eぶらあぼ 2020.11月号
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110CDCDCDLOVE CHANGES EVERYTHING/IL DEVUアンソロジー/小林美樹ショパン ラフマニノフ ブーレーズ/務川慧悟ひとすじに/松本美和子いずみたく(萩森英明編):夜明けのうた/さだまさし(萩森編):いのちの理由/中島みゆき(信長貴富編):糸/木下牧子:鷗/信長貴富:夕焼け/三木たかし(内門卓也編):アンパンマンのマーチ/アンドルー・ロイド=ウェバー(萩森編):ラヴ・チェンジズ・エブリシング 他望月哲也 大槻孝志(以上テノール) 青山貴(バリトン) 山下浩司(バスバリトン) 河原忠之(ピアノ)シューマン(アウアー編):「ミルテの花」より〈献呈〉/サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ/ブラームス(ハイフェッツ編):「5つの歌曲」より第1番〈歌が導くように〉/ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ/武満徹(森山智宏編):「武満徹SONGS」より/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」より第2楽章 他小林美樹(ヴァイオリン/ピアノ) 福田進一(ギター) 坂野伊都子(ピアノ)ショパン:ボレロ、バラード第1番、ノクターン第18番ラフマニノフ:楽興の時ブーレーズ:アンシーズ(2001年版)務川慧悟(ピアノ)サルティ:いとしい女(ひと)から遠く離れて/トスティ:あなたと一緒に!/モーツァルト:ラウラに寄す夕べの想い/R.シューマン:「リーダークライス」より〈間奏曲〉/山田耕筰:からたちの花 Ⅱ/畑中良輔:「八木重吉による五つの歌」より/フォーレ:月の光、夢のあとに/プーランク:「アラゴンの2つの詩」より〈セー〉 他松本美和子(ソプラノ)椎野伸一(ピアノ)日本コロムビアCOCQ-85504 ¥3000+税ソニー・ミュージックダイレクトMHCC-30007 ¥2454+税コジマ録音ALCD-7253 ¥2800+税日本アコースティックレコーズNARD-5073 ¥2800+税日本を代表するオペラ歌手、ピアニストによるユニット「IL DEVU」。それぞれの声、ピアノの音色が魅力的であることに加え、それらが重なることによって生み出される音は、迫力や輝かしさはもちろん、どこまでも優しく包みこんでくれるようなあたたかさも感じさせてくれる。彼らの演奏は、常に言葉への深い愛情に満ちている。その想いは表題曲の「ラヴ・チェンジズ・エブリシング」をはじめとする収録曲のすべてに込められ、美しい発音はもちろん、紡ぎ出される音の色彩の微細な変化にもよく表れている。言葉はもちろん、ピアノも非常に雄弁なアンサンブルは聴く者の心を強く打つはずだ。(長井進之介)「作品へ生命を吹き込むのに大切なのは、“自分は歌っている”と想像すること」。2011年にヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで2位入賞、幅広い活躍を続ける小林美樹は綴る。“歌”と“踊り”をテーマに、古今東西の名旋律を集めた当盤。剛柔を巧みに操り、凛とした空気感を創出する「序奏とロンド・カプリチオーソ」、旋律の向こうに言葉を感じさせる武満徹の「SONGS」…変幻自在のプレイに、かつての“天才少女”の円熟を知る。ピアノ坂野伊都子、ギター福田進一のサポートはしなやか。小林が“ピアノ独奏”で添えた楽聖の「悲愴」の緩徐楽章も心地よい余韻をもたらす。(寺西 肇)2019年ロン=ティボー=クレスパン国際音楽コンクール第2位受賞で注目を集めた精鋭の国内初のソロ・アルバム。まずは、ショパンに始まり、彼の影響が顕著なラフマニノフの作品を経てブーレーズの21世紀作品に至る選曲&構成が光っている。演奏自体も隅々まで考え抜かれた表現がなされ、それでいて流れはごく自然。本作の中では有名なショパンのバラード第1番の構築や語り口はその好例だ。しかも全体の起伏が見事に描かれており、通して聴くと1つの作品であるかのような感触も得られる。奏者自身の解説を含むすべてが示唆に富んだ、要注目のディスク。(柴田克彦)1972年ローマ国立歌劇場デビュー以降、世界各国の主要オペラ劇場に出演。日本ではトスティ歌曲の第一人者としても知られ、現在は次世代の育成にも全力で取り組む大輪のソプラノによる喜寿記念盤。円熟を極めた彼女が無理のない発声で歌い上げる5ヵ国語もの歌曲は圧巻。古典歌曲に始まりモーツァルト、シューマンときて、白秋&耕筰の〈からたちの花〉ではよく知られた初代ではなく第2の方をとりあげ、楚々とした魅力を私たちに再発見させてくれる。後半のフォーレやプーランクの難曲も美しい。これまでのキャリアを振り返るライナーの鼎談も読み応えあり。(東端哲也)CD

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