eぶらあぼ 2020.11月号
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41ゲルハルト・オピッツ ピアノ・リサイタル記念年の締めくくりに、ドイツ・ピアノ正統派の巨匠による楽聖の調べを文:高坂はる香12/11(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp他公演11/22(日) 小金井 宮地楽器ホール(完売)11/23(月・祝) アルカスSASEBO(0956-42-1111)12/8(火) フィリアホール(045-982-9999) 10/18(日)発売12/19(土) 霧島国際音楽ホール(0995-78-8000)12/20(日) 岡崎市シビックセンター(完売) 他※公演によりプログラムは異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 ベートーヴェン生誕250年の締めくくりとなる年末、ドイツ・ピアノの正統派として知られるゲルハルト・オピッツが、ベートーヴェンのソナタを弾くリサイタル・ツアーを行う。なかでも東京公演で演奏するのは、最後の3つのソナタ。人類が困難に直面している今、ベートーヴェンが32のピアノ・ソナタで登りつめた崇高な音楽世界を通じ、「苦悩の先に見出した愛と光」を感じてほしい。そんな想いの込められた演奏会だ。 ソナタに加えて演奏されるのは「6つのバガテル」op.126。第32番のソナタよりもあとに書かれた、ベートーヴェン最後のピアノ曲でもある。大きなソナタとはまた違った側面から、作曲家が晩年にたどり着いた境地を聴くことができる。 1953年、西ドイツのバイエルンに生まれたオピッツは、ヴィルヘルム・ケンプをはじめとする師から受け継いだピアニズムとともに、ベートーヴェンらしさとは何かを追求しつづける貴重な存在だ。若き日には幅広いレパートリーを勉強し、ドイツもの以外を演奏することにももちろん喜びを感じるが、結局は「ベートーヴェンとつながる系譜の音楽が心にとても近いと感じ、人生において大切な存在に思える」と話す。 近年は、シューベルトやシューマンにまつわるプログラムに取り組んでいたが、記念年の今年、再びベートーヴェンに戻り、それも後期三大ソナタに向き合う。オピッツはそこに何を見出し、それを私たちとどのように分かち合ってくれるのだろうか。©HT/PCMJAPAN LIVE YELL project さいたまアート・フェスタ ファミリー・コンサートHello! オーケストラオンラインでも楽しめる! オーケストラの魅力を味わうファミリー・コンサート文:林 昌英11/23(月・祝)13:30 17:00 埼玉会館問 SAFチケットセンター0570-064-939 https://www.saf.or.jp https://tiget.net(配信) この秋、埼玉県でライブアートイベント「さいたまアート・フェスタ」が開幕する。様々なライブアートの中、埼玉会館にはオーケストラが登場して、音楽で華やかな彩りを添えてくれる。しかも、4歳から入場できる約1時間のファミリー・コンサートが、同日2回開催されるので、都合に合わせて、気軽にオーケストラの魅力を味わえる趣向になっている。 今回は、日本やドイツでの活躍著しい石川星太郎の指揮、緊急事態宣言の時期にリモート合奏の「パプリカ」「さんぽ」などが話題になった新日本フィルハーモニー交響楽団の出演。迫力ある生演奏を楽しめる。普段オーケストラに親しんでいない方でも、イベントのMCや歌のお姉さんとしてお馴染みの岩崎瑞穂の案内があるのでご安心を。 曲目は、ベートーヴェン「運命」第1楽章といった本格的なクラシック作品のほか、映画『スター・ウォーズ』より「メイン・タイトル」や、思わず笑顔になるようなジブリ映画『となりのトトロ』より「さんぽ」「風の通り道」など、誰にとっても楽しいプログラムが用意されている。 また、様々な事情でなかなか外出しにくい人のために、13時30分開演の昼公演がライブ配信されることになり、オンライン鑑賞も可能になった(期間限定でアーカイブ配信もあり)。家でも十分に楽しめる高品質な配信で、その臨場感には驚かされるはず。会場でも家でもオーケストラのサウンドに触れられるこの機会、芸術の秋を堪能してはいかがだろうか。石川星太郎

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