奏者の技術の高さ、緻密に構成されたアンサンブルは各方面から高い評価を受けてきた。2019年に30回目という節目を迎え、今回は新たなスタートを切る第31回となる。演奏者には前回と同じくヴァイオリンに石井啓一郎、石突美奈、チェロに桜庭茂樹、そしてフルートに石井陽子を迎え、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲をはじめ、彼にかかわりの深いシューマンやライネッケの作品が並ぶドイツ・プログラムを奏でる。 暗い話題の続いた2020年だったが、力強く輝かしい楽曲と演奏を楽しみ、明るい年にしたい。1/26(火)13:30 高崎芸術劇場 音楽ホール問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/ポーランドの巨匠 ヤノシュ・オレイニチャク(ピアノ) ショパンからピアソラへ“ショパンの化身”がおくる絶妙なカップリング文:柴田克彦©Bruno Fidrych ピアノ好き・ショパン好きにとって待望の公演が、また実現する。ポーランドを代表するピアニストにして、現代最高のショパン弾きと賞されるヤノシュ・オレイニチャク。映画『戦場のピアニスト』におけるすべてのピアノ演奏と迫真の“手の演技”でインパクトを与え、ショパン・コンクールの常連審査員、ワルシャワの国立ショパン音楽大学教授も務める彼は、これまでの来日公演でも聴衆に圧倒的な感動を与えてきた。その演奏はデリケートなニュアンスに溢れ、各音各フレーズが自然かつ意味深い。そして何より音とハーモニーのバランスが聴きなれた演奏とは明らかに違う。“魂の響き”といわれるゆえんだ。 今回は、真の伝統を伝えるショパンの名作はもとより、生誕100年を迎えるピアソラの作品が大注目。以前の公演でもアンコールで「オブリビオン」を披露し、ショパンがピアソラに与えた影響を示唆してきたが、今回は「リベルタンゴ」等の代表曲でその真意と同作曲家の新たな魅力が伝えられる。ここはピアノ好きならずとも円熟の妙演に浸りたい。3/18(木)14:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 https://www.hakujuhall.jp第21回 二期会 ディーヴァ,ディーヴォ新人歌手の登竜門で未来のスターを探せ!文:宮本 明菅原洋平 二期会オペラ研修所の毎年の修了生から精鋭が選ばれる「二期会 ディーヴァ,ディーヴォ」。以前は午前中の開催だったが、2019年度からは午後の演奏会にリニューアル。歌手たちは、より万全のコンディションで臨めるようになった。 角南(すなみ)有紀(ソプラノ)は新人とはいってもナポリで10年以上のキャリアがあるという。演目を見ると、ソプラノの花形ともいえるレッジェーロ寄りのリリコなのだろう、フィオルディリージやアンナ・ボレーナ、ノリーナを歌う。中野亜維里(ソプラノ)はジルダや《キャンディード》のクネゴンデなど、華やかなコロラトゥーラど真ん中の選曲。愛車がハーレーダビッドソンという異色の女性歌手だ。菅原洋平(バリトン)は、《ファルスタッフ》や《ドン・パスクワーレ》など喜劇レパートリーを軸に選び、リゴレットも歌って幅広い役柄を。21年5月《セルセ》で二期会デビューが決まっている。共演はピアノの平塚洋子。中野亜維里角南有紀
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