eぶらあぼ 2020.5月号
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43ベン・グラスバーグ(指揮) 読売日本交響楽団欧州を沸かす新鋭とハープの貴公子が放つめくるめく色彩美文:山田治生第227回 土曜マチネーシリーズ 5/23(土)第227回 日曜マチネーシリーズ 5/24(日)各日14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp 読売日本交響楽団の東京芸術劇場でのマチネーシリーズに、2017年、ブザンソン国際指揮者コンクールに23歳で優勝した、イギリス出身の新鋭ベン・グラスバーグが登場する。彼は、ケンブリッジ大学卒業後、英国王立音楽院でシャーン・エドワーズに師事した。これまでに、ロンドン・フィル、ロイヤル・フィル、BBC交響楽団、フランス放送フィル、デトロイト交響楽団などを指揮。17年《皇帝ティートの慈悲》を指揮してグラインドボーン音楽祭にデビューした。その後、同音楽祭で《蝶々夫人》や《椿姫》なども手がける。また、ザルツブルク音楽祭にもデビューしている。日本では今年1月に東京交響楽団を指揮した。 今回は、モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》序曲、交響曲第31番「パリ」、ラヴェルの「ボレロ」などを指揮。モネ劇場で《ダ・ポンテ三部作》に取り組むなど、モーツァルトを得意としているグラスバーグだけに、「パリ」では新岡田 将まさる ピアノ・リサイタル国内外のコンクールを制した実力派が魅せる三大ソナタ文:長井進之介11/27(金)19:00 トッパンホール 5/27(水)発売問 コンサートイマジン03-3235-3777 http://www.concert.co.jp  岡田将は桐朋女子高等学校音楽科(共学)を首席卒業後、オーストリアとドイツで研鑽を積んだピアニスト。アルトゥール・シュナーベルコンクール第1位及びスタインウェイ賞、第5回リスト国際ピアノコンクール第1位など輝かしいコンクール入賞歴を誇り、ドイツを中心にヨーロッパで多くの演奏活動を行ってきた。日本でも東京交響楽団や日本フィルハーモニー交響楽団など、国内主要オーケストラとの共演も重ね、ソロに留まらず幅広い演奏活動を展開。2011年にはオール・リスト3回シリーズ、12年、13年にはバッハのパルティータ全6曲を一晩で演奏するといった挑戦的なプログラムによるリサイタルで大反響を呼んだ。力強い音色、スケールの大きな音楽づくりによってベートーヴェンの演奏でも高い評価を受けている岡田は、近年この作曲家を積極的に取り上げており、14年から2年間にわたるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲シリーズ(全8回)、15年にはベートーヴェンの五大ソナタによるリサイタル、18年にはヴァイオリニストの正戸里佳とヴァイオリン・ソナタ全曲リサイタル、チェリストのルイス・クラレットとはCD『ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲』をリリースした。 そんな彼が今回挑むのはベートーヴェンの「悲愴」「月光」「熱情」の三大ソナタだ。常に挑戦する姿勢を崩さず自らの音楽に向き合ってきた岡田。大切にしてきたレパートリーに改めて向き合い、熟成されたベートーヴェンを聴かせてくれることであろう。©Yoshiko Muneishi鮮な演奏を聴かせてくれるに違いない。若き逸材が作り出す音楽に注目である。 18世紀末から19世紀初頭にかけてフランスで活躍したボワエルデューのハープ協奏曲では、同国出身の名手、グザヴィエ・ドゥ・メストレが独奏を務める。実力&人気でトップを行くメストレによる優美な演奏が楽しめるだろう。 ラヴェル、ボワエルデューなどのフランス音楽にモーツァルトの「パリ」を加えた、フランスに関わりの深いプログラム。休日の午後にふさわしい華やかなコンサートになりそうだ。グザヴィエ・ドゥ・メストレ ©Gregor Hohenberg/Sony Classical Internationalベン・グラスバーグ ©Gerard Collett

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