eぶらあぼ 2020.09月号
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9412月の見もの・聴きもの2020年12月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場12月2、5、8日 プッチーニ:ラ・ボエーム 指/キム・ウンソン、演出/F.ゼフィレッリ、出/A.アヤン、R.マンタシアン12月3、6、10日 マスネ:ウェルテル 指/B.ド・ビリー、演出/A.シェルバン、出/P.ベチャワ、D.ファリー12月11、14、17、20日 プッチーニ:トスカ 指/B.ド・ビリー、演出/M.ヴァルマン、出/A.ネトレプコ/S.ヘルナンデス(20日)、Y.エイヴァゾフ、W.コッホ★◎12月13、15、18、21日 ヘンツェ:裏切られた海[プレミエ] 指/S.ヤング、演出/J.ヴィーラー、S.モラビト、出/V=L.ベッカー、J.ロヴェル、B.スコウフス◎12月16、19、22、25日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/P.ジョルダン、演出/O.シェンク、出/K.ストヤノヴァ、G.グロイスベック、D.シンドラム、P.ベチャワ12月26、27、28、30日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/C.マイスター、演出/A.ノーブル12月31(昼夜2公演)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 指/C.マイスター、演出/O.シェンク、出/L.エイキン/C.ニールント(夜)、D.ファリー/R.ミューレマン(夜)、他ウィーン・フォルクスオーパー12月1(19:00)、6(19:00)、8(19:00)、17(19:00)、26(19:00)、30(19:00)日 J.カンダー:キャバレー(ミュージカル) 演出/G.メーメルト12月3(19:00)、9(19:00)日 モーツァルト:魔笛[20年10月プレミエ] 演出/H.メイスン12月4(19:30)、7(19:00)、12(19:00)日 C.コールマン:スウィート・チャリティー(ミュージカル) 演出/J.フォン・マツシュカ★◎12月5(19:00)、10(19:00)、13(16:30)、19(19:00)日 スッペ:地上の悪魔[プレミエ] 指/A.エシュヴェ、演出/H.ホルストコッテ12月14(19:00)、18(19:00)、31(13:30+19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 新校訂演出/H.ツェドニク12月23(18:00)、25(17:00)、27(17:00)日フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ12月22(19:00)、28(19:00)日 F.ロウ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル12月29(19:00)日 ベナツキー:姉さんとぼく演出/R.マイヤーアン・デア・ウィーン劇場◎12月14(19:00)、16(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、29(19:00)、31(19:00)日ラモー:プラテー 指/W.クリスティ、演出/R.カーセン、出/M.ベークマン、J.ドゥ・ビク、C.オーヴィティ、M.ムイヨン、E.クロスリー=マーサー、演奏/レザール・フロリサン◎12月17(19:00)日 R.キング指揮キングス・コンソート ヘンデル:メサイア 独/C.サンプソンS、他ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(ROM)=サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(ローマ)]◎12月1(19:30)(KH)、3(19:30)(ROM)日C.ティーレマン指揮 ウェーバー:ファゴット協奏曲(1日のみ)、ブルックナー:交響曲第3番(第2稿・1877年) 独/S.デルヴォーfg◎12月10(19:30)、11(19:30)、12(15:30)、13(11:00)、14(19:30)(KH)日 Z.メータ指揮 ウェーベルン:パッサカリア、管弦楽のための6つの小品、ベルク:ヴォツェック〜3つの断章、R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき 独/C.ニールントS◎12月30(11:00)、31(19:30)日 R.ムーティ指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日)) J.シュトラウス・ファミリー他の音楽ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(HAM)=エルプフィルハーモニー(ハンブルク)、(MUC)=フィルハーモニー[ガスタイク](ミュンヘン)、(DUS)=トーンハレ(デュッセルドルフ)、(KOL)=フィルハーモニー(ケルン)、(HAJ)=ハノーファー・コングレス・ツェントルム(ハノーファー)]12月1(20:00)(HAM)、2(20:00)(MUC)、3(20:00)(DUS)、5(20:00)(KOL)、6(19:30)(HAJ)日 A.