eぶらあぼ 2020.7月号
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17「舞台」が新鮮な気分に! こんなにも長引くとは正直思っていませんでした。まあいろんな意味でリセットされた気がします。「舞台に立つこと」は特別なことではありますが、これからは、ますます貴重な「生のあったかい時間」になります。尊い感覚、圧倒される空気感、そして少し夢心地で劇場を出ていく瞬間、それがただただ待ち遠しいです。 人間関係、肉体関係と2つ並べるとすこしドキッとするが、その感覚は、新型コロナウイルス以後変わってしまう気がします。僕らは、WS(ワークショップ)でコンタクトというワークをよくしますが、生活の中でさえ、人々の見え方、感じ方は大いに変化することでしょう。 さあ、「舞台」はどうのように我々を迎えてくれるでしょうか。 その新鮮な気分が、今すでにドキドキします。自らを磨く作業だったり、知を獲得する欲望はかわりません。さあ、この次にくる「世の中」を楽しむためにもみなさん、健康を! そして人間的な魅力をこれからも「素手」で楽しんでいけたらと思います。近藤良平Ryohei Kondo/コンドルズ主宰、振付家、ダンサー 数ヵ月前までは、当たり前のように生活をし、指揮をし、自由に海外でも活動しておりました。そして、当然の如く、満足だけでなく、同時に不満も持って生きていました。ところが、今となっては、本当に幸せだったことが良く分かりました。終息後は、不安なく家族と生活をし、自由に友人と会い、指揮を出来ることのありがたさを大切にする自分になっていると思います。そして、どんな音楽でも、たとえ、CMで流れている音楽でも、立ち止まって聴いている自分がいます。自分にとって、人々にとって、これほどまで音楽の存在は大きいのだと良く分かりました。 再び、指揮台に戻った時には、オーケストラの皆様と存分に音楽をしたいと思います。楽しみにしておいてください。それまで、頑張りましょう。篠㟢靖男Yasuo Shinozaki/指揮©Benjamin Ealovega

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