358/17(月)14:00 18:30 日経ホール 問 日経公演事務局03-5227-4227http://www.nikkei-hall.com第499回日経ミューズサロン 小林 桂(ジャズ・ヴォーカル) ザ・ベスト・オブ・ジャズ・スタンダード日本屈指のジャズ・ヴォーカリストのスタンダードを楽しむ文:藤本史昭 昨年メジャー・デビュー20周年を迎え、今や名実ともに日本を代表するジャズ・ヴォーカリストとなった小林桂が、この夏も日経ミューズサロンに登場する。「ザ・ベスト・オブ・ジャズ・スタンダード」と題された今回のコンサートで歌われるのは、小林の代名詞といっても過言ではないスタンダード・ナンバーの数々。〈枯葉〉〈酒とバラの日々〉〈A列車で行こう〉〈サマータイム〉など誰もが耳にしたことのある名曲たちを、曲本来の魅力を損なうことなく、しかし小林ならではのアプローチで表現するそのステージは、ジャズ・ファンならずとも必見。サイドを固めるミュージシャンも、長年共演を続け気心の知れている第一級の腕利きばかり(ピアノ:田窪寛之、ベース:池尻洋史、ドラムス:則武諒、サックス:吉本章紘)。あえて、小林も含めた「クインテット」を名乗っていることからも、バンド内の信頼関係の厚さ、そして自信の大きさをうかがい知ることができるだろう。 夏の日のひと時、甘く繊細なジャズ・ヴォーカルの世界に浸ってみてはいかが?9/9(水)19:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677 https://www.proarte.jp白石光隆 ピアノリサイタル Vol.33柔軟な音楽性を生かした多面性を味わうプログラム文:長井進之介 ©岩切 等 アメリカで研鑽を積み、帰国後はソロにアンサンブルなど幅広い分野で活躍を続ける白石光隆。彼が毎年東京で定期的に開催しているリサイタルが、今回で第33回を迎える。 柔軟な音楽性が持ち味の白石はレパートリーも幅広く、今回もそれを存分に発揮した内容である。ヘンデルにシューマン、さらにヤナーチェクやフォーレ、ローゼンブラットまでを一晩のプログラムに並べてしまうことができるピアニストはそういないだろう。白石の輝かしい音色と軽快なリズム感を楽しめるのは間違いないが、特に注目したいのがロシアのコンポーザー・ピアニスト、ローゼンブラットによる「パガニーニの主題による変奏曲」。多くの作曲家が変奏曲を書いたパガニーニの「24のカプリース」終曲のテーマを主題とし、スウィング・ジャズの要素に加えて充実した対位法も駆使され、ピアニストの様々な可能性を示す超難曲である。それだけに、白石のピアニズムの多面性を特に味わうことができるだろう。8/9(日)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 リス・ドゥ・レーヴ03-5738-7377 https://marimoriya.comLes femmes au théâtre ゲキジョウシマイ女声オペラ歌手によるユニットのファースト・ステージ文:東端哲也左より:森谷真理/鳥木弥生 ©Yoshinobu Fukaya オペラ界における永遠の好敵手=ソプラノ&メゾソプラノのユニット、その名も「ゲキジョウシマイ(Les femmes au théâtre)」が東京オペラシティで第1弾コンサートを開催。夜の女王役で欧米の主要歌劇場を席巻し、昨年は「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」にて国歌を独唱する栄誉に浴した森谷真理と、イタリアとフランスで研鑽を積み、《蝶々夫人》のスズキ役をスペイン各地の劇場で演じて大成功を収め、笈田ヨシ演出による同役で高評価を得たのも記憶に新しい鳥木弥生というゴージャスな二人が、この道のエキスパートでもあるピアニスト江澤隆行との共演でフランス音楽の特別なプログラムを披露。前半はフォーレやショーソン、ドビュッシーらの歌曲を魅惑の二重唱で。後半はソロのアリアを交えつつ、ドリーブ《ラクメ》より〈花の二重唱〉やグノー《ミレイユ》より〈ああ、もっと話して〉などで聴衆の期待に応えつつ、隠れた名曲にも光をあてる素晴らしい趣向だ。
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