オロスコ=エストラーダ指揮ベートーヴェン:プロメテウスの創造物〜序曲、ピアノ協奏曲第4番、交響曲第5番「運命」独/B.ラナp12月11(19:00)(KH)、13(11:00)(KH)日A.マルコン指揮 ヘンデル:メサイア 独/J.レジネーヴァS、I.デイヴィスCT、B.ヒュレットT、A.ヴォルフBs12月16(19:30)(MV)、17(19:30)(MV)日L.シャニ指揮 モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番、ブルックナー:交響曲第5番(1878年稿)独/F.ピエモンテージp◎12月21(19:30)(KH)、22(19:00)(KH)日L.シャニ指揮 P.ベン=ハイム:交響曲第1番、ラヴェル:ピアノ協奏曲、ドビュッシー:海独/M.アルゲリッチp12月30(20:00)(KH)、31(19:00)(KH)日M.ホーネック指揮(年越しコンサート) ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 独/S.サトゥロヴァS、M.H.ラインホルトMs、M.シュミットT、T.ナズミBs-Br【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 ヨーロッパへの出国規制は今のところ解除の見通しが立たないが、もしも年末年始の旅行が可能であったとしたら、今年の大晦日にまずお薦めすべきは、ミンコフスキがNDRエルプフィルを振るジルヴェスター・コンサートであったろう。オッフェンバック「地獄のオルフェ(天国と地獄)」をセミ・ステージ形式で上演するもので、これぞ大晦日の大盛り上がりにふさわしい。そのミンコフスキは、12月半ばには手兵のレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルと共にバッハの「クリスマス・オラトリオ」の演奏も行う(13日ウィーンのコンツェルトハウス)。同じウィーンでは、14日からアン・デア・ウィーン劇場でクリスティがこちらも手兵のレザール・フロリサンを率いてラモーの「プラテー」を上演する。これも注目公演。 ウィーン国立歌劇場の大晦日は例によってJ.シュトラウスの「こうもり」だが、今シーズンより音楽監督となるP.ジョルダンではなく、C.マイスターがピットに入るというのはちょっと意外。ジョルダンは、その直前にストヤノヴァのマルシャリンで上演する「ばらの騎士」の方で実力発揮というところか。同劇場では、ヘンツェ「裏切られた海」のプレミエも見逃せない。このオペラの原作は、言うまでもなく三島由紀夫の「午後の曳航」。ちなみにウィーン・フィルの2021年ニューイヤー・コンサートの指揮はムーティだが、大晦日にも同じ内容の公演が行われる。 一方のベルリン・フィルのジルヴェスターはペトレンコ指揮によるロドリーゴ「アランフェス協奏曲」中心の演奏会。大晦日の他のコンサートとしては、バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンの「第九」、ケント・ナガノ指揮ハンブルク・フィルの公演、ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンの公演、ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の「第九」(藤村実穂子出演)、フルシャ指揮バンベルク響のアメリカ・プロ、バーデン=バーデン祝祭劇場でのクルレンツィス指揮SWR響とコパチンスカヤの共演、チューリヒ歌劇場でバルトリの出演するヘンデル「アルチーナ」あたりが注目公演。 大晦日以外では、ラトル=ロンドン響がツィメルマンを独奏者として行うベートーヴェンのピアノ協奏曲マラソン(17日のバービカン。他にパリ客演公演あり)、メータ指揮ウィーン・フィルや、フィレンツェ歌劇場で彼が振る「オテロ」と同5月音楽祭管とのベートーヴェンの「第9」、ソヒエフ指揮のベルリン・フィル(サン=サーンス交響曲第3番「オルガン付」他)やボリショイ劇場管との客演公演(ウィーンのコンツェルトハウス(9日)、ケルンのフィルハーモニー(16日))、ロトの指揮するシュターツカペレ・ベルリンでのポリーニとの共演と、手兵レ・シエクルと共に演奏するサン=サーンスやプーランク(フィラルモニー・ドゥ・パリ)、アルゲリッチ独奏のラヴェルのピアノ協奏曲(シャニ指揮ウィーン響)とプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番(チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィル)、ソコロフのピアノ・リサイタル(2日ウィーンのコンツェルトハウス)、ベルリン古楽アカデミーとインスラ・オーケストラの共演、ビエイト演出のワーグナー「ローエングリン」(ベルリン州立歌劇場)、ギュルバカ演出のコルンゴルト「死の都」(ケルン歌劇場)、シュトゥットガルト歌劇場での室内アンサンブル版マーラー「大地の歌」の演出付上演、ヘンゲルブロック=バルタザール・ノイマン・アンサンブルのバッハ「ロ短調ミサ」、大野和士=バルセロナ響、クレバッサ出演のオッフェンバック「ファンタジオ」(パリ・オペラ・コミーク)、ハーディング指揮パリ管のマーラー「千人の交響曲」、ドレスデン・ゼンパー2での谷口まりや出演のエトヴェシュ作品等々、注目公演はまだまだ続く。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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