103コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALの布陣が揃った。 一方、日本人指揮者については、「コロナを逆手に取って日本の若手指揮者を登用した。いきなり定期の場で勝負してもらう」と広上が語る通り、鈴木優人、沖澤のどか、原田慶太楼など、若手注目株の名がズラリと並んだ。また、ピアノの三浦謙司や務川慧悟、チェロのズラトミール・ファンなど、ソリストも著名コンクール入賞者を中心に若手が主体となっている。 そして、2022年3月の広上の常任指揮者最終公演にはマーラーの交響曲第3番を選んだ。「市民の皆さん、オーケストラのすべての方への感謝の気持ちを込めた」(広上)という長大な作品で、藤村実穂子(メゾソプラノ)をソリストに迎え、ラスト・ステージを華やかに終える(22.3/12, 3/13)。兼任している同楽団の本拠地、京都コンサートホール館長の任は引き続き務めるという。 「京響との出会いは、私の指揮者人生のなかで燦然と輝くかけがえのない宝」と感謝の言葉を述べた広上。退任を決意したのは「ひとつの時代が終わり、分岐点に差し掛かっていると感じたから」だという。今後は「このようなコロナ禍のなか、苦境に立つ日本中のオーケストラを応援する広告塔として活動し、若い音楽家を育てたい」と力強く語る姿には、これまで楽団と歩んだ歳月への充実感とともに、新たなステージへのエネルギーが満ちていた。京都市交響楽団https://www.kyoto-symphony.jp■東響が2021-2022シーズンライン ナップを発表 2021年に創立75周年を迎える東京交響楽団が新シーズンのプログラムを発表した。音楽監督ジョナサン・ノットとのコンビネーションも8シーズン目となり、ますますの充実が期待される同楽団が贈るラインナップは、もともとアニヴァーサリーを見据えて組まれた内容で、コロナウイルス流行以前に用意されたもの。声楽も導入される大型の楽曲を含む東響ならではの広がりのあるプログラムである。 シーズン開幕を告げるのは、イタリア期待のアレッサンドロ・ボナートによるチャイコフスキーの交響曲第4番と牛田智大のソロでショパンのピアノ協奏曲第2番(2021.4/10)。続いて、近年話題を集めている原田慶太楼が登場。正指揮者就任記念として、バーンスタイン「セレナード」、ショスタコーヴィチの交響曲第10番を披露し、楽団に新風を吹き込む(4/17)。 御大ノットはアダムス「ザ・チェアマンダンス」(歌劇《中国のニクソン》より)とマーラー「巨人」(5/8, 5/9)、ピエール=ロラン・エマールを迎えて、バルトークのピアノ協奏曲第1番とブラームスの交響曲第2番の組み合わせ(5/15, 5/16)。さらにデュティユーの交響曲第1番とモーツァルトのレクイエム(10/22, 10/24)、ニコラ・アンゲリッシュとの共演でブラームスのピアノ協奏曲第2番とルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲(12/4, 12/5)など、古典派から現代作品まで多彩なレパートリーを携えて活躍する。 客演では、ベルトラン・ド・ビリーがグザヴィエ・ドゥ・メストレとライネッケのハープ協奏曲ほか(6/26, 6/27)、クシシュトフ・ウルバンスキはオルフ「カルミナ・ブラーナ」(11/13, 11/14)、ピエール・ブリューズがサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」を指揮する(2022.1/22)など注目公演も多い。東京交響楽団https://tokyosymphony.jp■新日本フィルが世界初のマルチアン グル配信をスタート 新日本フィルハーモニー交響楽団は、文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」の支援を受け、オーケストラとして世界初となるマルチアングル配信を行うことを発表した。 ホール内に7台の通常撮影カメラに加え29台のiPhoneカメラを設置し、30アングル以上の多視点から同楽団のコンサートを撮影。マルチアングル・自由視点映像の配信・再生を実現するシステム「SwipeVideo」を利用し、事前収録された映像を、2021年1月3日に配信サイト「Thumva」を通じて配信する。音声も352.8KHz/24bitと高音質で、視聴者は、さまざまなアングルに視点を切り替えながら映像を楽しむことができる。オーケストラ音楽の新しい楽しみ方として、5G回線の普及に伴う今後のさらなる技術革新の展開が注目される。新日本フィルハーモニー交響楽団https://www.njp.or.jp■~座間歌曲祭2021~第5回日本歌曲 コンクール出場者募集 座間市スポーツ・文化振興財団と神奈川新聞社の主催により、3月に開かれる「第5回日本歌曲コンクール」の応募要項が発表された。声楽を通じての日本歌曲の普及と発展を目的とし、プロ・アマ問わず応募できるユニークなコンクール。2020年4月に開催予定だった第4回は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となったが、「座間市から発信する文化芸術を絶やさずにいたい」と、第5回の開催が決定された。 第1次、第2次予選を経て、本選(公開審査/入場無料)は3月19日、ハーモニーホール座間で行われる。課題曲は、瀧廉太郎、平井康三郎らの代表的な歌曲で、第2次予選では山田耕筰の作品より任意の1曲
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