465/20(水)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227http://www.nikkei-hall.com第496回日経ミューズサロン ワルター・アウアー フルート・リサイタルウィーン・フィル首席奏者が奏でる魅惑のプログラム文:宮本 明 「東京の街は、さすがにウィーンよりは知らないけど、グラーツよりは詳しいよ」と笑う日本びいき。楽器も日本製。ウィーン・フィル首席のイケメン、アウアーのリサイタルは、いわば「ベートーヴェンとオペラ」。ウィーンの音楽家たちの“母語”であるベートーヴェンにはフルートが主役の室内楽は少なく、三重奏の原曲を作曲者監修で編曲したセレナード ニ長調はその貴重な一曲。ヴァイオリンの人気曲スプリング・ソナタはフルート奏者もよく吹く。流れるような旋律美はフルートでも違和感なく、さらに原曲とはひと味異なる渋さもある。 そして毎晩劇場のピットに入るウィーン・フィルの奏者たちの一方の原点であるオペラにおいて、しばしばとても印象的に用いられるのがフルート。それを証明するような、ショパンの「ロッシーニの主題による変奏曲」とタファネルの「ミニヨン幻想曲」。かすかにワーグナーの気配を感じる、20世紀アメリカのリーバーマンのソナタ。センスあふれる巧みな選曲の一夜。共演は沢木良子(ピアノ)。7/12(日)14:00 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール問 かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233 https://www.k-mil.gr.jpシプリアン・カツァリス ピアノ・リサイタル唯一無二の“パートナー”とショパンの佳品へ新たな命を吹き込む文:笹田和人©Carole Bellaïche 「精神的・肉体的な関係のすべてを共有するパートナー」。知性と技巧、深い精神性に裏付けられた薫り高いプレイで、世界中の聴衆を魅了し続ける名匠、シプリアン・カツァリス。自身にとっての「ピアノ」という存在を、こう表現する。フランス・マルセイユ出身。パリ音楽院在学中から頭角を現し、1966年に15歳の若さでデビューを果たすと、エリーザベト王妃やチャイコフスキー、ジョルジュ・シフラなど、名だたる国際コンクールで次々に入賞・優勝。世界的ピアニストとして、さらに作・編曲家としても活躍している。また、93年放映のNHK『ショパンを弾く』では、音楽創りの奥義を披露。我が国での人気はいっそう高まった。 今回のリサイタルは、“英雄ポロネーズ”ことポロネーズ第6番をはじめ、名匠が最も得意とし、作品研究にも打ち込んできたショパンを特集。「その天才性は、人間の可能性を超越している」と評する“ピアノの詩人”の佳品の数々へ、唯一無二の“パートナー”とともに、新たなる命を吹き込む。平尾はるなピアノコスモス2020 ベーゼンドルファーコンサート気品あふれるフランスのピアニズムを味わう文:長井進之介 平尾はるなは、幼少期から安川加壽子に師事し、東京藝術大学附属高等学校、同大学を経てパリ国立高等音楽院で学んだピアニストである。1966年にデビューリサイタルを開催してからは、幅広い演奏活動の中で特に日本のピアノ作品の普及につとめ、多数の作品を委嘱。日本人作曲家の音楽の魅力を広く伝えている。さらに現代音楽のスペシャリストを育成するなど、教育活動も積極的に行い、スポーツトレーニングの概念を取り入れたまったく新5/17(日)14:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677https://www.proarte.jpしいピアノ練習法の研究にも取り組んでいる。 そんな彼女が届けてくれる今回のリサイタルでは、モーツァルトやショパンの名曲とともに、彼女の父である平尾貴四男の「ピアノのためのソナチネ“みのり”ニ長調」が演奏される。もちろんピアノはベーゼンドルファー。フランスの伝統を継承した気品あふれるピアニズムで奏されるプログラムを通して、日本の作曲家の作品がもつ独自の美しさを存分に味わってほしい。
元のページ ../index.html#49