eぶらあぼ 2021.1月号
105/169

102が、現状、メンバーの全員が陰性で健康、日本の皆さまにも危険を及ぼすようなこともなかった。今後の良い指針になる証ができた」と手応えを感じた様子。 堤は、「『ウィーン・フィルが来て本当によかった。とても嬉しい。ありがとう』と多くの方からメッセージをもらった」と実感を込めて語った。そして折井は「with コロナの新しいコンサートスタイルは、お客様と演奏者とホールとが協力して作り上げていくことが大切だと実感した。今回の大きな経験を糧にしてより良いコンサートの在り方を追求し、これからも素晴らしい音楽をお届けしていきたい」と公演を振り返った。サントリーホールhttps://www.suntory.co.jp/suntoryhall/■京響2021年度シーズンラインナップ 記者発表会 京都市交響楽団が、11月20日に記者発表会を行い、常任指揮者兼芸術顧問の広上淳一らが登壇。2021年度のラインナップを発表した。また、14年にわたり常任指揮者を務める広上が、来季をもって退任することが併せて発表された。 シーズンは、広上がタクトを執るスプリング・コンサートで開幕する。ロシア・プロを組んだが、小曽根真がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を初披露するとあって、話題を呼ぶのは必至(2021.4/11)。広上は、このほか定期演奏会では、尾高惇忠のヴァイオリン協奏曲の世界初演(独奏:米元響子)を含むプロ(6/25)、第九コンサート(12/26)などの特別演奏会に登場する。海外組は、首席客演指揮者就任披露演奏会が延期になっていたジョン・アクセルロッドのほか、パスカル・ロフェ、クリスティアン・アルミンクら充実■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団  記者会見 2020年11月5日から始まった「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2020」が14日の東京公演をもって幕を閉じた。コンサート直後の同日夕刻から、サントリーホール ブルーローズにて、全日程を終えての記者会見が開かれた。登壇者は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団より楽団長のダニエル・フロシャウアーと事務局長のミヒャエル・ブラーデラー、招聘元のサントリーホールから、同ホールの館長でソリストとして共演した堤剛、総支配人の折井雅子の4名。 今回は、チャーター機で来日し、入国時にウイルス検査。滞在中は、新幹線の車両を貸切で移動、宿泊施設とコンサートホールの移動以外は一切の外出ができないなど、ウィーン・フィルの楽員には厳しい制限が課された。しかし、披露した演奏やステージでの彼らの姿は、そのような困難な環境を微塵も感じさせないほど伸びやかで堂々としたものだった。 会見で、まずフロシャウアーは「今回来日できたのは、オーストリアのクルツ首相、菅首相、両国の大使、外務省のおかげ。感謝します。実現できたのは両国の大きな勇気の賜物。ブラボーの声を実際に聞くことはできなかったけれど、音楽を愛している人々の気持ちは十分感じることができました」と語った。また、2021年のニューイヤーコンサートについて、「100%やるつもりでいる」とも述べた。 一方、ツアーを終えたブラーデラーも「これから他のオーケストラでも公演を開催する勇気をもてるような道筋を示すことができた。これは大きな挑戦だった左より:中濵正晃(京都市交響楽団 管理部長)、近藤保博(同 エグゼクティブプロデューサー)、広上淳一、上野喜浩(同 演奏事業部長) 写真提供:京都市交響楽団左より:折井雅子、堤 剛、ダニエル・フロシャウアー、ミヒャエル・ブラーデラーPhoto:M.Suzuki/Tokyo MDE

元のページ  ../index.html#105

このブックを見る