eぶらあぼ 2020.11月号
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1182月の見もの・聴きもの2021年2月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場2月3、5日 モーツァルト:フィガロの結婚 指/P.ジョルダン、演出/J=P.ポネル、出/A.シューエン、F.ロンバルディ、L.オルダー2月4、7、14日 プッチーニ:トスカ 指/P.G.モランディ、演出/M.ヴァルマン、出/S.ヨンチェヴァ、R.アラーニャ、A.マルコフ★◎2月6、17、20、23、26日 ビゼー:カルメン[プレミエ] 指/A.オロスコ=エストラーダ、演出/C.ビエイト、出/A.ラチヴェリシュヴィリ、C.カストロノヴォ、E.シュロット/S.カイダロフ(26日)2月18、21日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/G.カプアーノ、演出/O.シェンク、出/R.フェオラ、F.アントゥン、C.ウンターライナー◎2月19、22、25、28日 ロッシーニ:チェネレントラ 指/G.カプアーノ、演出/S=E.ベヒトルフ、出/E.ロチャ、V.プリアンテ、R.ジローラミ、M.クレバッサウィーン・フォルクスオーパー2月1(19:00)、6(19:00)、9(19:00)日 R.ロジャーズ:サウンド・オブ・ミュージック(ミュージカル) 演出/R.ドゥセ2月2(19:00)日 モーツァルト:魔笛[20年10月プレミエ] 演出/H.メイスン2月3(19:00)、8(19:00)、11(19:00)、19(19:00)、22(19:00)、25(19:00)、28(16:30)日カールマン:チャールダーシュの女王 演出/P.ルント2月4(19:00)日 F.ロウ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル2月7(16:30)、10(19:30)、21(19:00)、26(19:30)日 M.リー:ラ・マンチャの男(ミュージカル) 演出/O.タンボジ2月13(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり新校訂演出/H.ツェドニク2月14(18:00)、18(19:00)、20(19:00)、24(19:00)、27(19:00)日 プッチーニ:トゥーランドット 演出/R.ドゥセアン・デア・ウィーン劇場★◎2月16(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、27(19:00)日ドニゼッティ:ベリザリオ[プレミエ] 指/O.リーニフ、演出/N.ロウェリー、出/R.フロンターリ、C.レミージョ、I.ジティンスカ、P.ファナーレ、S.チェルニー、R.トロスト、V.ペトラエワ、演奏/ウィーン放送響◎2月19(19:00)日 サリエリ:アルミーダ(演奏会形式) 指/C.ルセ、出/A.エル=ハシェム、T.イェルヴォリーノ、F.ヴァリケット、A.リッチズ、演奏/レ・タラン・リリク◎2月26(19:00)日 M.クレ-ラー/A.シェット:Himmelerde(天国の地)(仮面劇/シューベルト、シューマン、マーラー、ウェーベルン他の作品による) 指/A.シェット、演出/M.フォーゲル、出/N.ヒレブラント、F.ベッシュ、演奏/ムジークバンダ・フラウニウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(NY)=カーネギー・ホール(ニューヨーク)]2月19(10:00)(公開リハーサル)、20(15:30)、21(11:00)、27(20:00)(NY)日 G.ドゥダメル指揮 リムスキー=コルサコフ:シェエラザード、チャイコフスキー:交響曲第5番2月19(19:30)(KH)、22(19:30)、26(20:00)(NY)日 G.ドゥダメル指揮 シューベルト:交響曲第5番、ラヴェル:スペイン狂詩曲、マ・メール・ロワ(組曲)、ストラヴィンスキー:火の鳥(1910年版)2月23(19:30)、28(14:00)(NY)日 G.ドゥダメル指揮 ハイドン:交響曲第59番「火事」、プロコフィエフ:古典交響曲、交響曲第5番ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)]2月10(19:30)(MV)、11(19:30)(MV)、12(19:30)(MV)日 A.オロスコ=エストラーダ指揮 ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、マーラー:交響曲第4番 独/H.ハーンvn、G.キューマイヤーS2月15(19:30)(KH)、16(19:30)(KH)日A.オロスコ=エストラーダ指揮 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、R.シュトラウス:ドン・ファン、ばらの騎士(組曲) 独/H.ハーンvn2月20(19:00)(KH)、21(11:00)(KH)日S.マルッキ指揮 D.