32松永貴志Hakuju サロン・コンサート vol.7 中野翔太 & 松永貴志 & 田中拓也 初共演! 異才トリオが贈るJazzyな夜2/19(金)19:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 https://www.hakujuhall.jp中野翔太(ピアノ)& 松永貴志(ピアノ)& 田中拓也(サクソフォン)ジャンルレスな3人によるスペシャルトリオ、満を持しての初共演!取材・文:長井進之介 2021年、鮮やかなテクニックと幅広いレパートリー、音楽性を誇るピアニストの中野翔太を中心に、新たな豪華セッションが実現する。共演は国際的なジャズピアニストとしてその地位を確立している松永貴志に、ソロではもちろん、「ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット」のメンバーとしても注目されているサクソフォン奏者、田中拓也だ。クラシックとジャズを横断し、ジャンルレスな活躍を見せる3人によるスペシャルなトリオが、「Hakuju サロン・コンサート vol.7」でデビューする。 中野「私はお二人それぞれとは共演したことがあり、毎回たくさんの刺激をいただいています。松永さんとはもちろんですが、田中さんもジャズが大好きな方で、デュオでの演奏でもよくジャズの作品をプログラムに入れていたのです。一方で松永さんもクラシックの知識を貪欲に吸収し、演奏もされています。今回3人でできることになり、今からとても楽しみです」 田中「実はクラシックよりもジャズのほうが勉強し始めたのが先だったのです。楽器を習い始めた早い段階で両方のジャンルに触れていたことは今の演奏にも大きく役立っています。ジャズとクラシックでは音の出し方はもちろん、演奏する際の姿勢まで違うのですが、それぞれの魅力、楽しさがあるので、常に両方を演奏し続けていきたいです」 クラシックとジャズで演奏の仕方や音色などまったく演奏法を変えつつも、彼らの頭の中ではジャンルの違いを“隔たり”とは感じていない。つねに大好きな音楽として真っ向から取り組み、最高のパフォーマンスを繰り広げているのである。 松永「ジャズはリズムやフレージングが命ですが、中野さんはジャズにおけるその感覚の鋭さに物凄いものがあります。切り替えが鮮やかで、音色もガラッと変わります。ただ、それぞれが一番大切にしているジャンルで培ってきたものも最大限に活かして演奏しているので、新しいものも生まれてきます。今回は田中さんともご一緒できるので、きっとさらに多彩になるんじゃないかと思っていて…楽しみですね」 今回のプログラムはドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」や、中野と松永、田中と中野、それぞれのアンサンブルでもこれまで重要なレパートリーであったガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」、さらにはマイケル・ジャクソンの楽曲なども加わる。彼らだからこその華やかでバラエティに富んだ内容だ。きっと2021年の大注目公演となることであろう。すでに今後の展開にも期待せずにはいられない。水谷川優子(チェロ) & 黒田亜樹(ピアノ) BLACK SWAN ~ヴィラ=ロボスへの讃歌~自在な感性で互いに共鳴し合う盟友デュオ文:江藤光紀1/29(金)19:00 Hakuju Hall問 オーパス・ワン03-5577-2072http://opus-one.jp左:黒田亜樹 右:水谷川優子在な感性が、時を超えて共鳴したのだろう。 10月に発売された新譜『ブラック・スワン』はそんなシンパシーに裏付けられた演奏で、多作家ヴィラ=ロボスの知られざる名作を紹介したが、1月には帰国し収録曲をメインとするリサイタルを開く。大変な中での帰国になるが、彼女たちは越境のプロフェッショナルなのだから安心だ。閉じこもりがちな私たちを南米のステップで誘いだし、モダン・フレンチの芳香に包んでくれることだろう。田中拓也 ©Ayane Shindo中野翔太 ©Taira Tairadate 水谷川優子と黒田亜樹。それぞれがベルリンとミラノを拠点に、ユニークなスタイルで本場での評価を築いてきた。自分にフィットするものを、時にはジャンルを問わず探すことに貪欲で、対象を見つけるや全身全霊を傾ける姿勢が、国や地域を超えて聴き手の心を打つのだろう。 今回彼女たちが取り組むのはヴィラ=ロボス。ブラジルからフランスに学び、ラテンの感性を印象派風のモダンな書法にドッキングさせた。水谷川と黒田の、国境やジャンルを飛び越える自Interview
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