びわ湖ホール声楽アンサンブル滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、関西随一のオペラ劇場として、一流のオペラやバレエに加えコンサートも開催。また、国内外の実力派アーティストが充実したアンサンブルやソロを披露するほか、講座なども開催しています。このコーナーでは、びわ湖ホールが主催する注目の公演をご紹介します。びわ湖ホールPreviewびわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/びわ湖ホール オペラへの招待 モーツァルト:歌劇《魔笛》1/28(木)~1/31(日)各日14:00 びわ湖ホール(中ホール)びわ湖ホール声楽アンサンブル第72回定期公演 日本合唱音楽の古典Ⅴ3/27(土)14:00 びわ湖ホール(大ホール)練のオペラ指揮者。「オペラへの招待」シリーズを支える演出家・中村敬一ともども、ドイツ語圏でもっとも愛されるオペラである《魔笛》の魅力を、とことん引き出してくれるに違いない。 今回で72回を数える声楽アンサンブルの定期公演は、5回目を迎える「日本合唱音楽の古典」。びわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典の指揮で、2007年にスタートしたシリーズである。沼尻監督によれば、「自分が合唱に親しんでいた昭和の終わり頃は、日本の合唱音楽の黄金時代だった。一流の作曲家がこの分野に参入し、名曲を生み出していた。その熱気と、それを背景に生まれた作品を今の世代の人たちに伝えたいという思いで始めた」とのこと。その思いは聴衆にも伝わり、今や声楽アンサンブルの看板シリーズへと成長した。曲間に挟まれる沼尻の曲に対する説明などのトークも好評だ。 充実のプログラムには、日本人に馴染みの深い「水」を歌った髙田三郎の人気曲「水のいのち」、谷川俊太郎の名詩に三善晃が音楽をつけた「地球へのバラード」など、心に響く名曲が選ばれている。コロナ禍で緊張を強いられた心に、格別染み入るコンサートになるに違いない。文:加藤浩子 びわ湖ホールは、オペラをはじめとする「声」の作品に強みを発揮するホールとして知られる。その屋台骨となっているのが、日本の公共ホールで唯一のプロの専属声楽家集団「びわ湖ホール声楽アンサンブル」だ。今回は、彼らが活躍する公演をご紹介する。 「オペラへの招待」は、プロデュースオペラと並ぶびわ湖ホールのオリジナル・オペラ企画。大ホールで行われる大がかりなプロデュースオペラとは対照的に、中ホールを会場に、手ごろな料金で高水準の名作オペラが楽しめる人気シリーズだ。それを支えているのが、ソリストとして、また合唱として縦横無尽に活躍する声楽アンサンブルである。 1月の演目は、モーツァルトの傑作にして大人気オペラ《魔笛》。試練を越えて結ばれる男女のメルヘンを、仕掛け満載の舞台と賑やかな登場人物、そして親しみやすい旋律が彩る。王子様から鳥人間、果ては動物まで、命あるあらゆるものを幸せにする“音楽の力”がテーマなのも《魔笛》の魅力だ。日本語上演なのもとっつきやすい(しかも字幕付き)。 今回、特に目をひくのが、強力なキャスト陣。最大の目玉は、実力派ソプラノのトップランナーである森谷真理が「夜の女王」を歌うことだ。森谷はこの役でメトロポリタン歌劇場にデビューし、大成功を収めた。それがびわ湖ホールで聴けるとは嬉しい限り。男声陣も、片桐直樹や声楽アンサンブルから羽ばたいた山本康寛、迎肇聡、松森治ら旬の顔ぶれが揃っている。 指揮の阪哲朗は、ドイツの歌劇場での経験も豊富な熟中村敬一 ©Keiichi KIMURA阪 哲朗 ©Florian Hammerichモーツァルトの傑作オペラと日本の合唱音楽を満喫するびわ湖ホール オペラへの招待 《魔笛》 & びわ湖ホール声楽アンサンブル 第72回定期公演
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