eぶらあぼ 2020.7月号
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8210月の見もの・聴きもの2020年10月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎10月1、4、7、11日 ヴェルディ:ドン・カルロ(フランス語原典版) 指/B.ド・ビリー、演出/P.コンヴィチュニー、出/I.アブドラザコフ、J.カウフマン、I.ゴロヴァテンコ、R.スカンディウッツィ10月2、6、8、10日 R.シュトラウス:サロメ 指/A.ソディ、演出/B.バルロク、出/V.ヴォルフシュタイナー、M.プルデンスカヤ、V.ミクネヴィチウテ、T.コニエチュニー★◎10月12、16、20、23、26日 モーツァルト:後宮からの誘拐[プレミエ] 指/A.マナコルダ、演出/H.ノイエンフェルス、出/C.ニッケル、L.オロペサ、R.ミューレマン、G.ユリッチ、D.ベーレ、M.ローレンツ10月13、17、21、24日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/M.アルミリアート、演出/I.ブルック、出/E.シュロット、D.コルチャク、B.ピンハソヴィチ★◎10月25、28、31日 チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン[プレミエ] 指/T.ハヌス、演出/D.チェルニアコフ、出/T.ゴチャシュヴィリ、A.コリアチョワ、A.シューエン、B.ヴォルコフ、D.イワシュチェンコ10月30日 マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ/レオンカヴァッロ:道化師 指/M.アルミリアート、演出/J=P.ポネル、出/〔カヴァレリア・ルスティカーナ〕E=M.ヴェストブレック、B.ジャッジ、M.ザンピエッリ、A.マエストリ/〔道化師〕R.アラーニャ、A.クルザク、A.マエストリウィーン・フォルクスオーパー〔注〕先月号の段階で未発表であった9月分を含めて掲載します。9月1(19:00)日、10月16(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出(校訂)/H.ツェドニク9月2(19:00)、7(19:00)、15(19:00)、19(19:00)、23(19:00)日、10月2(19:00)、7(19:00)、11(19:00)日 C.ポーター:キス・ミー・ケイト(ミュージカル) 演出/B.モットル9月3(19:00)、9(19:00)、12(18:30)日、10月9(19:00)、20(11:00)、31(18:30)日 M.F.ランゲ:カンタヴィルの亡霊 演出/P.M.クレン★9月11(19:00)、13(19:00)、18(19:00)、22(19:00)、26(19:00)、30(19:00)日、10月12(19:00)、18(19:00)、23(19:00)、28(19:00)日 C.コールマン:スイート・チャリティ(ミュージカル)[プレミエ(13日)] 演出/J.フォン・マトゥシュカ9月16(19:00)、25(19:00)、28(19:00)日、10月3(19:00)、6(19:30)日 レハール:メリー・ウィドウ 演出/M.A.マレッリ9月17(19:00)、24(19:00)、29(19:00)日、10月4(19:00)、10(19:00)、13(19:00)、19(19:00)、24(19:00)日 ビゼー:カルメン演出/G.ヨーステン★10月17(19:00)、21(19:00)、25(18:00)、30(19:00)日 モーツァルト:魔笛[プレミエ] 指/A.ビールマイヤー、演出/H.メイスン10月22(19:00)、27(19:00)、29(19:00)日J.カンダー:キャバレー(ミュージカル) 演出/G.メーメルト10月26(18:00)日 オッフェンバック:König Karotte(にんじんの王) 演出/M.ダヴィッズアン・デア・ウィーン劇場〔注〕先月号の段階で未発表であった9月分を含めて掲載します。★◎9月16(19:00)、18(19:00)、21(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、27(19:00)日レオンカヴァッロ:ザザ[プレミエ] 指/S.ゾルテス、演出/C.ロイ、出/S.アクセノワ、N.シュコフ、C.マルトマン、D.ヘルベルト、E.シコーザ、演奏/ウィーン放送響◎9月20(19:00)日 A.ポルポラ:カルロ・イル・カルヴォ(演奏会形式) 指/G.プトルー、出/M.E.チェンチッチ、F.ファジョーリ、J.レジネーヴァ、演奏/アルモニア・アテネア★10月14(19:00)、15(19:00)、16(19:00)、17(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、21(19:00)、22(19:00)、23(19:00)、24(19:00)日 ガーシュウィン:ポーギーとベス[プレミエ] 指/W.マーシャル、演出/M.ワイルド、演奏/ウィーン室内管ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)]10月1(19:30)、3(15:30)、4(11:00)、5(19:30)日 H.