eぶらあぼ 2020.10月号
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130理知的な指揮で感動的な音楽を創出する名匠・高関健が、オーケストラ・アンサンブル金沢の「マイスター・シリーズ」に登壇。モーツァルト「交響曲第40番」とシューベルト「イタリア風序曲第1番」の魅力の真髄へ迫る。さらに、ロン=ティボーとエリーザベト、2つの難関コンクールで2位入賞を果たした俊英・成田達輝が、ソリストとして初登場。プロコフィエフの難曲「ヴァイオリン協奏曲第2番」で鮮烈な響きを紡ぐ。月の10オーケストラ・アンサンブル金沢第433回定期 マイスター・シリーズ東京六人組古畑祥子 ショパン ピアノコンサートDuo Uchida Recital 内田万海と内田久己による2台ピアノデュオコンサート日本歌曲協会第十五回記念 邦楽器とともに越智由美子(ピアノ)10/3(土)14:00 石川県立音楽堂 コンサートホール10/18(日)15:00 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール10/8(木)18:00 カワイ名古屋コンサートサロン「ブーレ」 10/12(月)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小) 他10/7(水)18:00 すみだトリフォニーホール(小)10/29(木)13:40 東京文化会館(小)10/11(日)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール文:笹田和人「今こそ、人々の心が音楽を欲している時。人間にとって、文化がどれほど大事か。見直せる機会では……」。ドイツを拠点に活躍するピアニストの古畑祥子は言う。初の本格的な帰国リサイタルは「災禍にある今、求められている旋律」と彼女が断言するオール・ショパンで。「幻想即興曲」や「英雄ポロネーズ」を軸に、ノクターンやワルツ、エチュードなど、欧米で高い評価を受けている、個性的な解釈で聴かせる。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、公演やイベントの延期・中止が相次いでおります。掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。高関 健 ©佐藤雅英成田達輝 ©Marco Borggreve東京藝大を卒業後、ポーランドやフランスの夏季セミナーでも研鑽を積み、ソリストとして活躍する一方、後進の指導にも注力してきた実力派ピアニスト、越智由美子。2年前に活動を再開し、久しぶりとなるリサイタルは、モーツァルト最後の「ソナタ ニ長調」K.576とショパン「24のプレリュード」を大枠に。ラフマニノフ編曲によるバッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番」からプレリュード、同じくクライスラーの小品など、心を込めて弾く。©Masako Uchida「アンサンブルの喜びを伝えたい」と、上野由恵(フルート)ら気鋭のソリストや、NHK交響楽団の福川伸陽(ホルン)ら在京楽団で首席奏者を務める気鋭の若手が集結し、独創的かつ先鋭的な活動を展開する「東京六人組」。今回は、彼らのために委嘱編曲されたラヴェル「ラ・ヴァルス」をはじめ、ダンディ「サラバンドとメヌエット」、プーランク「六重奏曲」ほか、近代フランスの色彩感に満ちた佳品で魅せる。詩人と作曲家、演奏家が一体となり、日本人の心を表現する邦楽器と西洋音楽の唱法との融合から、新たな歌曲の創造を目指すシリーズ「邦楽器とともに」。15回目は、誕生から100年となる低音楽器「十七絃」がテーマに。「落葉の踊り」や沢井一恵の新解釈「六段」を軸に、詩人の和合亮一や作曲の新実徳英らによる6つの新作歌曲が配され、メゾソプラノの青山恵子、箏の下野戸亜弓ら実力派奏者により披露される。“阿吽の呼吸”と、温かな音色を体感したい。共にジャズ・ヴォーカリストとしての顔も持つ、内田万海・久己の母娘による「Duo Uchida」。今回は「コロナ禍に足をお運びくださるお客様への感謝の気持ちを込めて、無料での開催を決めた」という。4手連弾も得意とする2人だが、2台ピアノのためのアレンスキーとラフマニノフ、それぞれの組曲第1、2番を披露。ロマンティシズム溢れる調べに、未来への希望を見出す。

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