136“幸せな出逢い”となりそう。2016年に日本人として初めて、難関・モントリオール国際音楽コンクールを制したヴァイオリンの辻彩奈。活躍めざましい奏者が、我が国を代表するピアノの名手、伊藤恵とともに臨むリサイタルは、ソナタ第9番「クロイツェル」、同第10番、「2つのロマンス」と、ベートーヴェンの佳品を軸に。現代イタリアのサルヴァトーレ・シャリーノの、技巧を要する「6つのカプリッチョ」からの4曲も披露する。伊東福雄と篠原正志、2人の気鋭の奏者により結成され、35周年を迎えた「フリーバーズ・ギターデュオ」。中世から現代、委嘱作や編曲まで、“自由な鳥たち”の妙技は、国内はもとより、欧州や豪州でも好評を博してきた。節目を記念するステージは、言わば「ベストセレクション」。ソル「ファンタジア」などギター名曲はもちろん、平佐修の新作初演、中世の名旋律による“旅”メドレーまで、35年のエッセンスを。クラシックはもちろん、ジャズやタンゴ、アイリッシュまで、ジャンルレスな演奏活動に加え、自然体でのトークも好評の人気ヴァイオリニスト、奥村愛。今回のステージは、ヴァイオリンの大宮臨太郎らNHK交響楽団のメンバーによるアンサンブルとともに贈る。ヴィヴァルディ「四季」全曲を中心に、J.シュトラウスⅡ「美しく青きドナウ」や「ジプシーメドレー」ほか、名旋律が咲きこぼれる音の花束を届ける。今年、創立20周年を迎えた中部フィルハーモニー交響楽団が、三井住友海上しらかわホールを舞台にスタートさせる「NAGOYAシリーズ」。芸術監督・首席指揮者の秋山和慶のタクトによる、生誕250年を記念した「ベートーヴェン・ツィクルス」第1弾は、交響曲というジャンルへ革命をもたらした第3番「英雄」に、第1番を併せて。円熟の名匠と、覇気溢れる精鋭集団。“楽聖の年”に相応しい鮮烈な快演が期待できよう。月の5フリーバーズ・ギターデュオ結成35周年記念リサイタル奥村 愛の「四季」~N響の仲間たちと共に~玉木 優(トロンボーン)第179回サンシティクラシック・ティータイムコンサート 辻 彩奈(ヴァイオリン)中部フィルハーモニー交響楽団第70回定期 NAGOYAシリーズ1飯森範親(指揮) 東京交響楽団 名曲全集 第157回5/4(月・祝)14:00 ヤマハホール5/17(日)14:00 府中の森芸術劇場 ウィーンホール5/13(水)19:00 豊中市立文化芸術センター(小)5/22(金)19:00 Hakuju Hall5/9(土)14:00 越谷/サンシティホール(小)5/17(日)15:00 三井住友海上しらかわホール5/17(日)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール文:笹田和人辻 彩奈 ©Warner Classics伊藤 恵 ©大杉隼平秋山和慶美しさとダイナミズム、さらに繊細さも。トロンボーンの表現の深遠さを知るステージとなろう。玉木優は、京都市芸大やベルン芸大などに学び、南デンマーク・フィルに入団、一昨年からソリストとして活動する名手。ピアノの城綾乃を伴うステージでは、3つの世界初演を含む、自身の委嘱による作品をはじめ、トマジとジェイコブによる2つの名協奏曲に、デュパルクの美しい歌曲も配した、意欲的なプログラムに挑む。©Patricio Sotoウィーンを拠点に、国内外のオペラの檜舞台で活躍する、若手コロラトゥーラ・ソプラノの梅津碧。「名曲全集」第157回に登場し、飯森範親指揮の東京交響楽団をバックに、モーツァルト《魔笛》やオッフェンバック《ホフマン物語》、バーンスタイン《キャンディード》からの、超絶技巧を要する名アリアの数々を歌いこなす。さらに、オペラやオペレッタの序曲のほか、チャイコフスキーの傑作「悲愴」も併せて味わえる、贅沢なステージだ。飯森範親 ©山岸 伸梅津 碧
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