eぶらあぼ 2020.5月号
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108ログラムを用意している。 また、20年11月には鈴木大拙、西田幾多郎生誕150年を記念した渡辺俊幸作曲のオペラ《禅ーZEN》の世界初演など、話題性に富んだシーズンになりそうだ。オーケストラ・アンサンブル金沢http://www.oek.jp■河村尚子が第51回サントリー音楽賞 を受賞 ピアニストの河村尚子が第51回(2019年度)サントリー音楽賞を受賞した。同賞は、公益財団法人サントリー芸術財団が、洋楽文化の発展に顕著な業績をあげた個人または団体を顕彰し、贈呈している。 河村は、2006年ミュンヘン国際コンクール第2位、07年クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝。ドイツを拠点に、ヨーロッパや日本でリサイタルを行うほか、ウィーン響、バイエルン放送響などにソリストとして迎えられ、室内楽ではチェリスト、クレメンス・ハーゲンと共演するなど積極的な活動を展開している。現在はエッセンのフォルクヴァング芸術大学教授を務める。今回は、19年に完結したベートーヴェン・ピアノソナタ・プロジェクトなど近年の活動の充実に加え、さらなる飛躍の可能性が評価されての受賞となった。サントリー芸術財団https://www.suntory.co.jp/sfa/■第19回佐治敬三賞に 《THE 鍵 KEY(ザ キー)》 第19回(2019年度)佐治敬三賞に、2019年5月に行われた「THE 鍵 KEY (ザ キー)」が決定した。同賞は、公益財団法人サントリー芸術財団より、国内で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高い優れた公演に贈られる。  この作品は谷崎潤一郎の『鍵』を原作としたフランチェスカ・レロイ作曲・演出のオペラ。劇場ではなく一軒の家を舞台に使用し、 複数の部屋に歌手やダンサー、器楽奏者が散らばって4人の登場人物のドラマが同時進行的に演じられていく。観客は自由に移動しながら鑑賞し、家族の秘密を覗くというスリルを味わいながら物語を楽しむ仕掛けで、大正期に建てられた東京・谷中の彫刻家・平櫛田中の旧邸を舞台に上演された。「原作と作曲と演出と上演空間と演者の五拍子が揃った稀有な成果」(片山杜秀選考委員)と高く評価された。 サントリー芸術財団https://www.suntory.co.jp/sfa/■第30回出光音楽賞の受賞者が決定 第30回出光音楽賞の受賞者が決定した。同賞は出光興産株式会社が、主にクラシックの音楽活動を対象に、将来有望な若手、新進音楽家の活動を支援するために1990年に制定。受賞者にはそれぞれ賞状と賞金300万円が贈られる。 今年の受賞者は以下の通り(五十音順)。◎佐藤晴真(チェロ)1998年名古屋市生まれ。2018年、ルトスワフスキ国際コンクールを制し、19年にはミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門で日本人として初優勝。国内外のオーケストラとの共演のほか、室内楽にも力を注いでいる。現在、ベルリン芸術大学にてJ=P.マインツに師事。◎服部百音(ヴァイオリン)1999年東京都生まれ。2015年、ボリス・ゴールドシュタイン国際ヴァイオリンコンクールでグランプリ受賞。ティチアーティ指揮ベルリン・ドイツ響など、海外のオーケストラとの共演も多数。現在、ザハール・ブロン・アカデミーに在籍するほか、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースに在学中。《THE 鍵 KEY(ザ キー)》より ©Shin Sumimoto©Marco Borggreve藤田真央©EIICHI IKEDA服部百音©CHIHOKO ISHII佐藤晴真©Tomoko Hidaki

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