24左より:大野和士 ©Rikimaru Hotta/横山だいすけ/近藤良平 ©HARU/金森 穣 ©Kishin ShinoyamaOK! オーケストラ 9/5(土)14:00 音楽祭メインコンサート 9/6(日)16:00東京芸術劇場コンサートホール問 サラダ音楽祭事務局03-5330-3080 https://salad-music-fes.comトーキョー・メット・サラダ・ミュージック・フェスティバル2020[サラダ音楽祭]オーケストラとダンスで愉しむファミリー向けの音楽祭文:飯田有抄 「サラダ音楽祭」が今年も開かれる! 2018年から池袋の街を舞台に、数々のコンサートやワークショップ、街頭でのライブを通じ、誰もがクラシック音楽を身近に楽しめる音楽祭としてスタートした「TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL」。今年は新型コロナの影響で開催は厳しいだろうかと懸念していた人も多いだろう。しかし感染症予防対策が取られつつ、コンサートが徐々に再開される中、子どもたちに大人気の「OK! オーケストラ」、そして「音楽祭メインコンサート」の開催が発表となった。 オーケストラはもちろん東京都交響楽団、そして指揮は音楽監督の大野和士。9月5日の「OK! オーケストラ」は「赤ちゃんから入場OK!」のコンサート。すぎやまこういちの交響組曲「ドラゴンクエストV」の序曲のマーチで幕開けし、ビゼーの《カルメン》前奏曲や、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」など、華やかなクラシックの名曲が届けられる。今年は“歌のお兄さん”として人気を集めた横山だいすけが司会と歌で登場。「ビリーブ」で美声を聴かせてくれる。近藤良平が振付を担当するダンスは、今年もスーパーエイト(サラダ音楽祭ダンサーズ)が踊る。生き生きとしたステージを作り上げることだろう。今回は「歌ってOK!」とはいかないが、赤ちゃんも、子どもたちも、家族みんなで音楽を全身で受け止めて、楽しいひとときを過ごしてほしい。 9月6日の「音楽祭メインコンサート」は、モーツァルトの明るく伸びやかなモテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」で開始。臼木あいが表現力豊かなソプラノで歌い上げる。ラヴェルのピアノ協奏曲の第2楽章をしっとりと奏でるのは、NYと日本を拠点に活躍するピアニスト江口玲。都響のソロ・コンサートマスター矢部達哉がソロを務めるのはペルトの「フラトレス」(打楽器と弦楽合奏とのバージョン)。ラヴェルとペルトの2曲には国際的な活躍が目覚ましい舞踊家・金森穣が振り付けし、彼が率いるNoism Company Niigataがダンスを披露する。身体表現とのコラボレーションにより、哲学的とも言える美しい空間が生み出されることだろう。ラヴェルはもう一曲、流麗な「亡き王女のためのパヴァーヌ」が演奏され、さらには明るいオーケストラ・サウンドが楽しいミヨーのバレエ音楽「屋根の上の牡牛」で、賑やかなクライマックスを迎える。 残念ながら予定されていたオペラ公演などは中止を余儀なくされたが、今年は今年の楽しみ方で、サラダ音楽祭を堪能しよう!アンサンブル・ノマド 第69回定期演奏会 ともに生きる Vol.1 ~うたう過去、うたう土~それぞれの時代を生きた“人”のまなざしにじっと耳を傾ける文:江藤光紀 斬新なプログラム・ビルディングで現代音楽シーンを刺激するアンサンブル・ノマド。9月に延期となった第69回定期では、「うたう過去、うたう土」をテーマに据えたプログラムを披露する。 その心はずばり、“死者の存在を感じる”だ。当代きってのパフォーマー、メゾソプラノの波多野睦美の透き通った声を触媒として、様々な時代・地域の過去が語り始める。ダウランド、カッチーニ、パーセル、ヘンデル、カプスペルガーといったルネサンスやバロック期の音楽が、高橋悠治、渡辺裕紀子、壺井一歩といった現代日本の感性と交歓する。メキシコのエベルト・バスケスは9/15(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 キーノート0422-44-1165 https://www.ensemble-nomad.com※振替公演のため、6月号掲載の記事を一部改変のうえ再掲しました。ノマドともつながりの深い作曲家だ。コンサートの最後にはブルガリア音楽が披露される。スラヴやトルコの文化が入り混じる民族色豊かなこの地の哀愁を湛えたメロディ、祝祭のステップの数々。リュート(瀧井レオナルド)やブルガリアの弦楽器ガドゥル波多野睦美 ©HAL KUZUYAカ(ヨルダン・マルコフ)なども加わり、漂流・遊牧をその名に掲げるノマドらしい一夜となるだろう。アンサンブル・ノマド ©Maki Takagi
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