アンマン:ザ・ピアノ・コンチェルト(グラン・トッカータ)、ムソルグスキー(ラヴェル編曲):展覧会の絵 独/A.ヘフリガーp2月24(19:30)(MV)、25(19:30)(MV)日A.オロスコ=エストラーダ指揮 ウェーバー:オベロン〜序曲、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン:交響曲第7番 独/A.シュタインバッハーvnムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)2月7(19:30)日 J.ラクリン指揮ロシア・ナショナル・ユース響 グリンカ:ルスランとリュドミラ〜序曲、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、交響曲第5番 独/D.マツーエフp2月10(19:30)、11(19:30)、12(19:30)、24(19:30)、25(19:30)日 A.オロスコ=エストラーダ指揮ウィーン響 → 〔ウィーン響〕参照【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 最新の話題として、来年のバイロイト音楽祭の「さまよえるオランダ人」プレミエに、同音楽祭史上初の女性指揮者の起用が発表されたが、その指揮者オクサナ・リーニフが2月のアン・デア・ウィーン劇場で振るドニゼッティ「ベリザリオ」はこの話題がなくても注目公演。同劇場でルセの振るサリエリ「アルミーダ」も同じく要注目。この演目はフィラルモニー・ドゥ・パリでも上演される。なお、バイロイト音楽祭初の女性指揮者ではと噂されていたヨアナ・マルヴィッツは、奇遇にもワーグナーの「さまよえるオランダ人」をオランダ国立オペラで振る。ちなみに来年のバイロイトの「オランダ人」でゼンタを歌う予定のアスミク・グリゴリアン(2018年ザルツブルク音楽祭の「サロメ」役で一躍ブレイク)はウィーンのコンツェルトハウスで声楽コンサートを行う。 コロナ感染のおかげで、指揮者のキリル・ペトレンコは、音楽監督であったバイエルン州立歌劇場の最後のシーズン(2020年7月まで)で、観客を前にした公演は事実上何もできないまま任期満了を迎えてしまった。だが、客演指揮者として2月には同劇場の指揮台に再登場する。まずはオーケストラ・コンサートとしてマーラーの交響曲第9番を指揮。この演奏を生で聴けるドイツ人をうらやましく思う日本のペトレンコ・ファンも少なくないだろう。なお、ペトレンコは現在の常任ポストであるベルリン・フィルではヴァイルの交響曲第1番やストラヴィンスキーの「エディプス王」など、何とも玄人好みの渋いプロを演奏。同オケにはティーレマンも登場してリストの「ダンテ交響曲」を振る。これも要注目公演。彼はドレスデンのゼンパーオーパーでは1月からワーグナー「リング」ツィクルスを公演中だが、このチケットは早々に売れ切れている。 ベルリン・フィルの“前シェフ”、ラトルの活躍も見逃せない。ベルリン州立歌劇場でヤナーチェク「イェヌーファ」(ミキエレット演出)のプレミエを出した後、同劇場のオケ(シュターツカペレ・ベルリン)でマーラーの交響曲第9番を演奏する。期せずしてペトレンコとのマーラー9番対決(?)が実現する。その他、オーケストラ関係では、ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のブルックナー・プロ、ビシュコフ指揮チェコ・フィル、クルレンツィス指揮ムジカエテルナのヨーロッパ・ツアー、ハンブルク(ライスハレ)でのカンブルラン指揮ハンブルク響の一連の演奏会(アルゲリッチも登場)、メッツマッハー指揮のベルリン・ドイツ響やオランダ放送フィル(後者の会場はハンブルクのエルプフィルハーモニー)、ヘレヴェッヘ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのバッハ「ロ短調ミサ」、ロト指揮ロンドン響とイザベル・ファウスト(ヴァイオリン)の共演、バンベルク響でのフルシャと内田光子の共演、ナガノ指揮コンチェルト・ケルンのブルックナー(ケルンのフィルハーモニー)などが特に注目公演。古楽系では、ヘンゲルブロック指揮バルタザール・ノイマン・アンサンブルのブラームス「ドイツ・レクイエム」、リセウ大劇場でラモー「プラテー」を上演するクリスティ、同劇場のオケを振るミンコフスキなど。先月号で紹介できなかったが、クリスティが1月にパリ・オペラ・コミークで振るモンドンヴィル「ティトンとオロール」も貴重な公演。オペラ関係では、ムーティが「ドン・ジョヴァンニ」プレミエを振るナポリ・サンカルロ劇場、クレバッサ出演のウィーン国立歌劇場の「チェネレントラ」やベルリン州立歌劇場の「セビリアの理髪師」、パリ管とフィルハーモニア管でサロネンの振るR.シュトラウス「エレクトラ」(演奏会形式)、ストヤノヴァやカウフマンが出演するパリ・オペラ座などが注目公演。フランス国立管や国立放送フィルなども参加する現代音楽祭「フェスティバル・プレサンス2021」にも興味を引かれる。  (曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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