ブロムシュテット指揮 ベートーヴェン:交響曲第4番、ニールセン:交響曲第5番10月16(19:30)日 V.ゲルギエフ指揮 ベートーヴェン:コリオラン(序曲)、シューベルト:交響曲第7番「未完成」、R.シュトラウス:英雄の生涯10月17(15:30)、18(11:00)日 V.ゲルギエフ指揮 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、海、ストラヴィンスキー:火の鳥(全曲)10月19(19:30)(KH)日 V.ゲルギエフ指揮プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(抜粋)、ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 独/D.マツーエフp〔10月22日−11月14日:中国・台湾・韓国・日本公演〕ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(BWH)=クアハウス(バート・ヴェリスホーフェン)]【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 新型コロナの影響は依然として薄らいではいない。ニューヨークの「メトロポリタン歌劇場」はシーズンの開幕を12月31日に延期することを発表したし、新シーズンの公演チケットの発売を延期したり、公演予定そのものの発表を遅らせている劇場などもまだまだ見受けられる。その一例として「ケルン歌劇場」、「英国ロイヤルオペラ」、「シュトゥットガルト歌劇場」などの公演予定が、本稿執筆時点(6月4日)では未発表のまま。次善策として、ハンブルクの「エルプフィルハーモニー」(ホール)、「スイス・ロマンド管」、「チェコ・フィル」などを掲載したのでご了解いただきたい。 さて10月の注目公演。まずはオペラから見ていくと、プレミエ公演では、いささかマニアックというか玄人好みの演目が目につく。具体的には、アン・デア・ウィーン劇場のレオンカヴァッロ「ザザ」(ゾルテス指揮)、ベルリン州立歌劇場のフランチェスコーニ「カルテット」(バレンボイム指揮)、フランクフルト歌劇場のリゲティ「ル・グラン・マカーブル」(ヴァイグレ指揮)、バイエルン州立歌劇場のブラウンフェルス「鳥たち」(メッツマッハー指揮)、ミラノ・スカラ座のシェーンベルク「期待」とノーノ「不寛容1960」(メータ指揮)、ローマ歌劇場のストラヴィンスキー「道楽者のなりゆき」(ガッティ指揮)等々。確かに馴染みのない作品も多いかもしれないが、ゾルテス、メッツマッハー、メータらの棒で聴けるのであれば、これはなかなかの聴きものだ。特にバイエルン州立歌劇場の「鳥たち」は要注目。 また、ウィーン国立歌劇場のモーツァルト「後宮からの誘拐」(ノイエンフェルス演出)、チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」(チェルニアコフ演出)などは本来なら言及して然るべきであろうが、歌手陣がウィーンとしてはやや物足りないような気も。もちろん、そう予想していたら素晴らしい歌手がいた…ということはしばしばあったりするのだが…。 なお、パリ・オペラ座のワーグナー「ジークフリート」も重要プレミエだが、本稿執筆時点では指揮者名が明らかにされていない(当初予定はフィリップ・ジョルダン)。また、通常公演のオペラとしては、パリ・オペラ座ガルニエ宮でヘンゲルブロックが振るグルック「トーリードのイフィジェニー」、ジュネーヴ大劇場でミンコフスキが振るヘンデルの演出付「メサイア」、ヤーコプスがフライブルク・バロック管を振って演奏するベートーヴェン「レオノーレ」といった古楽系ベテラン指揮者陣の公演や、日本人指揮者、森内剛の振るフランクフルト歌劇場のショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」などが要注目。ベルリン・ドイツ・オペラの「ワルキューレ」(ヘアハイム演出)やハンブルク州立歌劇場の「トリスタンとイゾルデ」(ナガノ指揮)、エッセン歌劇場の「タンホイザー」(ネトピル指揮)といった一連のワーグナーものも見逃せない。 オーケストラにも注目公演が多い。まず、ベルリン・フィル。10月はヤノフスキ、ロト、ミンコフスキ、ペトレンコと非常に豪華な指揮者陣。特に久々のベルリン・フィル登場となるミンコフスキが満を持して取り上げるのはリストやベートーヴェンの「プロメテウス・プロ」。ペトレンコの振るアイヴズ「宵闇のセントラルパーク」にも興味をそそられる。ヘンゲルブロックはパリ・オペラ座の他に、手兵バルタザール=ノイマン=アンサンブルとブラームスの「ドイツ・レクイエム」、フランス国立管とはJ.シュトラウスとブラームスの組み合わせプロを振る。パリ管ではソヒエフがストラヴィンスキーやラヴェルを演奏。コンセルトヘボウ管ではツィメルマンによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏などもあるが、同じベートーヴェンでは、サヴァールがル・コンセール・デ・ナシオンを振って行う交響曲全曲演奏こそ10月の大注目公演。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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